先だっての2日、東京都が尖閣列島の魚釣島買取のための調査測量を行ったことは、新聞テレビで周知のことである。
このニュースを見ていて、そこにすばらしく美しい岩峰の映像を見て驚いた。
一瞬、攀りたいと思い次いで、もうそんな年じゃないと思った。
それにしてもいい峰ではないか。
右のスカイラインを直上するルートを取りたい。
写真を撮影したのは、東海大の山田吉彦教授だと思われる。
先ごろ華厳の滝を登ってつかまった馬鹿なクライマーがいた。
誰も登ってないところを登りたいというのがクライマーの欲求だとしても、少しこれは不純に過ぎると思った。
滝登りというのは、沢登りの過程で滝に遭遇した時に始めて必然としての動機が生まれるはずである。
むかし、まだ山登りの駆け出しのころ、岩があれば攀ぼりたくなったものだった。陸地測量部の5万分の1地図で岸壁を示す記号、それを毛虫と呼んでいたが、を探してそこへ出かけたりもした。
そうした山上の岸壁を求めて、田舎のバスに乗っていると、乗客の一人が、「学生さんどこへ行くのか」とたずねた。
あの山の上のほうに岩があるはずなんです。
そのおっちゃんは、怪訝そうな顔をして、「なんかかねめの石でもあるんですか?」といったものだった。
それにしても、この見事な岩峰はいわゆる魚釣島にはないようだ。
では南小島か北小島なのだろうか。なんと呼ばれているのだろうか。おそらく名前はついてないだろう。
ほかにも、見事な岩峰が尖閣諸島にはいっぱいある。そして、たぶんまだ取り付いたクライマーはいないと思われる。
日本のクライマーよ。この岩峰を目指せ!
ひょこひょこ行ったら捕まると思われる。十分な準備をして、見つからないようにしなければならない。
尖閣列島には、多くの岸壁がある。この岩峰だけではなく、すべの岸壁を攀ぼり尽くせ。