カニ食いに行く(3)

 温泉に泊まるならやはり和室がいい。岩風呂に浸かって戻ってきて洋室というのは、やはりしっくりしない。
 豪華である必要などないけれど、窓辺りにテーブル椅子が欲しい。民宿などではこれを欠くことが多く、そういう時には椅子を頼むことにしている。
 部屋の真ん中には座敷机があって、その上には大きな灰皿が置かれていることが望ましい。最近では、禁煙の部屋が多くなったけれども、温泉宿ではタバコが吸える部屋を得るのに大して苦労はしない。
 こうした温泉の要件の中で、ぼくが最も重視するのは、入浴時間である。有名な温泉宿ほど、時間規制があり、だいたい夜中12時でクローズとなる。
 ところがなんと、今度の宿は二十四時間いつでもお風呂は開いているというのだ。少しびっくりしたし、大いに嬉しかった。
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