自民党が圧勝しました。まずは安心した次第。
ぼくは、日本は世界から見て普通の国になる必要があると思っています。日本を普通の国に出来るのは、安倍晋三以外にはないと思い始めていました。
ぼくも、この前の選挙では民主党が日本を変えてくれると思っていました。そんなことはないという人もいましたが、そんなことはない筈だと抗弁していたのです。
しかし時間が経つにつれ、弁護のしようがなくなるような事件が続発しました。そして、3.11が起こりました。
仙谷氏が、「自衛隊を暴力装置」と呼んで物議をかもした時も、あの頃の学生はみんなそう思っていたのだから、それはそれでいいのではないかと思ったりしたものでした。
ところが、中国漁船の体当たり事件が起こったとき、彼の取った行動や指示は、日本人としてあるまじきものに思えたのです。3.11での菅首相の行動も納得できるものではなかった。
その責任転嫁の態度は、<弁当屋の仙谷>や、<四列目の菅>を想起できるもので、人間を知るには、若い頃の行動を調べればいいという説を思い出しました。
考えてみれば、全共闘の学生の中には、日本人というより国際人という観念がより強い人もあり、そういう意味では、彼らはその頃から日本人ではなかったのではないか。
そういう人たちを多く含む民主党は、消えてもらう必要がある、などと過激なことを考える様になっていました。
すこし筆が走り過ぎたようです。話を順に進めることにしましょう。
安倍さんは「戦後レジーム脱却」を唱えた人です。
この<戦後レジーム>とはなんであるのか。みんなあんまり分かってないと思えます。ヤフー知恵袋にもこの質問があり、ベストアンサーには、次のようなとんでもなく的外れの噴飯ものの答えが載っています。
「戦後レジウムからの脱却というのは、戦中・戦前にような国にするということ。帝国憲法の復活から、マンションにも床の間の義務付けまでさまざまな懐古趣味を国民に押し付けようと一生懸命」
戦後レジームというのは、敗戦からいままで続く、日本の政界・財界・官界・マスコミ界などの体制のことを意味します。
そこには、戦後の自虐史観に基づく体制を維持することで各種の利権その他の旨味を享受する人間が存在する。こうした人たちは「戦後利得者」と呼んでもいいでしょう。
例えば、政界ではほとんどの大物議員は、この類いであり、親中派といわれる自民党議員は中国とのビジネスで大きな利権を欲しいままにして来たと思えるのです。
この各界に張り巡らされた「戦後利得者」のネットワークは、きわめて強固であり、自分たちの利権を守るため、お互いに協力して、この仕組みを壊そうとするものたちを抹殺して来たといえると思います。
この戦後利得者ネットワークが機能している限り、日本の再生はなく、本当の独立もないといえます。
安倍さんはこの戦後利得者の殲滅を計ったのが、「戦後レジュームからの脱却」だったと考えられるのです。かつて一年で突然止めねばならなかったのは、このことが関係しているのではないかとぼくは疑っています。殺されなくてよかった。
自民党の歴代首相も間違いなく「戦後利得者」であり、自民党自体そうした集団だったといえるのではないでしょうか。だからこのスローガンは、小泉純一郎とは異なる、本当の意味での「自民党をぶっ壊す」ということだったのです。
話を自民党総裁選から始めましょう。
自民党の旧勢力は、石原伸晃氏を総裁にしようとしており、駄目なら石破氏になる筈で、安倍氏は予想外だったようです。まして逆転勝利するとは全くの想定外の出来事でした。戦後利得者連合に衝撃が走ります。
これはつぶさねばならない。なりふり構わぬ攻撃は、まず朝日新聞の「カツカレー問題」から始まりました。安倍晋三をつぶすのは社是である、という発言が暴露されたりもしました。読者の総スカンを食った新聞各紙は、安倍バッシングから安倍パッシングに戦略を変えます。かつカレー事件から後、一週間にわたり安倍の文字が一切なくなったという話を聞いたものです。
この新聞・テレビのパッシングというのは、常に行われている手法といえます。敗戦後ずっと、報道機関はこのパッシング戦術で、批判されることなく日本国民の洗脳を行って来たといえるのです。
一つ例を挙げると、あのGHQの総帥・マッカーサーが朝鮮戦争のあと、米国議会で「日本の戦争は、満州国を守る為のもので正義の為のものだったと思われる」という証言を行ったのですが(このことについては、別項で詳しく書くつもり)、これを日本の新聞はパッシングしたのです。
記事や映像の捏造は指弾されてもパッシングは、批判されることはありません。敗戦から今まで、ずっとこのパッシングは行われ、その結果、日本人が日本人たる誇りと志は萎え凋んで来たといえるのではないか。そして、ケチな金銭欲と恐怖心だけをもつ動物に近い日本人が育てられた。そんな気がしています。
選挙の後、テレビのコメンテータが、それぞれ各種の分析を行っています。民主党にNOを突きつけた。これはその通りでしょう。これは分かります。しかし、大勝の理由として決まって挙げられるものに、消去法で自民党が選ばれたというのがあります。これは分からない。不可思議な理由付けに思えます。どれかを選ぶ場合、どんな方法で選んでもそれは選挙民の勝手ではないのか。よくないのから消してゆき残ったものを選ぶ。それがどうして問題なんだ。大勝したことへの悔しさの表現としか思えません。
選挙前の報道にもかなり意図的な画策があったと思うのですが、その意図は見透かされたのか、最初から新聞テレビ報道自体が信用されなくなっていたのか。意図に反した結果となって、憤懣やるかたないという態度を取るコメンテータが如実に画面に現れ、興味深く見たことでした。
ここしばらくの日本列島やその周辺では、日本という国を考えざるを得ない状況が造られていたといえます。
その中で、日本の人たちは、まず政府に対して不満を持った。
漁船体当たり事件、尖閣上陸事件に対する中国への政府の対応。韓国大統領の竹島上陸や天皇への侮辱発言などに対する政府の対応は全くまともなものではなかったといえます。
こうしたことへの不満は、そのまま自民党への期待となったと思えます。
それは、「からだは大丈夫なんかなあ。あの人頼んないやろ」という大阪のおばちゃんの声と共に紹介された市民の声、それは拉致被害者の母親有本嘉代子さんのものですが、「日本の国民と領土を守らないと国というものは成り立たない。お国の為に国家観をもって政治をとってもらいたい」に現れているようです。
中国や韓国の新聞は、右翼政権とか極右政権とか為にする報道をやっているようですが、世界基準からすると、安倍さんは中道で、日本のほとんどが左と極左だと思うのです。長年のマインドコントロールや洗脳で、それがまるで宿痾のごとく脳に張り付いた日本知識人といわれる人々は、「祖国に仇なす日本人」として存在し、自分がどうしようもなく偏っていることに気付いていないといえます。
安倍さんが、総裁になった時から安倍おろしが始まったといえます。自民党が大勝した今後もこれは続くと見ていいでしょう。戦後レジュームが崩壊したら大変な人がいっぱいいるのですから。
既に、安倍と石破の仲を裂こうとする動きが新聞テレビで見られますし、選挙違憲の訴えも盛んなようです。
安倍さんをつぶしてはならないと思い、来る参院選でも勝利することを願っています。