GHQの負の業績

先週からNHKの日曜ドラマ、敗戦後の最初の首相吉田茂を描いた『負けて、勝つ』が始まった。
そのころ、ぼくはまだ小学生だった。マッカーサー率いるGHQ(General HeadQuauter連合国軍最高司令官総司令部)が描かれる。
司令長官のマッカーサーは、大変立派な軍人であると聞かされて育った記憶がある。戦争に負けた日本人にとって、天皇に代わる人だったという説を聞いたこともあった。
日本に平和憲法を作らせ、婦人参政権をもたらし、民主国家を作らせた人と思っていたマッカーサーが、実はとんでもない謀略を仕掛けていたということを知ったのは、だいぶ後のことである。
それはまさに洗脳、国民全体に仕掛けられたマインド・コントロールだったともいえ、いまなお、その呪縛から解き放たれた日本人はほとんどいないといってもいいのではないだろうか。

たとえば、焚書。
焚書といえば史実に名高い始皇帝の「焚書坑儒」が思い浮かぶ。これは、紀元前213年のことで、始皇帝は医薬・卜筮(占い)・農業関係以外の書物を焼き捨て、翌年には批判的な言説をなす儒教学者数百人を穴埋めにして殺したことをいう。
マッカーサーの焚書は極めて巧妙であり、多くの人に知られないように行われた。それは7000を越す分野に及び総冊数は一千万冊を超えたともいわれる。リスト作りには英語のわかる若者アルバイトが雇用された。日本が海外で行った行動の記録や業績に関するものはすべてリストアップされた。これによって、日本人が海外で行ったことが、アングロ・サクソンの植民地支配などとは別物であったというような史実はほとんど消滅したのだろう。これは歴史の抹殺に等しい。
焚書リストには地理の教科書が含まれていた。その理由は何だったのか。考えられることは、15世紀からの世界地図を見ると、アングロサクソンの植民地支配が明らかとなるからだったと思われる。日本はいわゆる植民地を得る為に戦争をしたのではなかった。
たとえば、欧米の植民地宗主国がその国の人のために大学を作ったりしたことはなかった。しかし日本は朝鮮・台湾に大学を作った。
少し詳しく言うと、明治維新後、日本は9つの帝国大学を作っている。最初は東京帝国大学、二番目は京都帝国大学、三番目は東北帝国大学、四番目九州帝国大学、五番目北海道帝国大学、そして1924年関東大震災の翌年、ソウルに京城帝国大学。4年後の1928年には台湾に台北帝国大学が作られた。この二つ朝鮮と台湾の帝国大学は、大阪帝国大学と名古屋帝国大学より先に作られたのである。
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