たしか2月ごろだったと思いますが、ロシアがウクライナに攻め込むという予想もできないことが起こりました。
これをきっかけに世界中がおかしくなりました。元々おかしかったのが顕在化したと言った方がより近いかもしれません。
ひと昔ならいざ知らず、21世紀のこの時代に他国へ武力侵攻するなどということは、考えられないことです。そういうことはやってはいけない、けしからんことですからそう考える国は団結して、その国をやっつければいいわけです。でもそれができないのです。理由は核兵器の存在です。核の撃ち合いになったら世界が消滅してしまいます。
だから、そうならないように気を遣いながら、アメリカを筆頭とする民主主義国は一緒に戦うわけにはいかないので、ウクライナには武器供与を行い、ロシアに対しては経済制裁をやっている。しかしこれもそう単純ではありません。
ヨーロッパの国は、制裁だもう石油は買ってやらないと威勢よく叫んだものの、たちまち電力不足に陥りました。ロシアは大して苦にもせず安売りして儲けていました。
このプーチンとアメリカとの代理戦争とも言えるウクライナ戦争は世界を二分した観があります。民主国家グループと独裁国家グループにです。
いま世界は一の覇権国のアメリカと、それに取って代わろうとするチャイナが隠に陽に睨み合っています。経済制裁でドルの取引を封じられたロシアは、石油代金にルーブルを使うように要求しました。言われたインドはルーブル買いに走り、その結果ルーブルの為替レートは高騰しロシアの景気は良くなったのです。
チャイナは今の世界のドル体制を潰したいと考えており、この機にチャイナの元を世界通貨として広めようと画策しているようです。ウクライナ戦争によって世界の経済は混沌としてきたように見えます。
気になって調べだすと、世界中が「どっちもどっち」で溢れかえっているように思えてきます。でもここで、変に第三者的な立場を取ってはいけない。自分は日本人であるとしっかり認識して、日本の国益だけを考えて結論を出すべきだと思うのです。
こうした混乱状況のなか我が国でも、おかしなことが起こりました。
橋下徹という人が、ウクライナの若者は戦わずに逃げるべきだと声高に唱え始めたのです。そうすることが、戦いを早々に終結させ市民の被害を無くする方法だというのです。もう10年近くも前、古市憲寿という若い社会学の学者が、プライム・ニュースで戦争になったら「逃げます」と答え、尋ねた反町MCを驚かせたことがありました。逃げたい人は逃げればいいのです。ただ、よその国の戦争に余計な口出しして「逃げろ」 などというのはどうかしています。
この橋本という人、時折眉を顰めるような言動をする人だとは思っていたのですが、ここに至ってやはりという感じでした。この人とTwitterで何ヶ月にもわたって激しくやり合っていたのが百田尚樹氏で、彼は先ごろ『橋下徹の研究』という本を上梓しました。橋下徹氏の実体が見事に描写されています。
そんな状況が続く日本にあっては、ぼく自身も落ち着いてキーボードを叩く気分にもなれず、なんだかイライラしているうちにカタールのワールドカップが近づいてきました。そしてまた井上尚弥の試合も予定されていました。
井上尚弥は予想通りの快勝。ワールドカップは、ドイツには勝つこともあると思っていましたが、まさかスペインともども逆転勝ちとは吃驚しました。
そして年の瀬が目の前に近づいてくる今、ようやくパワーブックのキーを叩く気になったところなのです。
ほんとにあっという間の一年でした。この一年の間ぼくは何をしていたのだろうと思い返してみました。
初めの頃は、読書にハマっていました。大変使い勝手の良い読書用スタンドを買ったことや、読書専用のメガネを新調したこともあったかもしれません。
江戸から明治に変わる日本において大きな働きをした「ジョン万次郎」を、何かの折に思い出したのがきっかけで、吉村昭の『漂流者』を読むことにしたのが始まりでした。
吉村昭という人は、むかし『高熱隧道』を読んだことがありました。本当にすごい作家です。こんなに病的なまでに資料を調べ上げる作家はいないと思います。彼に比べれば司馬遼太郎などは自分の筋書きに合わない事実は勝手に無視してしまういい加減作家という気がします。
吉村昭のこうした特質が詰まったドキュメンタリーとも言える作品が『漂流』でした。メルカリで入手しました。いやこの作品熱中しました。
つづいて、『紅の翼』。ライト兄弟より早く飛行機を考案した日本人の話です。これらはいずれも文庫本で500ページを超える大作で、大いに楽しめました。さらに『零式戦闘機』へと続きました。
さらには、ネットなどで紹介される新刊本などを買い込むと、その数は20冊を超えていました。
毎日起き出して、といってもそれはお昼前後なのですが、最初にするのが、「虎ノ門ニュース」を見ることでした。
かつては、パワーブックの画面をHDMIのケーブルでテレビに繋いで見ていました。今のPANASONICの液晶テレビではネットに繋げることができます。「虎ノ門ニュース」は、そのままYouTubeで見ることができます。
YouTubeだけではなく、いろいろのネット上の番組を見ることができます。だから読書が終わるとぼくは、オンデマンドにハマることになりました。
AmazonプライムとWOWOWには加入しているので、これらはそのまま見れます。300円なり900円なりの視聴料がいるものもありますが、基本なん万という番組が無料見放題です。
ワールドカップはAbemaTV、井上尚弥の試合はdTVへの加入が必要でした。というか、普通のテレビでは、ほとんど見れません。普通テレビの番組、たとえば「正義のみかた」などは、放映後すぐにYouTubeにそっくりアップされています。テレビの番組予約はどんどん必要なくなってきているようなのです。
数日前から、ぼくは、『同志少女よ 敵を撃て』という本を読んでいます。「本屋大賞」をとった本で、「本屋大賞」といえばあの『永遠の0』です。
スナイパーの映画は大好きで、特に『山猫は眠らない』などは何度も見ています。
この本は、独ソ戦を戦った少女スナイパーの物語で、ウクライナ出身のコサックの少女も登場します。彼女が語るナチとソ連のj間におかれて屈折した心情も描かれていまるようで、変に今の状況に近しい気がして、興味が湧いてきています。