管首相の総裁選不出馬の表明

 世界的にコロナ禍が収まりを見せない中、我が国では、オリンピック・パラリンピックを無事やり遂げ、次期政権へ向かう総裁選挙が注目されていました。
 そんな時、ほとんどの人が全く予期しなかったことが起こりました。菅首相の総裁選不出馬の表明でした。多く人が驚いたのですが、もっとも意表を突かれたのは野党の人たちではなかったかと思われます。
 チャイナのエージェントを多く抱える彼らは、この10年間ほとんどチャイナの意向に沿った行動を続けてきました。

 内閣支持率が低迷する中、直近の総選挙では菅総裁をいただく自民党ならうまく戦え、大いに勢力を伸ばす好機だと考えていたと思われます。自民党には強力なエージェント「2F」がいます。衆院選での余勢をかって頑張れば、続く参院選もうまく戦え、衆参のねじれ状態に持ち込める、などと考えていたのかもしれません。
 そしてこの思惑が一気に吹っ飛んだのが菅首相の発言だったのです。
 この管総裁の決意の裏には何があったのか。色々な憶測が語られています。しかしそんなことはどうでもいい。ぼくにはそう思えます。彼は実に立派な決断をしたと思うのです。
 菅首相はリリーフの1年間、何をしたのかを振り返ってみました。

 彼が最も力を入れていたのは、コロナのワクチン対策です。いち早くアメリカに飛びました。目的がバイデン会談と言われましたが、目的はファイザー社とのクチン入手の確約だったようです。
 ワクチン接種に1日100万を唱え、いくらなんでもそれは盛りすぎと論評されましたが、なんとこれをやり遂げたばかりか、現在では120万を超えているのだそうです。どうしてそうなったのか。これがなんとも面白い。
 動かない医師会に業をにやし、なんと超法規的処置として歯科医師会に接種を依頼し、合意を取り付けたのです。不細工にも医師会は、歯医者が金をもらうならと自分たちもやりましょうとなったようです。なんの力みもなくあっさりこうしたことやってしまうのが管さんのすごいところだと思います。
 今では、イギリスを追い越し、その接種率アメリカさえ追い越そうとしていると言いますから大したものだと言えます。

 他に彼は何をやったのか。まず思い浮かぶのは携帯電話料の引き下げです。それから他には何があったのか。調べてみて驚きました。列記してみましょう。
1.日本学術会議の見直し(昨年9月)。学術会議の推薦する会員候補を任命拒否。
2.携帯料金値下げ(9月)。
3.不妊治療に保険適用(今年1月)。公的医療保険の適用範囲に「人工授精」を含           める方針をまとめた。
4.「従軍慰安婦」表現不適切閣議決定(今年4月)。「従軍慰安婦」は誤解を招く    恐れという答弁書を閣議決定。
5.ワクチン調達と接種1日100万回(今年6月)。ファイザー社に直談判、政府主導で1日100万回の接種を実現。
6.台湾外交(今年4月)。日米首脳会談で共同声明に「台湾海峡の平和と安定」を初めて明記。
7.原発処理水の海洋放出決定(今年4月)。福島第1原発の処理水を海に放出する方針を決定。
8.土地利用規制法(今年6月)。外国資本による土地の買い占め問題を解決するべく成立。
9.皇位継承問題の進展(今年7月)。養子縁組による旧宮家の男系男子の皇籍復帰案を打ち出す。
10.東京五輪の開催(今年7月)。
11.デジタル庁の創設(今年9月)社会全体のデジタル化を進めるデジタル庁が発足。

 いや全くの驚きです。僅か一年の間にこれだけの重要案件をやったのか。これらの多くのものは、10年20年来の懸案のものであり、極めてそれぞれに面倒を含んでいるので、先送りされてきたものなのです。それをケロリとやってのけた。立派というほかはありません。まさに宣言していた通りの仕事内閣でした。
 もともと、安倍総理の突然の辞任を受けての就任だったというものの淡々と積み重なっていた重要案件をこなしてゆきました。
 その努力や成果が周知されないもどかしさを、孤独感と寂寥感と共に静かに受け止めておられたのではないでしょうか。
 積年の問題課題をこなしてゆく中で、反発は想定内であり、引退もまた想定内であったと思われます。

 この不出馬によって、政界は一気に活発化し、衆参両選挙を経て自民党は、管首相が望んだようにより強力になると思われます。菅首相、本当にお疲れ様でした。

管首相の総裁選不出馬の表明」への2件のフィードバック

  1. 仕事師として歴史に残る政治家ですね。一年間でよくぞここまでと思います。教育分野での仕事を付け加えるなら、35人学級の実現もあげられます。もっと減らせという意見もありますが、教師が不足して教育の質は低まります。減るということでいえば、オリンピック・パラリンピックが終わり、一部の意見に従えば陽性者は増えるはずなのに減っている、つくづく無観客は惜しまれます。いずれにしても、先生がおっしゃる通り、本当にご苦労様でした。

  2. 確かにオリ・パラ無観客は残念至極です。
    でもこれは管さんに責任はなく、問題はあの小池KBBだと思います。

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