なんとはなしに「トランスポーター3」を見てしまった。
監督が、リュック・ベッソンなのがいい。 ぼくはリュック・ベッソンは大好きだ。
中でも一番好きなのは「レオン」。
何度も見たが、なんどみても胸苦しくなるような感動を覚える。
「レオン」の次には「ニキータ」がいい。このリュック・ベッソン監督の大ヒット映画「ニキータ」をベースにしたTVドラマがある。
ペータ・ウィルソンを主役に迎えて1997年からスタートしたTVシリーズである。これは開始された年から「ニキータ1997」というタイトルになっている。CSのAXNチャンネルで最近まで放映されていた。シーズン1〜5まであって、全部で96話ある。「ニキータ」というTVドラマもあるが、この「ニキータ1997」の方がよくて、これはカルト的な人気を呼んだといわれている。ぼくはそのすべてをDVDに納めた。
とんでもないオタクがいるようで、全編の台詞をすべて文字化して集めたサイトがあったりした。
冒頭から脱線したようだ。話を「トランスポーター3」に戻さないといけない。
あらすじは、ネットからのコピペーでお許しを願うことにしよう。
『どんな依頼品でも正確に目的地へと送り届けるプロの運び屋フランク・マーティンは、マルセイユでタルコーニ警部と釣りをしながら静かな生活を楽しんでいた。
タルコーニ警部の助けを借り、非協力的なヴァレンティーナを守るために武装集団とのバトルやカーチェイスを繰り広げる大ヒット・アクション・シリーズ第3弾!
これが宣伝文句のストーリである。 007シリーズよりも、もっとあり得ないようなアクションシーンが連続するのはいつものことなのだが、感心させられるようなサバイバルの手段も観ることが出来る。フランクは包囲されてダムに車ごと墜落することで攻撃をかわし、湖底でタイヤの空気を吸い、またトランクのテントに空気を入れて浮き袋として車を浮上させる。
フランクが湖底で死んだと思ったマフィアのボス、ジョンソンは成功を確信する。娘を人質に取られた環境保護局長官は国土の3分の2が汚染され、元に戻るのに100年かかるという産業廃棄物を受け入れるという条約に調印するに違いないと。勝ち誇ったジョンソンはバレンティーナにこう語りかける。
このバレンティーナ、リュック・ベッソンが気に入って連れてきたから、みんなどんな美人かと思ったのだが、そばかすだらけのソバカス美人だった。でも真にユニークな演技を見せてくれた。
この人質の娘ヴァレンチーナに悪党のジョンソンが言った台詞は実に印象的だった。ジョンソンはこう言ったのだ。
お前には分からないだろう
これが新しい世界だ
國という概念は終わった
経済的現実が支配する
利益と損失
効率とムダ
地球的規模で考えろ (Think grobal not local)
あれぇ、この台詞聞いたことがあるぞ。
「國という概念は終わった」これは、我が国では連合赤軍発祥の思考である。リベラル左派というグループも同じ思想を持った人が沢山いる。
「経済的現実が支配する」これはほんとに現在の世界あるいは日本の現実ではないか。
「利益と損失」「効率とムダ」。いやまったく。この枠のみを考えその精度をどんどん追求して行く。
「地球的規模で考えろ」シンクグローバル、ノットローカルか。
今のグローバリズムそのものの考え方ではないか。
こんな考え方の議員はごろごろいるのではないだろうか。日本の国体、天皇を中心に据えた考えを持つ真正保守を例外として、他はみんな「トランスポーター3」のマフィアのボス、ジョンソンと同じ考えではないか。
畳み掛けるようにこういわれたバレンティーナは、やや考えてから自分の額を指で指し、「Think this」という。その時のスーパーインポースは、なんと「クソ食らえ」だった。
ちょっと面食らうような名訳というべきか。
日本でグローバル経済を唱える連中も、「クソ食らえ」なのである。