先日、NHKテレビで面白い番組を見ました。有名な「ガッテン」です。日本人が十人中十人と言っていいくらいみんながマスクを着けるようになってから一年以上が経ちます。そこに起こってきた問題を指摘する番組でした。まず一つの実験が行われます。被検者にマスクを着けさせ30分間座っていてもらいます。ところがこのマスクが特製のもので、ちょうど口の辺りだけが透明になっていて中を見ることができるのです。
20分くらい経つと、半数以上の人の口がポカンと開き、顔はだらしなくなってくるのです。これは何を示すかというと、この結果、顔全体の弛緩と口臭をもたらすのだそうです。顔が弛緩してくるのは、目尻の下あたりのあるなんとか筋が伸びてくるからだそうです。(口臭についてはここでは触れません)
マスクの着用によってこれが習慣化されると、頬がなんと数ミリ下がっていることが、昔の写真との比較で示されました。いや驚きました。マスクを着けていると仏頂面になってしまうのか。
大体日本人は、もともと仏頂面です。これは日本にいてはわかりません。
かつて1990年代の頃、アメリカなどで半年以上滞在して日本に帰ってくると、すれ違うみんなみんなが落ち込んだ暗い表情をしていて、おもわず「大丈夫か、元気出せ」と言いたくなるような感じだったのです。 アメリカなどでは、見ず知らずの人同士が会釈をしたり挨拶の合図を送ったりするのが普通なのです。まあこれは、敵意がないことを示さないと危険だというお国柄に由来することではあるのですが。
それにしても、まあ日本人はマスクが好きです。いや、好きというよりマスクをつけることに抵抗感がないと言ったほうがいいかもしれません。 別に強制されているわけでもないのに、郊外を自転車で走っているときでさえマスクを外さない。ぼくには不思議な光景に思えてしまいます。
一方外国では条例を定めたり罰則を設けたりしないとマスクをつける人がいません。この違いはなんなのか。その答えは下の絵文字の例に示されています。
上段は日本のものですが、これは外国人には読み取れないと言います。日本人にとって口はあんまり問題ではないのです。「目は口ほどにものを言い」で、目が重要で口は二の次、これが日本人がマスクを拒否しない理由と思えます。
このわけのわからんコロナ禍はあと一二年は続くと思われます。その結果、日本人がますます仏頂面になっていっては困ります。マスクを着けるのは個人の自由の範疇です。だからほうれい線を消し、仏頂面にならないために、「ガッテン」の勧めるパニパニ運動をし、女性はマスクをするからと言ってメイクをサボったり日焼け止めをしないなどのことがないように心がけてもらいたいものです。
そして出来ることなら戸外や必要ない時にはマスクを外しましょう。