チャイナの海洋侵略

 いよいよ来ました。チャイナが。

中国の赤い舌

中国の赤い舌

 南シナ海で、ベトナムの警備船と放水合戦の末に体当たりをして、ベトナムの船の船腹に大きな損傷を与えた。その3日後にはフィリピンの領海でワシントン条約に違反して、ウミガメを60頭も捕獲していたチャイナ漁船が拿捕され、船員が逮捕された。
 こうしたチャイナ船との衝突はずっと続いており、ベトナムは国際法廷に提訴しているが、チャイナはまったく意に介していない。今回はチャイナが採油基地の建造を始めたので、ベトナムはそれを阻止しようとしたのが、原因だった。
 
他国の領海などまったくお構いなしの「赤い舌」

他国の領海などまったくお構いなしの「赤い舌」

 日本人は陸地の国境を持たないため、国境というものに対する認識に極めて乏しいといえる。
 世界の歴史を見れば、国境というのは固定したものではなく、政治情勢や軍事力によってつねに変動するものなのである。これまでの歴史において、海洋国ではなかったチャイナが世界の一二を争う経済力を付けるとともに海洋国家を目指して、海に進出してきたのは、ある言い方をすれば、一つの自然の流れともいえる。
 上の図に示されるように、中国はまったく勝手に、南シナ海に領海の境界線を引いた。いわゆる中国の赤い舌と呼ばれるものである。

スカボロ礁

スカボロ礁 フィリピンは写真のように領有をアピールしていたが一夜にして占領されてしまった。

 フィリピンの領海には、スカボロ礁と呼ばれる岩礁があった。これは当然フィリピンのものであったのだが、もしこれがフィリピンのものであれば、その領海は北に広がり、赤い舌はまるで蛇の舌のようなものになってしまっただろう。そこで、チャイナはアメリカ軍が撤退するや否や、ある嵐の夜を狙って、一夜のうちにスカボロ礁に建造物を建ててしまった。そしてスカボロ礁を中国領土だと主張したのだった。
 日本の沖ノ鳥島は、干潮時だけに姿を現す珊瑚礁であるが、これが島である限りその周辺は領海であり、この小さな岩礁がなくなれば、大きく領海を失うことになる。そこで、東京都は周りをブロックして、波による摩耗を防いでいる。
 チャイナは自分やっていることは棚上げして、これは島ではない、補強するのは国際法違反だとお笑いのような非難を行っている。
 中国のやり方は次のサイトの写真を見ればよく分かる。チャイナのやり方

 こうした傍若無人な国際法を無視した海洋進出、というよりぼくは海洋侵略と呼ぶべきだと思うのだが、に対してベトナムもフィリピンもほとんど対抗できない。その海軍力があまりに違いすぎるのだ。こんどのベトナムとの衝突にしても、チャイナの公船は80隻もやってきて、採油基地建設現場を取り囲んでいた。対するベトナム船はわずかに20隻。これではどうしようもなかった。
 この南シナ海の争乱は、東シナ海でもいつ起こるかも知れない状況にあると考えられ、日本としてはまったく人ごとではない。安倍首相は、ASEAN諸国や環太平洋諸国のみならず、ヨーロッパ諸国も歴訪し、チャイナの横暴を訴えているが、そんなことでチャイナがひるむとは決して思われない。

榎本武楊

榎本武楊

 では、対抗する方法はなにか。チャイナの横暴な侵略の被害国は、共同してこれに対抗し国際法の遵守を訴えるなどという正論が説かれている。果たしてそんなことが有効なのだろうか。
 ぼくは、明治期の日本を思い出すべきだと思う。
 欧米の進出の危機にひんし、日本の欧米使節団は日本の近代化の指針を探った。年若く通訳を務めていた伊藤博文は、プロシャ帝国の名宰相ビスマルクに国際法について質問した。
 日本は明治期から国際法には通じていた。たとえば戊辰戦争の最後の戦いの函館戦争を五稜郭で戦った榎本武楊は国際法に通じていたとされる。そういうこともあって、賊軍の指揮官であったにもかかわらず、彼は明治新政府に登用されたのだった。

鉄血宰相オットー・フォン・ビスマルク

鉄血宰相オットー・フォン・ビスマルク

 伊藤博文は、国際法は欧米列強に対抗する有効手段だと考えていた。しかし、ビスマルクはこう答えたのだった。
 国際法など何の役にも立たない。大国は都合の良い時には国際法を振りかざすが、都合が悪い時には平気で無視するものだ。やはり、立派な憲法を持つことが最重要なのであると。
 伊藤はこの言葉を聞いて活眼を開き、再度渡欧して、ドイツ憲法を深く研究して帰国、世界が驚くような見事な帝国憲法を作ったのだった。
 この史実にかんがみれば、問題は日本の憲法にあることにぼくたちは気付かなければならないと思うのだ。
 翻って考えてみても、国際法など無視されるものだということは、マッカーサーがいかに国際法を無視した占領政策を行ったかを考えれば、容易に分かることではないのだろうか。

 先日、オバマ大統領がアジアを訪れ、日本では尖閣列島に大統領としては初めて言及した。日本政府の面々は大喜びした。ハリウッドのドキュメンタリー映画「二郎は鮨の夢を見る」に描かれた寿司屋で、安倍総理と鮨をつまんだ。「生涯で初めての美味しい鮨だった」と言ったという報道だった。でも、ぼくが娘の車に乗ってみていたテレビでは、寿司屋から出てきたオバマさんは、記者の一人に聞かれて、ぼくの記憶では、「some good」と答えていた。「けっこうよかったよ」と「生涯で・・・」とは大違い、まあ報道されてる場面では、本音はいえないのだろうけれど。
 尖閣は安保条約の対象となると言ったとはいえ、結論では領有権にはタッチしないと言明している。つまり戦いになったら乗り出すけれど、尖閣がどっちのものかは勝手に決めてくれ、どっちの味方もしないということだと理解すべきなのだとおもう。

 この話を聞いても、チャイナは全然驚かなかったと思われる。こうしたことは、先のキャンプデービッドでのオバマ・習近平の長時間の会談ですでに話し合われていたかも知れない。領有権には関与しないということが、である。
 中国がいま、目標としているのは、尖閣問題の棚上げなのである。日本は領有権を巡る問題はないとしているが、これをなんとしてでもあることにして、そして棚上げすることで合意する。これを目指している。だから、この棚上げを日中首脳会談の条件にしているのである。
 東シナ海は南シナ海と違って、そう簡単ではない。日本はベトナムやフィリピンとは違う。海軍・空軍とも船や飛行機の数では勝るとはいっても、装備の品質が異なるし、決定的には練度が比べ物にならない。そのことはチャイナも充分に分かっている。だから、下手に手出しして、負けて恥をさらすことはしたくない。

 そこで、もしチャイナが戦いを仕掛けるとすれば、それは瞬間的に終わるものでないといけない。短い戦闘が行われて終結すれば、それは尖閣が両国の領土問題が存在することを世界に示すことになる。国内的にも日本に負けなかったと宣伝できるわけだ。この戦略の図式を行う為にはアメリカが必要なのである。
 ともかく戦いを仕掛ける。日本はそうやすやすとは挑発に乗ってこないことは先刻承知である。しかし堪忍にも限度があるから、戦闘に引きずり込むことに成功する。しかし長引かせてはならない。負けるからである。
 戦闘が始まれば、かならずオバマが明言した通り、アメリカが動く。しかし、アメリカは戦闘には参加しない。そして、中国に宣告する。
 「戦いをやめろ。止めなければ参戦するぞ」
 チャイナは待ってました。よく言ってくれたとばかり、戦いをやめるはずだ。それでいいのである。
 こうした推測は、ぼくの勝手な妄想かも知れない。もし妄想でなかったら、事態は今年中に起こるかも知れない。

EastAsiaMap400 それにしても、中国は尖閣をどう見ているのか。ほとんどの人が、海底資源の問題と捉えているようだ。しかし、それは違うとぼくは思う。
 度重なる領海侵犯は、ただ侵犯する為にやってきているのではない。何十本もの石柱を運んできて、尖閣の海に沈めて帰る。石柱には「ここは中国の領土」と刻んである。帰ると、上陸できなかったから海底に置いてきたと報告し、それが報道されているそうだ。いつか、それを証拠と言い出すかも知れないのだ。
 上の地図を見て欲しい。これは有名な逆さ地図である。チャイナの視点に立った地図とも言える。見て分かる通り、東シナ海は色が浅く、つまり海が浅い。そこの潜水艦は空中から容易に捕捉できるのである。
チャイナの戦略。 毛沢東の持久戦論を引継いだもの。

チャイナの戦略。 毛沢東の持久戦論を引継いだもの。

海洋国家として太平洋に出て、アメリカと海洋を二分したいチャイナは、尖閣を取ればあとは、チャイナの潜水艦は捕捉されない深海に潜り、どこへでも移動でき、どの國に対してもミサイルを発射できる態勢を取ることが出来るわけなのである。
 だから、これはチャイナの究極の目標なのであって、絶対に引くことはないし、日本と二分するなどという話ではないのだ。チャイナが瓦解しない限り、百年経っても変わらない狙いなのだと知るべきなのである。

 もともと弱い國のチャイナは、そのぶん権謀術策に長けているといえる。
 強い國の日本とは戦いはしたくない。そこで、考えることは、日本を強くしないでおくことである。幸い日本を強くしたくない國は、アメリカを始めとして、いくつもあって陰に陽に協力が得られる。
チャイナが働きかけた人たち。右は次期首唱に立てようとしたという。

チャイナが働きかけた人たち。右は次期首唱に立てようとしたという。スーパーニュース・アンカー 青山のニュースDEズバリ(4/30)より

 とりあえず、今の安倍政権が続くと日本は強くなる。そこで、安倍政権を潰すことが先決の課題となる。嬉しいことに日本には、この戦略に賛同してくれる人は元閣僚や元総理など沢山いらっしゃる。かくて、チャイナはあらゆる手段を使って安倍内閣を倒そうとしていると言える。
 アンカーの青山さんによれば、チャイナはこの4月に安倍首相の失脚を画策していたという。それに協力していた人は写真の面々であり、次の首相とされていたのは、右側の人たちだったというのだ。ただ小渕さんは全然動じなかったそうなのだが、こうしたことを考えながら、報道の発言を聞いているとなんとなく根性が読み取れるような気もしてくるのである。