むかし山登りが盛んでブームだった時代に、高級誌であった季刊誌『岩と雪』は、やがて隔月刊となり、岳界の思潮をリードしていたのですが、20年ほど前に廃刊となりました。
この1958〜1995年のバックナンバーからの選り出した論文と記録をまとめたものです。
ネットで調べると、次のような紹介が載っていました。
【歴史的、保存的価値のある『岩と雪』のバックナンバーを1冊に凝縮!】
『岩と雪』(1958~1995)に掲載された論文と記録の数々を、時代を追って紹介。登山の価値感が多様化する現在、アルピニズムの思想がどのように変遷して今日に至ったのか、当時の登山家たちの熱い思いが結実した記事を再録、元編集長の池田常道氏が時代背景の解説を加えて紹介する。マナスル初登頂(1956年)をきっかけに沸き起こった登山ブームを支えていたのは「より高く、より困難」を目指すアルピニズムの思潮であった。その思潮と記録を追い続けてきたのが1958年に創刊された『岩と雪』である。
1995年の休刊に至るまで、国内外の最先端の記録を追い、識者たちの評論を発表し続けてきた同誌の記事を厳選、時代背景の解説を加えながら再録して紹介する。
パイオニアワークとはなにか(本多勝一)
スーパーアルピニズム試論(吉田二郎)
日本のアルピニズムの行方(上田哲農)
山—陶酔と失墜(遠藤甲太)
アルピニズムは帰ってきた(柏瀬祐之)
高さと困難が登山の目的なのか(岩崎元郎)
日本の岩登りは限界を迎えたか(斎藤一男)
国内登攀における今後の課題(古川純一)
登山と「神話」(高田直樹)
ページ数:352
判型:B5判
セレクトされた記事は、上のものだけではなく、169篇に及んでいます。
上の紹介の最後尾にリストされているのはぼくの著作で、たしか6回連載でした。
これを書いていた頃には、同時に『山と渓谷』という月刊の山の一般誌に「なんで山登るねん」というエッセイも連載していました。
こっちの方は、山の専門家には胡散臭い読み物と思われたらしく、「本誌の連載はちょっとねぇ。いや登山と神話はいいよ」などと、多くの人から言われたものでした。
ぼくとしては、表現を変えているだけで、中身は同じことを書いているつもりだったのですが・・・。
『なんで山登るねん』は、今読んでも全く古い感じがしないとよく言われるのですが、『登山と「神話」』の方も、あんまり古さを感じないのではないかと、考えています。
うまい具合に、こちらの著作は、ぼくの別のブログ<高田直樹ドットコムへようこそ>に載せているので、読んでみてください。⇨ 登山と「神話」