iMacへのデータ移行とバックアップ環境の整備(承前)

 新しいiMacを前にしての最初の作業は、旧iMacからのデータの移行だった。
 この前のMacBook Proを買い替えた時のデータ移行は、FireWireケーブルで本体を繋いで、時間はかかったもののなんなく終わった。その記憶があったから、今回もその時買ったケーブルを使えばいいと簡単に考えていた。

Thunderboltケーブル。 稲妻形のマークがある。

Thunderboltケーブル。
稲妻形のマークがある。

 ところがいざケーブルを繋ごうとして、このケーブルは使えないことが分かった。現在では、いつからそうなったかは知らないのだが、Thunderboltというケーブルを使うというのである。
 調べてみると、この規格のケーブルはインテルがアップル社と共同開発したもので、USBの倍のスピートを持っているという。
 このケーブルだけに数千円も必要なのかと、少々うんざりしながら、旧iMacの接続用コネクターを調べたら、FireWireはあるけれど、この新規格のThunderboltの口はなかった。このiMacが出た時にはFireWireが最速だったのだからなくて当然と思った。でもどうやって繋ぐんだ。

 マックOSのOSXには移行ツールというソフトが備えられていて、これを使ってデータ移行を行えることになっている。でもケーブルで繋がないでやる方法はないのか。ネットで調べたたら、ネットケーブル(Ethernet Cable)でも、あるいはWifi環境があれば無線でも可能であることが分かった。
 ところがどうも上手くゆかない。それと、もう一つ問題があった。
 買い替えるきっかけともなった不調の原因だったのだが、この旧iMacには二つのユーザーが登録されていて、個別にログインできることになっていた。それが、家内のユーザーアイコンが消えてしまって、ぼくしかログインできなくなっていた。ぼくがログインして、見てみると、家内のホルダーはしっかり存在していて、データが消えてはいないことが分かった。
 しかし、この完全とはいえない状態でのデータ移行は、容易いことではないと思われた。

 そこで、いつものようにアップル・ケアにお助けの電話をすることにした。今回は製品を買ったばかりなのだから、サポート期間を過ぎているなどといわれることはない。
 とはいえ、いつもサポート期間などとっくに過ぎている製品についても、「もう終わってます」といいながら、じつに親身に相談に乗ってくれるのが常だった。
 いつもそうなのだが、まず最初に対応した人は、何回か「しばらくお待ちください」という台詞があって、アドバイザーと相談していると思われる。その後、「私より詳しいものがいますので、替わりたいのでよろしく」と交代が行われる。この交代は、時としては2人に及ぶこともあった。
 そして、その次には「スペシャリストに替わりたいと思います」となって、スペシャリストの登場となる。「スペシャリスト」はさすがにスペシャリストを名乗るだけのことはあると思われる明快・的確な意見や推論を述べるので、やり取りを交わしていて、ある快感を覚えるのが常である。
 あちらにはユーザーのこれまでの相談に関するデータがしっかり記録されているらしく、最近ではすぐに「スペシャリスト」が登場するようになった。

 スペシャリストさんと相談する場合、いわゆる画面共有の設定することが多い。画面共有用のソフトをダウンロードし、これを走らせると、ぼくのiMacの画面が相手にも見えるようになる。こちらの画面には矢印マークがでて、そのマークによって、こちらのマウスポイントを動かす場所を指示してもらうことが出来るようになる。
 サポートが終了した後には、必ずメールが来て、そこには受付番号、スペシャリストの名前、再度連絡する場合にダイレクトにつながる内線番号などが示されている。この受付番号を見れば誰でも問題の内容、行った処理概要などを知ることが出来る仕組みになっているので、当人でなくても容易に引継ぐことが出来るわけだ。
 今回の場合、引継いだスペシャリストの二人目は女性だった。
 Thunderboltは使えないので、ネットケーブルで繋ぐ。iMacの二つともにファイル共有の設定をする。これによって、お互いに他方のiMacのフォルダーが見えるようになり、旧マックのホルダーの中身をを新マックのフォルダーにドラッグドロップすれば、データが移動することになるわけだ。

 このやり方で、ぼくのデータは無事に移行が完了した。しかし、家内のホルダーは開くことが出来なかった。だからデータ移行は出来ないということだ。
 その理由はどちらも管理者という権限が設定されているのだが、どちらも同格なので、相手のファイルを扱えない。コンピューターのユーザーには権限の規定があって、管理者、標準、ゲストなどとなっているのが普通である。管理者はファイルのあらゆる操作が可能なのであるが、管理者であるユーザー同士では、相手のファイルを操作できない。
 それでこれを解決する方法は、あらたに最上位のユーザーをあらたに設定する。つまりSystem Administratorという権限を設定する。これはRootでもいいはずなのだが、なぜかRootは受け付けられなかった。
 なんという名称でもよかったのだが、旧iMacにtakadanaokiというユーザーを新設し、System Administratorの権限を設定した。
 このtakadanaokiでログインすると問題のフォルダーを開くことが出来るようになったので、家内のデータの移行は無事完了した。新iMacを立ち上げると、二つのユーザはともに認識されており、完全なデータ移行が確認でき、安堵した。
 
 そこで次の問題は、バックアップ環境の整備である。
 コンピューターを使うものに取って、バックアップは極めて大切である。電源の瞬断やウィルスの侵入、ファイルの毀損による異常動作などではなくても、原因不明のまま起動不能になったり、ファイルが消えることも起こりうる。いつもバックアップを取っておくことが望ましい。
 むかしは、一日の作業が終わるごとにバックアップを取っていたものだが、そうした仕事としての作業をしなくなってから、面倒くさくなってバックアップを取る習慣もなくなった。
 そのかわり、自動的にバックアップを取ってくれる機器を設置することにした。

AirMac Extreme

AirMac Extreme

 2000年頃にAppleからAirMacが発表されると、早速これを取り付けることにした。AirMacはネットワークケーブルで接続しておくと、設定通り一週間ごと、一日ごと、あるいは1時間ごとに、書き替わった分だけのバックアップを自動的に取ってくれるというありがたい装置であった。数年してさらに機能アップしたAirMac Extremeがでた。
 これを付けたからもう安心とかいかず、この機器自体にトラブルが発生したことも何度かあった。
 

Time Cupsle

Time Cupsle

 2008年にTime cupsleが発表された。これはバックアップマシンとしてではなく、プリンターサーバーや無線サーバーの機能も備えていた。
 広間の壁に取り付けたかったのだがそうした取付け器具は、発売されていなかった。ネットで探したら、アメリカのサイトで見つかったので早速取り寄せた。
右はLatokIの時にスポンサーだった日本専売公社のタバコポスター、背後の岩峰はLatokIII。 左下は、今は歴史的な遺物ともいえるオープンリール・デッキのルボックス、大変高価なものだった。

右はLatokIの時にスポンサーだった日本専売公社のタバコポスター、背後の岩峰はLatokIII。
左下は、今は歴史的な遺物ともいえるオープンリール・デッキのルボックス、大変高価なものだった。

 TimeCupsleは階段の下にうまい具合に取り付けることが出来た。
 隣のコンピュータ室にある光回線の終端装置(ルータ)から壁を通ったラインがこのTimeCupsleに接続して戻ってくると、20穴のスイッチングハブに入って各機器にEthernetのラインが伸びることになる。TimeCupsleは無線ルーターの設定がしてあるので、我が家はWifi環境となった。

 ところで、このTimeCupsleの容量は、その当時としては充分の500Gであったが、今となってはなんとも少ないといえる。それにもう容量はほとんど満杯の状態となっていた。
 そこで、HDを足すことにした。USB接続するだけのことである。HDはむかしからは考えられないほど安くなっていて、3Tバイトのものでも一万円少しで買うことが出来る。
外付ハードディスク 3.0TB HDC-LA3.0

外付ハードディスク 3.0TB HDC-LA3.0

 早速アマゾンからBuffaloのものを注文したのだが、ユーザレポートを調べてみると、騒音が激しいなどの不平のコメントが多く見られたので、慌ててキャンセルし代りにIO-Dataのものを発注した。こうした場合、Macに適合しているかどうかが問題なのだが、Mac用との記載があったし、翌日午後に来着してすぐマックに繋いだら、認識したのでフォーマットの必要もなかった。
 ところがTimeCupsleにUSB接続されたこの3Tハードディスクは、なぜか認識されなかった。悩んで色々やるよりもと、ためらうことなくアップル・ケアに連絡を取った。登場した男性のスペシャリスタさんによる画面共有に依る指示ですぐに問題解決することが出来た。TimeCupsleのデータはすべてすべてクリアし、新規にデータバックアップを行うことになった。データを送るのはぼくのPowerBook proからと新iMacからの両方である。
 まず、ぼくのPowerBookから始めることにした。
 スペシャリストさんは、「多分明日まで掛かるでしょうから、明日にこちらから電話しますが、いつ頃がいいでしょうか」と訊いてくださったので、午後がいいですと答えた。そして、やはり丁寧にもメールも来た。

 TimeCupsleへのデータの書き込みは続行され続けていたが、その速度は驚異的に遅かった。この調子では数日掛かると思われた。どうやら、NortonのFireWallが飛び込んでくるアクセスを遮断するかどうかを検討して、こちらに問い合わせてきたりしているのも問題だとも思われたので、外部からのアクセスをすべて遮断するように設定したら、少しスピードが上がったようだった。
 とはいえ、まるまる2日間を要した。
 ようやく、PowerMac Proのデータ書き込みが完了したので、新しいマシンのiMacのデータ書き込みに移ろうと机に座ったとき、スペシャリストさんから電話が掛かってきた。
 「何度もありがとうございます。ちょうど今PowerBookが終わってiMacの前に座ったところです。問題なく完了したようです」と報告し、お礼を述べた。「またなにか問題がありましたら、いつでもご連絡ください」というありがたい言葉を聞いて電話を切った。
 データの変更がなければ、TimeCupsleへの書き込みは行われないが、一時間ごとのチェックで少しでも変更があれば書き込みが行われていることが、拡張したハードディスクのグリーンのアクセスランプが点滅することで分かる。そのランプの点滅を眺めながらなんとなく満ち足りた気分を覚えている。