語る河野洋平氏。「恥の心」喪失の日本人の標本

 先日BSの「深層News」という番組であの有名な(悪名高い)河野洋平氏が語る番組がありました。だいたいこの番組「深層」なんて、どこが深層?という番組で深層どころか表層Newsだと思っているのですが・・・。
 そういう腰の座らない番組であることは承知してはいるものの、大変思わせぶりなリードがあり、何よりもあの河野洋平が何を言うんだろうと録画したわけでした。
 ぼくが核心だと思った部分を抜き取って、ここで紹介したい思います。

難しいんですね、この問題は。
慰安婦問題は二つ考えねばならんことがあります。
一つはいわゆる慰安婦と言われる人たちが、歳をとられて老境に入っておられる。そういうことをまず考えねばなりません。まとまらなければゆっくりやろうやということではなく、この人たちのことを考えればやはり一刻も早く解決できればしたほうがいい。

もう一つは韓国という国が民主化されて、昔のようにいろんな意見がガヤガヤあったら力で抑え込む、そういう昔の韓国と違ってきている。いろんな人がいろんな意見を上げるのは民主主義として当たり前のことだと思わないといけない。
どうも韓国は民衆の意見に引っ張られているから、もっと国がしっかりしてくれないとこっちも話し合いができないじゃないか。しかし昔の軍事政権の時と今は違って、ましてや当事者もいるし、その周りの人もいれば、そう簡単に話がまとまらない。やっぱりしっかり話を聞くということから始めないと、話が始まらない。
この二つのことがこの問題における大事なことだと思います。


もう一つのことは、日本と韓国の問題は、お互いにアメリカの同盟国ですよね。同じ同盟国だから当然同じ仲間なんだ。と思ってたんですが、どうもそうではない。そうじゃなくてやっぱり日韓は日韓で二国間でよく話し合って二国間の問題は二国間でよく話し合って解決しなきゃダメなんだということに我々はもっと気がつかなきゃならない。
日韓関係にはいろいろな問題が残ってる。残ってる問題は二国間でやっぱりしっかり話し合って解決して行くことが必要で、そのためにいろいろやってきたんだけれど、やっぱり慰安婦問題というのは今も片付かずに残っている問題、これはやはり日本側も、日本政府があるいは日本政府と韓国政府が約束していろいろやってきたことたくさんあります。これはもう絶対大事にしなきゃいけない。
それからもう一方、事実としてこういう事実がやっぱりあるというそういう事実もやっぱり認めなければならない。

河野談話抜粋

河野談話抜粋

ここで画面には、いわゆる「河野談話」の一部がでます。そこで司会者キャスターが、「強制性があったと認めているということでいいのでしょうか」と尋ねました。なんと答えるのだろうか。ぼくは固唾を飲んで画面に見入り、河野氏の表情に注目したのです。表情にはなんの変化もありませんでした。そして河野洋平氏は、こう続けたのでした。
河野洋平氏は河野談話を滔々と語る

河野洋平氏は河野談話を滔々と語る



当時はですねぇ、軍隊という絶対的な実力部隊が背後にあって、その軍が直接やったものもあるし、直接やらずにここに書いたように関係者にやらせたのもあるけれども、絶対的な力を持つ軍が背後にいてやっているわけですから、断ることができない精神的にも環境的から見ても、それから事実も、それはやはり事実というべきでしょうね。
ここで司会のキャスターは突っ込みを入れました。「河野談話は、国家の関与については非常に丁寧な説明をしていましたが、それを河野さんが記者会見のあとで認めたことによって、一歩踏み出したのではないかと受け止められていますが・・・・」

キャスターは「国家の関与については非常に丁寧な説明」と迂遠な表現をしていますが、これは「河野談話」では、軍つまり国の関与は認めるような断定的な表現がないということです。ところがその後の記者への回答で、はっきり認めるようなことを発言したことを「一歩踏み出した」と言っているわけです。なにしとる。へなへな遠慮せずにいうことはしっかり言えと、ここの弱腰キャスターに少々イライラしました。

河野氏は平然と続けました。
河野談話自体はですねぇ、つまり国家として組織的に国が直接やったという文章が残っていませんでしたと、そういうことを言ってるわけですね。だけど事実としては今いうように背後に圧倒的な強力な権力を持ったものが背後にいて、甘言まあ甘い言葉であるいは騙して連れて行った。
それはもう結果として断ることができない、本人の意思に反して連れて行かれたということ、それは言って見れば強制性だと、そういうことなんですね。 
それともう一つ考えて欲しいのは、集められた集める手法それが今の問題です。それが今言ったように騙して連れて行ったとかですねぇ、なんというかサーベルをガチャガチャ言わせて連れて行ったとか。
それともう一つ慰安婦問題の本質というか決定的な問題は、連れて行かれて断ることのできない状況下で女性としての人権というか誇りを全くめちゃめちゃにされてしまって長い間そこに抑え込まれていたゆう事実はやっぱり問題なんじゃないかと思いますね。

 この辺でぼくが感じたのは、「エェッ、この人結構汚い」という思いでした。「サーベルをガチャガチャいわせて」という部分です。ここで連想されるのは軍隊です。でもそんなことは絶対になかった。
そんな嘘をつき続けたのは吉田清次というベテン師で、それを知りながらその嘘を拡散し続けたのは朝日新聞社だったことは、周知の事実で万人の知るところなのです。
あの時代サーベルを下げていたのは将校でした。警官も下げていたようです。人身売買のケースのトラブルで、警官が関わったこともあったかもしれないのですが、韓国の警官はみんな朝鮮人でした。だからこの表現は吉田清次もどきと言っていい。

朝鮮人慰安婦の問題を少し調べたことのある人なら、この番組での河野氏の発言のおかしさが分かるのですが、何も知らない人が聞いたら、何とも穏当な立派な意見と思えるのではないでしょうか。ぼくは呆れつつ感心していました。
 よくもまあこれほど全くの他人事として立派な意見が述べられるものだなあと。
この人を国会に呼べという意見を聞きますが、それは全くの無駄というしかない。意味のないことだとつくづく思いました。勝手に喋ってなさい命終わって喋れなくなるまでと思ったことでした。

 この番組の慰安婦問題での発言で最初に挙げていらっしゃるのは、慰安婦が老齢化しているから解決を急ぐ必要があるということでした。老齢化の問題は拉致被害者家族も同じ問題があります。当然この二つの問題は同時に考えないといけない。でも彼にとっては韓国の慰安婦だけしかない。
 この人には、世界は全く見えてないかのようです。見たくないし考えたくもないのかもしれません。それが、彼自身の発想で発案でなかったにしろ、普通の神経なら、あの河野談話がどれほどの厄災を日本に及ぼし続けているかに考えが至って当然、そうでなければ普通の日本人が持っている羞恥心を欠いているという意味でこの人は普通ではないと思えます。

 世に名高い「河野談話」も先の「安倍談話」で完全に上書き消去されたとぼくは考えています。並んで有名な「村山談話」は「阿部談話」発表の後、外務省のホームベージから消去されたと聞きました。「河野談話」も同様の結末をたどるのは時間の問題だと思っています。
 それにしても、なぜ今河野洋平なのか。番組のタイトルが、なぜ「今だからこそ語る安倍政治」なのか。全く訳がわかりません。この日本人としての羞恥心を欠いた男が「安倍政治は右傾化しているようだ」などと語らせることに何の意味があるのか理解に苦しむところです。

慚愧に堪えないのは何なのか!

慚愧に堪えないのは何なのか!

 この番組の冒頭に河野洋平氏の大きな顔と「慚愧に堪えない」という文句が出ました。
 これを見た日本人の10人中少なくとも9人は、その対象が「河野談話」だと思うに違いない。
 慚愧に堪えない。ぼく自身はこの文言の意味が「自分の言動を反省して恥ずかしく思うこと」と理解はできましたが、慚愧の意味は調べて初めて知りました。
 慚愧は元来仏教の言葉で、「慚」は自分に対して恥じること。「愧」はその気持ちを外部に示すことなのだそうです。
 河野洋平。慚愧に堪えない。今だからこそ語る安倍政治。この三つを見たとき、えーっ。河野洋平は反省したのか。安倍政治を評価するようになったのかと思ったりしたのでした。そして、いつその言葉が使われるのか。今か今かと待ち構えながら番組を見ていました。
 ところが、期待した慚愧に堪えない対象は、なんと「小選挙区制導入」だったのです。なんですかこれは。河野さん、もっともっとでかい対象があるでしょう。そう思いました。
 番組制作者もこんなトリッキーな紛らわしい、Sealsが作った表と裏で真逆のことが書いてあるプラカードのような、羊肉ですよと羊の頭を掲げて実は犬の肉を売るというような、羊頭狗肉の番組を作ってはいけませんよ。深層Newsさん。