トランプの勝利に思う

 世界中の予想を裏切ってトランプが当選しました。
 ぼくは勝つとしても僅差だと思っていましたから、あの結果はやはり少し意外ではありました。
 あの日、朝から選挙速報を見ていましたが、クリントンからトランプそしてクリントンと上位を交代しながら、昼前だったと思いますが、マイアミをトランプが制して大きく引き離したところで、ぼくはトランプ勝利を確信しました。
 そこで、facebookには「トランプが勝つようです。やっぱりという感じ。エスタプリッシュメントに冷水」とかなり抑えて書いたのですが、内心はやったぁという感じだった。
 前日に家内から「いったいどっちが勝つの?」とたずねられて、少々困って「クリントンが僅差で勝つかも」といったのは、クリントンになってほしくはなかったけれど、トランプと断言する勇気がなかったからです。

 <葉巻のけむり>に「トランプ氏の勝利スピーチとTPP」(3/10)を書いたころからどうもマスコミの報道は少し変なのではないかと思い出していました。どう考えても泡沫候補とは思えませんでした。TPPはもちろんそのほかの過激発言とされるものでも、ぼくには至極当然まともな意見と思えました。
 メキシコからの不法移民を取り締まるのは当たり前の話です。壁を築く。いいではないか。イスラエルだってとんでもない壁を築いているではないか。
 セクハラ発言?なんだそんなもの、クリントンの旦那のスキャンダルの比ではない。そう思っていました。

 「チェンジ。イエスウィキャン」と威勢よく登場したオバマはかっこよくて、その就任演説の台詞の英文を暗誦する人もあったりして、ぼくにそのファイルを送ってくれた人もありました。でも、読んでみても、ぼくにとってはどうもしっくり来なくて、なんだか白々しい気分だったのです。その後のオバマはご存知のとおりで、その言行不一致が目立つものだった。
 そのオバマを引き継ぐといい、応援演説を受けているクリントンが好い訳ないと思ったのです。クリントンは誰に教えてもらったのか、日本軍の慰安婦を平気で「セックス・スレイブ」と呼びました。
 どっちの候補もチェンジといったけれど、クリントンのチェンジはオバマと一緒で言うだけ番長臭い。そんな気がしていました。

 テレビ討論も集中してみたけれど、ぼくにはどっちが優勢とも思えなかった。ところが、後の報道では、大差がついてクリントン優勢となっていました。それなりの理由付けが行われていたけれど、どうも合点が行きませんでした。
 こういうのをディベートいうらしのですが、それで相手を言い負かせたらそれが国の指導者にふさわしいということになるのか。そんなこと信じて投票するほどアメリカ国民はあほなのか。そう思ったのです。

 マスコミの偏向報道はかなり極端で、それはわが国の民主党政権誕生の前を思い出させるものでした。なかでもCNNは特別だったからクリントン・ネット・ニュースなどと揶揄されていたようです。日本のマスコミもコメンテーターもそれらの受け売りですから、当然同じ感じで、やたらトランプを貶める風潮だった。それは、なぜか、ぼくのトランプを応援したい気分を誘うものとなったようです。
 もともとは彼のTPP反対を歓迎していたのですが、地球温暖化のパリ協定破棄にも、ぼくは大賛成でした。

 報道関係者は、こういう決着になったのだから、番狂わせという前に、番狂わせとなった自分たちの報道を反省し謝罪しないといけないのではないかと思います。
 トランプの勝利演説の中で、何度も使われた「Our Country」はテロップではいつも「この国」となっていました。どう考えてもこれは「わが国」でなければいけない。この国はThis countryです。報道は正確でなければなりません。

 テレビの報道などを見ていて思うのは、やたら分析や分類のみが多いことです。
 コメンテーターなどが、こうした分析を始めると、その人はたちまち国際人や宇宙人に早代わりします。分析はもういい。日本人として、日本はどうすべきなのか。どうもしなくていいのか。それを言ってくれといつもいらいらします。
 例えをあげると、尖閣にやってくる船が増えた。これは中国の内部抗争の表れではないか。それで終いです。それでどうするのががありません。
 今回のトランプ勝利に関しても種々さまざまの分析があり、それはみんな正しいといっていいでしょう。でもぼくはそんな分析はもう結構だと思うのです。これからどうするのかを語ってほしい。分からないならわからんと言ってくれ。

 トランプ政権になって世界は変わると世界中が大騒ぎしていると報道されていますが、それは変わったら困ると思う人たちがそう報道させているだけで、そんなに困ることはないとぼくは思っています。
 所詮よその国の話だという前提で考えるべきです。TPPは駄目になったとしても、アベノミクスを成功させるためにやったわけでもないわけで、駄目なら大いに結構。
 安保見直し。大いに結構。よりよいほうに見直せばいいのです。
 トランプが米軍の費用をもっと要求してくるかもしれない。しっかり交渉して、今よりもっとよい条件を飲ませ、それでお金がかかるなら出せばいい。国の安全保障にそんなちまちました計算をするべきではないでしょう。
 日本はかつてのように弱小国ではない。GDP三位、軍備も実力からいえば二位。世界の強国であることを、国民の一人ひとりが自覚すべきだと思うのです。
  
 世界中で変化が起こり始め、どの国も揺らぎが見え始めています。その中にあって最も安定しているのがわが国日本国です。
 日本は卑弥呼の昔から道徳に優れた民の国(支那の古文書にそう書いてある)で、江戸・明治の時代に訪れた外国人がみんな驚いた国民の道徳心の高さは今も変わっていないと考えるべきでしょう。そして、少し衰えたかもしれない矜持の心を持ち直し、堂々と世界に対し、毅然と国を整えてゆけばいいのだと思うのです。