サルシッチャのこと

イタリアに来て一番食べたかったのはサルシッチャだった。
何故かといえば日本ではまず食べられないからである。日本でもサルシッチャは入手可能であるし、最近は作り方などのを書いたインターネットのサイトも多い。
でも、生で食べられるものはないし、生ソーセージという表記であっても、それは生ハムと一緒で生で食べることを意味しない。
イタリアでは生で食べるのを普通としている。大変美味なソーセージである。
イタリアでも生で食べられるのは限られていて、お肉屋さんで売っているものは大丈夫であるが、スーパーなどでスチロールプレートに入って売ってあるものは、焼くなり湯がくなりしないと駄目である。
そういう調理をすると、まったく違った味になってしまう。

ぼくが、最初にサルシッチャが生で食べられることを知ったのは、ごく最近のことだった。ずいぶんと長い間サルシッチャのことを知らなかったことになる。知ったのはたしか3年前のことだったと思う。
その頃、スケートの金メダリストの荒川静香がイタリアを巡るという番組があった。
そこで荒川静香と在住が永いというガイド役の女性がサルシッチャを生で食べる。
この番組を見て直ぐ後、イタリアに来た。さっそく馴染みのリモーネピエモンテのお肉屋さんに聞いてみたら、生で食べるのよということだった。お肉は豚と牛を半々に使っているといった。普通は豚を使う。

調べてみたら、マルサラ酒と香辛料を混ぜて作るのだという。
それにしても、豚が生で食べられるのか。一ヶ月以上もの滞在の間、毎日大変美味しく頂きながら、またおおいに気掛かりだった。インターネットで調べてみても、日本でサルシッチャを生で供するレストランは皆無だった。イタリアに永くいて修行したというイタめし屋のマスターもサルシッチャは、焼くものだという。

ゲレンデで知り合った、イタリア人と結婚してトリノに住んでいる日本人女性のことを思い出し、メールで問い合わせることにした。
自分の子供もずっと食べているけれどもなんの問題もないという返答を得た。サルモラ酒で殺菌が行われるということなのだろうか。
このことを、<高田直樹ウェブサイトへようこそ>の「サルシッチャを食べる」という記事に書いた。

今日リモーネのお肉屋さんが閉まっていたので、クーネオの旧市街のやはり行きつけのお肉屋さんに行くと、仔牛肉のサルシッチャがあった。牛のサルシッチャは食べたことはなかったので、豚の普通のものと両方買って食べ比べることにした。
牛のものは2日、豚は3日持つという。
左の色鮮やかなのが牛、右の白っぽいのが豚である。豚の方が塩味が勝っている。牛のほうが味が濃くて、リモーネピエモンテの牛豚半々のものに近いようだった。やはりぼくの好みでは、リモーネピエモンテのものがいい。


という訳で、今夜は2種類のサルシッチャと生サラミ、カルネ・クルーダとパルミジャーノ・チーズ、トミーノ(豆腐様のチーズ)トマト、グリーンアスパラという肉食メニューとなった。