「ネット選挙」について

参院選が終わり、ようやく「ねじれ」が解消されました。
これは、とりあえず、大変結構なことだと思われます。どうしてかというと、この混迷を深める世界の中で、変な内輪もめをやっている場合でないと考えられるからです。
マスコミは、一斉に「右傾化」とか「暴走のおそれ」などと、近隣諸国の受け売りに終始しているようです。しかし、明治維新がそうであったように、日本国を世界の常識の国の形にしようということで、それは「右傾化」でも「暴走」でもないはずなのです。

投票率が大変低かったことに関して、テレビで識者が色々の論評を述べています。もともと「識者」というのは、物事に対して正しい判断を下せる力のある人をいうのだそうですが、テレビのコメンテーターはどうも似非識者といえる人のように思えます。
ぼくの見解では、投票率が上がるのは、今の現状に不満が大きい時や、その現状に怒りを感じている時だと思うのです。今回は選挙前の予想で自民党の勝利が報道されていました。有権者がそれは困る、そんなことになったら大変だ、自民党潰せと思ったら、みんな投票所に行ったでしょう。
みんなそうは思わなかった。不満な人もいたかもしれないけれど、まあいいではないかと思った。
ということは、今の政府を信任したということだと思うのです。しかし、似非識者は、もうどうでもいいやと思った、まあやらせてみるかと思ったなどという。全く国民をバカにしています。まあ、そうした識者は、「国民は・・・」とはいわずに、かならず「生活者は・・・」という。

もうひとつ、期日前投票が大変多かったそうです。ぼくも期日前投票をしたのですが、その日に投票に行かねばならないと思っていることは、心理的に重荷です。都合のいい時に、出来ればついでに済ますことが出来れば、その日の行動の自由度がそれだけ高まる。大変便利です。突発的な状況変化で棄権せざるを得なくなって、ちょっとした罪悪感を覚えたりすることを避けることも出来ます。
もう一つ、便利なことがありました。いつものことなのですが、投票日が近づくと、各党から投票の依頼の電話が掛かってきます。これが、途中で無下に切るわけにもいかず、結構めんどうなのです。
でも、電話がかるや否や「ああ、選挙ですか。もう済ませました。頑張ってください」とだけいえばよかったのです。

今回の選挙は、日本の歴史上初めて、ネットでの選挙活動が認められた選挙、いわゆる「ネット選挙」でした。
テレビなどの報道では、従来の選挙とあまり大きな違いはなかったといわれています。ネットを候補者を決めるのに利用した有権者は数10パーセントだったそうです。
フェースブックやツウィッターなど、いわゆるソーシャルネットワークは、政見の検討には用いられず、主に選挙演説の予告などに使われたようです。
もともとフェースブックは、双方向で事務的な連絡や内輪の感情伝達に用いられるものであって、それを国政選挙の候補者の選択に用いることなど無理な話と思えます。
ツイッターなどは、勝手で身勝手なつぶやきに多用されており、例えば、あの耄碌じいさんの柴崎氏の意味不明とも思えるツイートのように、ほとんど意味がない。
アラブの春では、ツウィッターが大きな効果を上げたといわれていますが、インターネットの普及率が僅かな国における特殊な事情だったと思えます。
ツウィッターの使えないこうした国では、タクシーの利用が行われたそうです。
タクシーに乗った時に、何日の何時にどこそこで大きなデモがあるんだと、運転手に聞こえるように話し合う。運転手は、デモがあるそうです。と別の客に話すので、情報が広まったというのです。この戦術が成功した条件は、タクシーの運転手も時の政府に不満を持っていたということが重要です。

今日だったか、昨日だったか、NHKの「クローズアップ現代」で「ネット選挙」が取り上げられていました。大げさに取り上げた割には、まあいつものことかもしれませんが、えらく的外れの内容と思えたのです。
すでにアメリカなどで流行の「ビッグデータ」の分析ということが主眼となっており、これを駆使した自民党が大勝した、草の根的にソーシャルネットワークを使った候補は、よく戦ったが結局破れた。そういう内容になっています。
「ビッグデータ」の分析などというのは、マーケッティングの手法であり、とてつもなく巨額の費用がかかるものです。
たぶん、NHKの言いたいのは、そういうお金を使ったから自民党は大勝したのだ、という安倍政権を貶めたいNHK面目躍如という番組だったとぼくには思えました。

「クローズアップ現代」では、ソーシャルネットワークを使ったけれども落選したという候補に、伊藤ようすけ候補を挙げていました。この人は、友人の歌手・浜崎あゆみに助力を依頼します。彼女のフォロワーは88万人です。彼女は、お願いしますと選挙依頼のツウィートをしたのですが、これにリツウィートしたのは、0.1%の1000人に過ぎなかったそうです。彼の得票は、3万7000票でした。
もう一人の候補・三宅ようすけは、ミュージシャンかどうか知りませんが、前の衆院選の時から山本太郎の応援活動をしていたこともあって、17万7000票を得ますが落選でした。
だいたい、ツウィッターやフェースブックを使いこなしている人の割合は、国民全体ではそんなに多くありません。
あるネット選挙運動に関する調査で、「投票の参考にしたか」の回答で、したと答えた人は、20代59%、30代55%、40代48%で、70代以上では28%でした。この数字の反比例関係は、そのままネット利用率と言えるでしょう。

NHKの「クローズアップ現代」が全く取り上げなかった、「ネット選挙」の効果が如実に現れた実例を、ここに紹介したいと思います。
それは、赤池まさあき候補の場合です。前後の状況の説明が必要だと思えるので、それから始めます。まず、赤池候補の選挙経歴から。
•1993年(平成5年)
第40回衆議院議員総選挙(旧山梨全県区・無所属)落選。31,741票(落選後に新生党入党)。
•1995年(平成7年)
第17回参議院議員通常選挙(山梨県選挙区・新進党公認)落選。101,317票。
•2000年(平成12年)
•第42回衆議院議員総選挙(山梨1区・無所属)落選。15,803票。
•2005年(平成17年)
第44回衆議院議員総選挙(山梨1区・自由民主党公認)当選(比例南関東ブロック)。65,426票。
•2009年(平成21年)
第45回衆議院議員総選挙(山梨1区・自由民主党公認)落選。46,881票。
•2013年(平成25年)
第23回参議院議員通常選挙(比例全国区・自由民主党公認)当選。208,319票。

この経歴に見られるように、3回の落選にもめげず、地道な活動を繰り返し、ようやく2005年、65,426票を得て、当選を果たします。
その後に起こったのが、あの謀略とも言える中川昭一特命担当大臣の酩酊事件でした。
赤池まさあきさんは、たった一人決然として中川大臣を弁護したのです。そのため、巻き添えバッシングに巻き込まれ、次の選挙で落選します。
そして、4年後の今回、大方の予想を大きく裏切り、堂々の当選を果たしたのです。これは、間違いもなく「ネット選挙」の成果だった。一体どういうことで、どういうことが起こったのか。彼を支援した三橋貴明氏のホームページの訴えは、その説明になりますので、そっくり引用させてもらうことにします。

 中川昭一先生がローマの「酩酊会見」で財務大臣を辞任され、その後の総選挙で惨敗を喫し、その後、お亡くなりになった2009年。当時、自民党の議員としては(記憶している限り)たったお一人、テレビで堂々と中川先生を擁護して下さった国会議員がいらっしゃいました。山梨選出の赤池まさあき先生です。

Akaike【写真 2013年6月22日 赤池まさあき先生と】

 赤池先生は「国民総バッシング」の中で中川先生を擁護した(というよりも「事実」を語っただけなのですが)結果、ご自身もバッシングを受け、あの「悪夢」の総選挙で敗北し、議員バッチを失われました。
 わたくしは断言しますが、西田昌司先生と並び、構造改革や緊縮財政、あるいは「その後ろ」にある新古典派経済学の問題を含め、完璧に「経済」「経世済民」を理解している自民党の政治家が、赤池まさあき先生です。しかも、安全保障や教育再生の専門家であり、この方に国会議事堂に戻って頂くことが、今後の日本のために絶対に必要であると以前から思っていました。

 その赤池先生が、来月7月21日投開票が行われる参議院選挙「全国比例区」において、自民党の立候補予定者になられました。山梨選挙区から立たれる場合、わたくしができることは限られています。わたくしは来月の参議院選挙で、西田先生に再び国会に戻ってきてほしいと心の底から願っていますが、何しろ京都府民ではないため、投票することができません。

 とはいえ、「全国比例」というのであれば、話は別です。
 
 しかも、今回の参議院選挙から「ネット選挙解禁」でございます。
 全国比例区は非拘束名簿方式であるため、たとえどれだけ自民党に票が集まったとしても、「赤池まさあき」という個人名を書いてもらい、少なくとも十万票(推定値)を超える得票を得なければ当選しません。逆に、参院選の比例区で「赤池まさあき」と書いて頂ければ、それはそのまま「自民党の票」としてカウントされます。
(中略)
 ならば、理解している方を政治家として国会に送り込まなければなりません。そして、赤池先生が上記の問題を「完全に」理解していらっしゃる方であることを、わたくしは保証致します。

 参議院選挙の地方区では、「全国の国民」は候補者を選ぶことができません。とはいえ、全国比例区では可能なのです。例えば、自民党の全国比例区に「問題がある」と思われた候補者がいた場合、「彼以外の候補者の名前」を投票用紙に書けばいいわけです。非拘束名簿方式ですので、「個人名」の得票数が少ない候補者から落選します。

 もちろん、投票以外にもできることは沢山あります。日本国の分岐点。わたくしも皆様と共に、できることは全てやりたいと考えているわけです。
 三橋貴明は、参議院選挙全国比例区において「最も問題を正しく認識し、解決策も理解している」立候補予定者として、赤池まさあき先生を支持します。

KAZUYA_CHANNELこれと呼応して、KAZUYA_CHANNELの和也くんも「参院選の比例区で迷ったらこの人に投票しろ!」でこう訴えました。
<詳しくは、赤池さんのホームページを見て欲しいのですが、一部紹介します。
「改めて立党の原点を確認し、自主憲法を制定し、総理は靖国神社に参拝すべきです。国家の名誉を傷つける河野談話(事実ではない「従軍慰安婦」を容認)や村山談話(「侵略国家」認定)を撤回し見直すべきです。」
これねえ、議員になろうとしている人で、はっきりこういいきれる人は、なかなかいないんですよ。もしあなたが、これもっともだと思い、誰にしようかと悩んでいるなら「赤池まさあき」とかけばOKです。>

「桜チャンネル」が全面的に応援したのは当然のことでした。
赤池さんも「頑張れ日本!全国行動委員会」の活動に積極的に参加しました。桜チャンネルの視聴者はうなぎ上りで、何十万を誇るようになっています。
ところが、赤池さんに対する自民党の対応は極めて冷ややかだったようです。特に山梨県連はひどくて、安倍さんが応援に駆けつけた時も、街宣車に登らせてもらえなかったといいます。自民党関係者は誰一人、彼が当選するとは思っていなかった。
ところが、赤池さんはかなり早く当確を決めたのでした。得票数は21万票で、そのうち地元票は1万5000票だったといいます。
開票が進む中で行われていた桜チャンネルメンバーによるニコ生の座談会で、三橋貴明氏は「15万票は間違いなく、桜チャンネル視聴者によるもの」と断言していました。

この赤池氏当選の事実は、大変重要なことを示唆していると思われます。ある候補者が、誠実で信用される人であり、地道な活動を行っておれば、特別な組織を持たなくても、全国区比例では当選できるということです。
さらに、彼に投票した有権者は、赤池氏から自分自身に対してなんの見返りも求めていない。弁当付きの後援会に参加して物見遊山に連れて行ってもらうことなど望んではいないということです。
しかし、彼が呼びかければ、普通の選挙人より密度高く支援を惜しまないでしょう。ということは、そういう有権者を背後に持つ議員はそれだけ強い発言力も持ちうると言える筈です。
また、チャンネル桜のようなメディアが、ある候補を落選させようと思えば、それもまた可能だとも言える筈です。
いずれにしろ、「ネット選挙」は以上の意味に於いて、全く新しい局面を見せてくれたと言えるのではないか。そう思っています。