尖閣問題が注目を呼んでいるが、尖閣買い取りは、東京都知事がワシントンのヘリテージ財団から招かれての講演で、このことを言明したことから始まった。
その講演とはどんなものだったのかと、興味が湧きYouTubeで聞いてみた。けっこ与太話めいたところもあると思えた。誰かの感想のように歴史に残る名演説などとは思わないが、十分に耳を傾ける価値のあるものと思えた。そこで、これを文字に起こすことにした。
動画では、飛ばし見というのは難しいが、文字ではとばし読みが可能である。
こんにちは。お招きいただきまして、ありがとうございます。
私は共産主義は嫌いなのですが、毛沢東が書物の中でなかなかいいことを言っている。それは矛盾論っていうのですが、要するに身の回りにある問題は従属矛盾ともいうべきものでその本体は背後にある主要矛盾ともいうべきものである。とそういっているのですね。あらゆる問題について、主要矛盾の解決を目指さないと本当の解決はないのです。
今世界は大きく動いていますが、大きな問題の一つは環境問題です。
40年ほど前に、あのブラックホールのホーキング博士が日本にやってきて公演をしました。そのときに日本の物理学者が、地球のように文明の進んだプラネットがいくつくらいあるかと質問したら、ホーキンスは200万と答えた。私はびっくりした。そんなにたくさんあるんだったら、下らんハリウッドの映画に出てくるような宇宙船がどんどんやってきてもいいではないか、おかしいではないかと質問したら、そら違う、地球ぐらいに文明が発達すると、循環が悪くなって宇宙時間からいうと瞬間的に消滅すると答えた。
それで私はその宇宙時間で瞬間というのは地球時間で何年くらいだと尋ねたら、彼は100年だと言いましたね。あれから40年経ったからもう60年しか残っていない。
もう一つの問題は、アフガンや中東で起こっていることで、これは結局キリスト教圏とイスラム教圏の争いじゃないんですか。アフガンではアメリカが主導して戦っているようですが、この戦いに勝てませんねえ、絶対に勝てないキリスト教圏の軍隊は。
私はねえ、20代の終わり頃ある新聞社に頼まれてベトナムに行きました。
それで最前線に行って、雨の中ポンチョを被ってゲリラを待ち伏せし、10人の内、7人を殺して帰って来たけれど、アメリカは勝てないと思った。他の国からの特派員も同意見でした。やっぱりああいう結末になりましたけれどね。
今起こっていることは、かつての十字軍の戦いと同じものです。それで、キリスト教圏の白人がアラブを含むイスラム教圏を支配して、それが独立して資源を得て牙を剥くようになった。わたしはこれは、別に良いとも悪いとも言いませんが、歴史の必然の大きな波だと思います。
これがどう終結するかは分からない。誰にも分からない。
ヨーロッパの経済が疲弊して来ていることも問題で、この間ヘリテージの人ともお話ししましたが、だいたい国や価値観が違いながら一緒にやろうというのは無理な話であるということで、むべなるかなと思いました。
アメリカの人に、日本の人にも考えてもらいたい日本の主要矛盾があります。それはね、いくつかありがますが、ひとつは憲法です。アメリカはね、戦争中に三日か四日で作って英語から日本語に訳した、あの醜い前文でできたあの憲法、占領軍が統治を完成する為に作った国家の基本法が、サンフランシスコ条約で日本が独立した後も有効な法律として日本を支配しているというバカな例は世界の歴史にはないんで、いろんな問題はここから発している。
だから、改正じゃなく廃棄したら良いんです。有能なリーダーが出て来てこれを廃棄して新しく作ったら良いんです。
この米軍が作った憲法では、国民の権利が大きく責任が小さくなっているので、権利は主張するけれど責任を果たさないという非常にいびつなメンタリティーを持った国民を作ってしまった。
アメリカはこの日本という唯一黄色人種が作った近代国家との戦争で大いに手を焼いたんでしょうな。それでこの日本という国を徹底的にバラバラにしようということで法律を作った。
友人の村松剛くんがカナダの客員教授で行ってて、帰りにニューヨークに寄って、ニューヨークタイムスの社説のコピー、ドイツが降伏した日のものと日本が降伏した日のものを持って帰って見せてくれた。
ドイツはナチスによって道を誤ったけれど、この優秀な国の復興の為に私たちは協力をしよう、と書いてありましたな。
日本の場合は違うんです。それはカートゥーンが書いてある。なんかクジラみたいなナマズみたいな怪物が口を開けていて、その中に2・3人のGIが入って、牙を抜こうとしている。文章があって、なんて書いてあるかというと、「この危険な動物は倒れたが、まだ生きている。われわれは、世界の、アメリカの平和の為にこの怪物を徹底的に解体しなくちゃいけない」それからマッカーサーの占領政策が始まったんでしょ。
マッカーサーの占領政策というのはこれなんですね。
人種差別じゃないかも知れないけれど、この黄色人種が作った国がイギリスに次ぐロイヤルネービーを持ったなんてことは、彼らにとっては想像もつかなかったんではないでしょうか。それを日本はやったんですよ。私は大変誇りに思う。
それからねぇ、トインビーというまあまあの歴史学者がいる。日本人はやけに好きなんですがね。私はたいした学者とは思わないんですが、この人の言った中に「日本人のやった近代化は人類の歴史の奇跡だ」といわれている。これ褒めたつもりでも、トインビーさんが日本の近世の歴史を知らない証拠なんです。
アメリカなんかが誕生する前の江戸時代は世界で一番成熟した時代だった。江戸には100万をこす人間が住んでて、江戸という町は世界最大の町でした。そして、上水道まであった。当時の日本には寺子屋を含めたら3万の学校がありました。みんな読み書きができた。
そういう成熟の中で何が起こったかというとですな、関孝和という人はニュートンやライプニッツより100年先に微分・積分を考えだしてる。まあそれより15年先に、残念ながらインドの哲学者が微分・積分を考えてますが。
それから通商経済、先物買い、デリバティブとか手形とかこういうものを発明したのはイギリス人じゃないですよ。イギリスがはじめる100年前に大阪の商人たちがやったんです。彼らを酒田の本間さんという、まあ大豪商ですか、この三代目の光岡という人が書いた、子孫の為に書いた「手引き」は、英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語に訳されて、世界中で先物買いの人たちが基本的なテキストとして読んでますよ。
こういう時代があった。それがあったから、ほかの有色人種に先んじて日本という近代国家・軍事国家を作った。それが、結局最終的にはアメリカを相手にする戦争になった。しかしこれだって、日本を占領して統治したマッカーサーが、後に議会で証言してるじゃないですか。「今から考え直してみると、日本が起こした戦争、これ自衛の為の戦争だった。われわれが経済封鎖した為に日本は仕方なしにこの戦争やったんだ。ということは今になってよく分かった」マッカーサーが言ってるんです。それで教科書に載せることにしたんです。
そういうことはいいんです。いろいろ紆余曲折あってここまで来たんですが、さっき言った主要矛盾がこの憲法です。憲法が手かせ足かせになっている。日本は外国に出かけていって友軍と一緒に戦争することができない。集団自衛権というのは今の憲法がある限り認められない。ソマリアに行くにも重火器はいけないのでライフルだけをもっていく。そういう馬鹿げたことをやっている。
これは皆さんあんまり分からないことなんですが、今日本の官僚は非常によくない。自分たちの利益ばっかり、かつて岸信介とか椎名一三郎とかカヤオキノリなど大官僚がいました。この人たちは非常に優秀だった。彼らは命がけで戦った。誰と戦ったか、軍と戦った。軍の言ってることは非合理でよくないと命がけで戦った。
なぜ今の官僚はだめになったか。それは官僚が軍になっちゃった。絶対的な存在になったんですよ。だから政治家がそれに使われるの。
私も25年自民党にいていろいろやったけど、いくらいっても駄目。結局役人の言いなりになるの。
さっき飯食ってるときに出て来たんですが、安全保障の問題です。皆さん、世界地図を逆さにして見てください。中国やロシアにとって日本は大変目障りな位置にあるのです。これは仕方ないことなんだけれど、これは大きな主要矛盾なんです。
北朝鮮、日本から数百人の同胞を拉致していって殺した。そして返さない。訳の分からない核開発をやっている。その上のロシア、突然条約破って攻めて来て北方四島をかすめ取って、アメリカが占領してくれればよかったんだが、忙しくて手が回らなかった。樺太は日露戦争でとったから仕方ないのだけれど。択捉、国後は大きな島、沖縄の2倍もあって温泉が出て、歯舞、色丹はちっぽけな島です。
それから支那があるでしょ。あれ支那というとみんないやがるんだねぇ。こないだインターネットで見たらシナ人が支那のことをsinaと書いてる。中国というのは岡山県と広島県のことだよ。なんで支那と言っちゃいけないの。これ孫文が決めた言葉なんですよ。英語ではチャイナでしょ。フランス語でシン、スペイン語でチム、ドイツ語で・・・。それでなんで、日本だけが中国というんですか。
その支那が核開発してタクラマカンとゴビで実験して、どれだけの放射能が日本に降ってきましたか。日本の政府は知って知らんふりして隠した。
国境を接していて、国境を奪われたり、同胞を拉致されたり殺されたりして、そんな国に囲まれていて、その三つの国がみんな核を持っていて、日本は持っていない。そんな地政学的に劣悪な条件の国が他にありますか。
日本の防衛をどうするかという問題はこれからますます大事になってきます。ずーとアメリカのお妾さんで来たんだから。もうこんな時代終わんなきゃいけない。
佐藤首相が小笠原諸島返還の時、時の大統領ジョンソンに日本は核兵器を持ちたいんだと言った。ジョンソンは一応断るんですな。ニクソンの時になって非核三原則がでてくる。密約でいざという時は内緒で持ち込むということになった。
沖縄返還の時、私は核弾頭を見してもらいました。ありました。今でもあるんです。
キッシンジャーは日本は核を持つべきだと言っている。
オバマは、世界中の核を減らそうとかかっこいいこと言ってノーベル平和賞をもらったけど、インチキでその二ヶ月後、核実験してるもの、シュミレーションで。だから日本もシュミレーションで実験すればいいんです。
だいたいノーベル賞なんてインチキで、アメリカでノーベル経済学賞もらった人が作った会社はみんな倒産してるもの。
40億キロ飛んで帰ってきたあのハヤブサ、あれは快挙ですよ。あれを一番驚嘆しているのはアメリカの技術者です。
この技術を使えば、次の最新兵器コンベンショナル・ストライク・ミサイルができる。やるかやらないかは日本の政治家の度胸だけ。通常兵器なんだから。核弾頭積んでないんだから。
アメリカはそろそろ日本のこと、対等のパートナーと扱った方がいいと思うね。例えば日本の航空機産業、これはアメリカはもう徹底的に弾圧して来た。YS11というターボプロップの飛行機作ったときにね、その販路を私たち東南アジアに求めたんですよ。これをアメリカ、徹底的に妨害してつぶした。同じような飛行機を作ろうとしていたインドネシアもつぶされた。
インドネシア丸紅の支店長の鳥海君から聞いたが、その時インドネシアの飛行機をつぶしたのは、あのロッキードのコーチャンとクラッターですよ。日本の航空機産業が育ったらそれはアメリカの為になる。アメリカの軍用機とくに戦闘機のコックビットは全部日本製ですよ。セラミックは日本製しかできない。計器の液晶だって急降下急上昇を繰り返すと濁ってくるから、日本製しか使えない。
ソニーのプレステに使われているマイクロチップがアメリカの宇宙船のものの倍の性能があったので驚き、中国には絶対に売るなと言ったそうだ。
日本が次期戦闘機を作ろうとしたことがあった。これは旋回性能にすぐれF15戦闘機の倍の性能をもち、半分で旋回できた。これもつぶされた。
日本で作ってアメリカに売ればいい。あのステルス機だって、田母神さんが言ってたけど、レーダーに映らないという塗料は日本でしか出来ないんですよ。日本で作れるものを倍の値段を付けられて買うというのは馬鹿げています。日本で作ればいいんですよ。私は出来ると思いますよ。
日本の軍事的なポテンシャルを見せる必要がある。
核のシュミレーションをやればいいんです。コンベンショナル・ストライク・ミサイルを作ればいいんです。やり出したということになれば、ザワザワするでしょ。
そういうことをしませんとね、中国は日本が実行支配している尖閣諸島で過激な活動をやり出した。どういうことですかね。
沖縄返還の時、あすこの島は全部帰って来た、あの辺りは島が多いところでね、私随員というかオブザーバーでいましたんで、あれはヨットでやるのと一緒でポイントを決めてね、その7つか8つのポイントを結んだ腺の南側にあるすべての海上の突起物は沖縄と一緒に返すという条文にしたんですよ。ほんで還って来た。
この尖閣俺たちのもんだと言い出した。とんでもない話だ。でね、東京都はあの尖閣諸島を買います。買うことにしました。多分私が留守の間に実務者が決めてるでしょう。
ほんとは国が買い上げたらいいんだけどね、国が買い上げたら支那が怒るからねぇ、なんか外務省はびくびくびくびくしてやんの。
あすこに最初灯台作ったのぼくですよ。仲間から醵金して。それでちゃちな灯台なんだけどねぇ、漁師に喜ばれたの。そしたら日本青年社という右翼の団体がねぇ、あれかね持ってんだねぇ、私たちがやりますからというので頼んだら立派な灯台を作った。それで足りないところがあったら直させるよと言って水路部に行った検査させたらこれとこれと直してくれと立派な灯台作った。
その灯台が発光しだしてもね、外務省のバカがね、海図に載せろと言ったら、時期尚早というんだ。時期尚早ってなんですか。日本の国土に灯台作って海図に載せなかったらかえって危ない。いくら載せろといっても載せなかった。わたしゃ息子が国交省の大臣になったので、お前がんばって載せろとがんばって押し切って、日本人が作った尖閣諸島の灯台にですね「日本国保安庁これを作る」というプレートを貼らした。
その尖閣も今の政府に姿勢じゃ危ない。
わたし栗原さんは昔からよく知っていまして、学生たちにちゃちな灯台を作ってもらったときに、その時の島の持ち主は古賀さんというんですけど、沖縄の人で古賀さんとこへいったら旦那さんが亡くなって無名字になっていて、「つい最近大宮の栗原さんが買いたいというから売りました。」
わたし栗原さんとこに行くと、政治家にいっさい会わないというんです。いやだから。ところが、栗原さんの家仕切ってるおばあちゃんの親友ってのが私のおばあちゃんの連れ合いってのが私の父親の家士だった、親父が支店長してるときの次長だった人の未亡人で仲いいんで、その人が取り持ってくれて会いましたらね、おばあちゃんが戦時中広大な土地を飛行場作るというので接収されて、土地もどんどんとられて、この屋敷だって何千坪もあったのに削られてこのざまです。私はもう政治信用してませんから絶対政治家には預けません。
そのおばあちゃんが亡くなって少し事情も変わってきましてね、今の当主の栗原君が私と会うといって会いまして、東京が買うことにいたしました。東京が尖閣諸島守ります。あすこは立派な漁場になりますしね。
沖ノ鳥島だって台湾や支那や朝鮮の船が来て乱獲したのを止めさせる為に組合長とも協力して魚礁つくって日本の漁船が行くようになったら外国の船は追っ払えた。
尖閣はもっと意味があるでしょう。ということですよ。まあ日本の政府が嫌がるかどうか、どこの国が嫌がろうと日本人が日本の国土を守る為に島を所得するのに、なんか文句ありますか。
4月16日(月曜日)、ヘリテージ財団の大ホールにて