安倍さんの攻防

総裁選直後から始まった、安倍さんへの攻撃は前稿にも書きましたが、その陰湿度をさらに増しながら、なおも続行中と言えるようです。
今日知ったばかりなのですが、NHKが明らかに意図的に映像に操作を加え、安倍さんの顔色を悪くしていたということが、YouTubeに報告されています。
ぼくも、どこの局だったか定かでないのですが、安倍さんの声のかすれがいっこうに取れないので、少し心配になっていました。
これもまた、音声への操作なのだそうです。

こんな投稿があがっていました。
「17日の2時からの会見で、NHK、フジ、日テレ見てましたけど、NHKだけ極端に暗い映像でしたよ。もうびっくりするくらい。音声についてですが、これはほぼすべての局でやってますね。風邪で喉がおかしくなったみたいに聞こえます。本当に悪質ですね。総理になった日のインタビューとか所信表明演説とかでもやるでしょうね。」

「自分も映像製作に携わる一人でありますが、編集作業をする場合最終的にはディレクターの0kも必要なのでおそらくは局のディレクターあるいは局プロの指示で行っているのではないかと思われます。民放であれば外部の制作会社に発注することも考えられますがNHKで報道映像ならば尚のこと局の指示でしょうね….最近のデジタル技術であればオンライン中でもなんなく加工できますからね….」
「声も多少 いじってた 売国局あったぞ! 最初 声が枯れているのかな?って思ったけど、ほかの局と全く声が違ってた!!! ほんと売国メディアはやり方が汚いんだよ!!!そしてダサい」
いやぁ驚きました。そこまでやるのかという感じです。

前稿でも触れましたが、総裁選の時、自民党の派閥の領袖たちは、石原伸晃氏を押していたのですが、ここでやはり派閥に属さない石破氏が総裁になっても、戦後の体制は維持されると考えていたようです。
この頃の大方の見方は、解散は来年に送られる。民主党は間違いなく政権を失うが、自民党が過半数の議席を占めることもない、というものだったようです。
国会の党首会談での、野田首相の電撃的解散宣言に驚かなかった人はいなかったでしょう。安倍さんにとっても、これは全くの想定外で、それはあの時の安倍さんの表情をよく見れば分かります。

ここで、安倍さんはとんでもない窮地に立たされることになったと考えられます。
総選挙では、過半数は取れないから連立を組むことになる。どこと組んでも、憲法改正は難しいし、難しい連合政権では、石原慎太郎や橋下などというかなりややこしいお方もいるから、首相の座を失うのは直ぐだろう。安倍おろしの道筋は見えている。
つまり、首相に祭り上げることによって最も攻め易い状況に置けるという訳です。
ここで、安倍さんは進退窮まったと考えたかも知れません。
しかし、ここで安倍さんは敵連合の弱点を見つけました。それは日銀でした。
インフレ誘導を日銀にやらせれば、国民の支持を得ることが出来る訳です。
3%のインフレ上限を決めて、お札を刷らせる。日銀法を改正すると打ち出しました。すぐさま強い反発が起こります。
ところがさらにここでも、予期せぬ選挙圧勝という結果が現れました。そうなれば、日銀は受け入れざるを得ない状況となりました。彼の方針表明に市場はすぐさま反応します。
戦後利得者の人々にとっては、ひどいストレスなのでしょう。そこで、信じられないような陰湿な反応が起こっていると考えられます。

コメンテーターや(御用)学者は、そんなことをしたら大変なことになるなどと力説しました。
しかし、いまの日本のようなデフレ状況を経験した国はないのだから、どうなるかなどはわからない。
実は、日本の歴史ではデフレの経験がありました。それは大正末期の1920年のことで、有名な蔵相・高橋是清が同じ方法でデフレを克服しました。アメリカのフランクリン・ルーズベルトが、9年後の1929年に、この高橋是清の方法に学びいわゆるニューディール政策を行ったのです。
こんな世界で初めてデフレ対策を行い成功した実例があるにもかかわらず、この20年間実効性のある施策をせぬまま、やることといえば、インフレ対策相当の施策を行って状況をさらに悪化させてきたのが実際の話でした。
お札を刷っても、それが銀行で眠っておれば、ないのと同じです。使う方法は公共投資です。
無駄なバラマキとか言いますが、ばらまいても景気が良くなればいいのです。所得が上がれば、それはGDPが上がるということになる。
公共投資で無駄金が使われるなどと神経質になりすぎると結局お金は使われない。細かいことを言わず、被災地にはドンドンお金をつぎ込めばいいのです。
談合談合と悪者にされていますが、その結果、価格の圧迫が生じ品質が低下する。そして、トンネル事故につながってしまいます。談合は悪くありませんし、指定入札も必要です。
大体会社と国を同一視するのが間違っています。国というのは採算が取れなくてもやる時はやらねばなりません。採算採算といいつのり、その結果ちまちまと細部にこだわり、木ばかり見て森が見えなくなっています。
お札を刷ったらひどいことが起こる万札は紙切れになるという識者がいます。しかし、もうすでにひどいことになっていると知るべきです。そうテレビで言う人が、どうしてギャラを円で受け取っているのか不思議です。
日本の借金の額を声高にゆう人、日本はギリシャのようになるという人。そういう人は、ものの分からぬ嘘つきのバカですから、笑って無視すること。

今の日本の状況は、間違いなく敗戦後体制を引きずって来た日本の状況を変えようとするムードが高まっているようです。得票数に変化はないとして、その変化を認めたくない人もいるようですが、自民党の大勝は間違いなく、日本の国を中心に据えた議員を日本の人々が支持したことによるものです。
共同通信は、立候補者からアンケートをとっていました。選挙後、当選した議員の集計を行ったところ、憲法改正を目指す人が45%、修正を望む人が30%でした。憲法を変えようとする衆院議員が、75%いるのです。ちょっと嬉しい驚きでした。
新聞・テレビではパッシングされていたけれど、有権者は冷静に判断したということだと思いました。GHQに押し付けられた憲法というより戦時下条項みたいなものを、有り難がっているような政党はなべて議員数を減らしたようでした。

思想というか考えの範疇は、普通には左・中庸・右と単純に区分けして、時には問答無用にレッテルを貼る。しかしぼくは、このわけ方は間違っていると思っています。
同心円的な区分をする必要があるのではないか。円の中心は国であり、その中心には象徴天皇がいる(訂正:天皇陛下がいらっしゃる)。これから外枠に向かって離れて、ある限度を超えるとそれはもう日本人とは言えず、日本語を話す外国人となる。中心にある日本には、日本の伝統・文化・慣習が含まれ、これから離れれば、それだけ日本人ではなくなるというわけです。

今のような結構緊迫した情勢の中では、人はどんどん本音を吐かざるを得なくなるようです。
ぼくが信頼していた解説者の田中宇氏が、このごろテレビによく登場するようになったなと、感じていたら、ちょっとびっくりするようなことを言い出しました。
「一線を超えて危うくなる日本」で、彼は尖閣問題、憲法改定、日銀の3つで、それぞれ一線を超えたと説きます。
まず、尖閣問題。中国とは戦いになる。アメリカは守ってくれない。日本が軍事的に勝った場合、中国は激怒し日本と国交断絶、明示的に経済制裁を行う。中国は日本を必要としないから困らない。困るのは日本だ。そしていずれ日本は尖閣がちっぽけな島であったことを認識するとする。
二つ目の憲法改定。これによって日米同盟の解消になる。
三つ目は日銀の独立性の剥奪。
「日本の自滅を招こうとしているのは、政治家でなく、選挙に行かなかった反右派の人々を含む国民だ。国民のほとんどは、安倍政権ができたら自国が自滅していく可能性が高まるという構図を知らずに自民党に入れたり棄権したりしたのだろう。民主主義は素晴らしい。」
結構気分が悪くなる物言いではないか。謀略論者を自認する彼は、こと中東やヨーロッパでは、アメリカのジャーナリズムを通しての情報を緻密に調べ、鋭い論評をしていたから、ぼくは信頼して読んでいたのです。
しかし、アジアに関しては、あのどうしようもない孫崎と同列ではないか。
経済戦争で中国は困らない、困るのは日本だと説く。
データを調べずに勝手に論を立てる経済学者ばかりと嘆く三橋貴明氏の著書『中国がなくても、日本経済はまったく心配ない!』という本があるのをご存知か。
彼の正体が見えていなかったような気がしてきた。まるでブルータス田中ではないか。
墨染の衣の中から、支那服と朝鮮服がチラチラ見えるのは、気の迷いなのだろうか。

今日この頃、次のセリフを吐く人は信用してはなりません。
「日本はギリシャになる」
「アジアの孤児になる」
「戦争になったら負ける」
なぜこれらが嘘なのかは、ここでは説明しませんが、間違いなく誤りです。

世界一と言っていいほど平和でかつ安全で、世界一お金持ちで、世界最低の金利で、豊かな国が日本です。この国から出てゆこうという国民はほとんど皆無と言っていい。
軍人の半数以上が外国籍を取得し、外国の銀行にお金を預けているというお隣さんとは違うのです。このお隣さんの国でのアンケートによれば、この国を愛するかとの問いに、85%がハイと答えた。ところが、次に生まれる時にも、この国でいいかの問には、90%がいいえと答えたそうです。
ところで、イギリスもオランダもかつて世界の一等国・覇権国になる直前にはたいへん苦しい時期を経験したといいます。この先例に倣えば、日本は世界一の国になれるかもしれないのです。

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