昨日アップした「東京裁判~その欺瞞の歴史~」(2)の末尾に張った、青山繁晴のニュースDEズバリ!のリンクが早速削除されてしまいました。あちこち探しましたが、見事に全て削除されています。調べてみると、すべてが削除されているわけではありません。テレビの番組の動画はすべて消されるという訳ではないようです。テレビ番組の録画動画はそれこそ、ごろごろ上がっているのですから。
これはどうやらその内容によるようで、こうした世界の常識を日本人に知らしたくない人たちが、必死に消しにかかっている。そんなことをしても、まず無駄だと思うのですが・・・。
まだどこかに消し忘れがあるかもしれないとさらに探索を続けると、画像の質を極度に落としたものが、消されずにひとつ残っているのを見つけました。
テキスト起こしをするのにはこれで十分と考え、さっそく作業にかかりました。しかし、やはりフリップの絵は欲しい。しかしこのサイトの絵はなぜかコピーできません。困ってしまって、再度探索を続けることにしたのです。
そしたら、すごい! この「ニュースDEズバリ!」を完全にテキスト起こししているサイトが見つかったのです。素晴らしい。感激しました。ぼくがやろうとしたことをすでに完全にやっていた人がいたのです。おまけに「引用転載はご自由に」と書いてありました。テキストなら消されることはない。
お言葉に甘えて、さっそく転載させていただくことにしました。
さらに、綺麗で完全な動画が残っているのを見つけました。これは末尾においておきます。
山本浩之
「今回の事件は最悪の結果を招いてしまいました。海外にいる日本人を守るために、じゃあどうしたらいいんだろう。さっそく解説お願いしたいと思います」
青山繁晴
「はい、皆さん、先ほど申しましたとおり、洪水のような報道はあるけれども、いわば通り一遍の政府批判だけしてればいいと、いうことではありません。政府批判もちろん、とても大切な報道の任務ですけれども、やっぱり、えー、こういう、一番深刻な事件が起きたからこそ、根っこの問題に改めて目を向けるべきだと思います。えー、そのひとつめ、私たちの日本国民が、これを、貴重な契機として、気づくべきことの最初は、これです」
村西利恵
「海外の日本国民は保護されない、ということ」
青山繁晴
「はい。これもちろん、ある一面を物語っているんですけれども、逆に言うと、もう一回言いますが、たとえば、フランス国民だとすると、フランス国内にいる時も、日本にいる時も、アフリカにいる時も、その、たった一人のフランス国民を救うために、フランス全軍が出て行くぐらい、その、いかなる状況でも守ろうとするのが、国際法の基本理念であり、世界の常識ですが、日本人だけが、これも、今から68年前に戦争に負けてからの、現在の日本国民だけが、日本国内にいる時、と、海外にいる時の日本国民では、政府の扱いが違うんですよ。特に、その、軍事作戦や、軍事的色彩の強い、今回のようなテロに巻き込まれた時に、扱いが変わってしまうんです。その具体例が、実はいま目の前で、進行してるんです。それは何かというと、これです」
村西利恵
「今回、日本国政府専用機が、初めて邦人の救出へ向かいました」
青山繁晴
「はい。これ、日本には政府専用機っていう、これあの、巨大なジャンボですけれども、そういう飛行機が2機あるっていう、ま、2機って数はご存知なくてもですね、なぜ2機かというと、1機が飛んでると、必ずその、故障があっても大丈夫なようにもう1機つくるんですね。本当はもう1機、3機体制が望ましいんですが。いずれにしてもそういう政府専用機があるってことを、ご存知の方、多いと思います。えー、そして、これ普段、その、天皇陛下とか、あるいは内閣総理大臣が海外行かれる際に、使われることが多いわけですけれども、同時に、海外で日本人が危機に陥った時に、それを、人数の多い少ないを問わず、助けに行く任務があるっていうことも、実はご存知の方、かなりいらっしゃると思うんですよ。ところがですよ、この政府専用機って、あと2年ぐらいで四半世紀になるんですが、つまりもう20数年間、政府専用機ずっと使われているのに、今回、日本人、つまり私たちのような普通の庶民、日本人を救いに行くのは、初めてなんですよね」
一同
「うーーん」
青山繁晴
「つまり、その、今までは、できなかったわけです。これ、できないと言うと、この、機体に問題があるのかと思う人もいると思いますが、いや、それ、むしろ逆なんですね。僕はこの政府専用機のあり方っていうのは、日本の誇りだと思っててですね。あの、ちょっとこれ、このフリップを見ていただけますか」
青山繁晴
「これあの、昼間の、政府専用機の写真ですけれども、これあの、僕が記者時代に、何度も乗ってるんですけれども、そして、当時、あの、これ航空自衛隊機ですから、いや、いまも航空自衛隊機なんで、当時の、機長はじめ航空自衛官、の配慮で、っていうか、僕がいろいろ質問したんで、隅々まで見せてくれたんですね。で、その時に僕は、ま、一種感激したのはですね、こういうその、前のほうですね、このあたりにその、巨大なダブルベッドがあって、そこ、村山総理の時に、村山さんが僕に、あの、青山くん、こんなすごいベッドで俺は、儂は寝れんわと。ね」
山本浩之
「ふーん、そんなすごいんですか」
青山繁晴
「村山さん、僕は考え方180度違うけど、人間的には素晴らしい人ですから、そうやっておっしゃった。で、そういうその、いわば貴賓室があってですね、そしてこれ法律上は、あの、普通の大臣でも使えることになってんですが、実際は使う人はまずいないんですよ。どなたがお使いになるかというと、天皇皇后両陛下、そして、内閣総理大臣、いわば、日本のトップ中のトップがこの、前半に乗るようになってんですが、皆さんこの、後のほうですね、この巨大な胴体のほうはですね、狭い座席が、もう隙間なくずーっと敷き詰められてんです」
山本浩之
「へえー」
青山繁晴
「それは、あの、横幅はけっこう座席あるんですけど、前がすごい狭い、その、普通の飛行機の、エコノミー席よりも狭いぐらいじゃないかっていうぐらい狭いんですが」
山本浩之
「間隔ですね、いわゆる、前と後ろの」
青山繁晴
「はい。それどうしてかというと、その、さっき言ったとおり数が多くても日本人を、この、助けて、ね、あの、救出していけるように、この巨大な日の丸のついた、さっきあの、ライトで自ら日の丸照らしながら降りてったでしょ?ああやって日本を強調しながら、ここに庶民をたくさん乗せて、運ぶっていう飛行機なんですよ(一同同意)。何が誇りかというとですね、その、天皇陛下や、内閣総理大臣と、トップか、庶民しか使えない」
山本浩之
「うーん」
青山繁晴
「実質上。ね。法律の定めでは、その他、重要な人々って書いてありますけど、ま、外国の国賓なんかも運びますけれども、もう一回言いますがその国の、トップ中のトップと、その一般庶民を全く同列に扱って救おうとする飛行機っていうのは、僕は世界に稀なる存在だと思うわけですよ。ところが実際には使えないで、20数年間、邦人救出には使えないで20数年間、過ぎてしまった。どうしてかというと、何とこうだからです」
村西利恵
「空は飛べても、陸は運べないから」
青山繁晴
「はい。これね、今回のニュースで、びっくりした人いると思うんですよ? すなわち、これあの、今回の現場は、アルジェリアの首都のアルジェ、から1300kmぐらい離れてますよね」
村西利恵
「イナメナス(テロ事件のあった場所)、はい」
青山繁晴
「で、その、イナメナスは、空港も狭いので、こんなでかいジャンボジェット降りられないから、そうすると、アルジェの空港しか、降りられないわけですよね。そうすると、今回の、残念ながらご遺体になってしまった方々も、それから、生存されてる7人の方々も、その、1300kmを超えて、行かないといけないんですね。陸路行かないといけないんですね。ところが、この、これは、政府専用機だけじゃなくて、我が国、日本国の自衛隊というのは、空や、海は、その、助けに行けても、陸は行っちゃいけないと。そうすると、たまたま、その、巨大空港に近い所に、日本人がいらっしゃった場合しか助けられないから、現実にはずっと使えないできたわけですね。それ何でかというと、自衛隊法がこうなってるからです」
村西利恵
「自衛隊法によると、邦人輸送は空路と海路のみで、渡航先の安全確保が必要。武器の使用は正当防衛のみとなっています」
青山繁晴
「これは、あの、どういう意味かというとですね、これパッと見て、意味がすぐ分かる人は本当に、あの、少ないんじゃないかと思うんですが、要は、いまの憲法によれば、日本国自衛隊だけは、海外に出てはならぬってことが基本になってますね。っていうか、ほんとは陸海軍その他の戦力はこれを保持しないになってて、国の交戦権はこれを認めないになってんだから、外に出て活動できることは、基本的に難しいわけです、いまの憲法だと。で、そうすると、まず、あの、行く先が安全でないといけないと。え?そしたら、安全だったら普通に民間機行けばいいじゃないかと、みんな普通に思うと思うんですが、まずここに矛盾があって。いや、ま、でも自衛隊だからいちおう武器を持ってる。で、武器は、その、戦っちゃいけない自衛隊だから、海外では、とにかくいかなることがあっても日本国民を助けるためであっても、つまり戦ってはいけない。侵略戦争ではもちろんない、自国民を救出するという国際法が認めてることをやるのに、戦っちゃいけないことになってるから、正当防衛だけだと。正当防衛だけでいいじゃないかっていう人いるでしょうが、違いますよ。私が自衛官とすると、私自身が襲われたか、あるいは村西さんていうね、その、救出を待ってる日本人がいて、いまここに、近くにいて、僕の保護下に入っている村西さんは救えるけど、ヤマヒロさん、ね、たとえば救えないんですよ。その、遠くに離れてるから」
村西利恵
「えー…」
青山繁晴
「正当防衛とか、意味は、実はそういう意味なんですよ。で、そうすると、もう、危なくて、陸は、自衛隊は出すわけにいかないって話になるわけで。じゃあ、空と海は安全なのかっていうこともあるでしょ(一同同意)。だってアフリカいま、海賊が、たくさん出てるんですよ? だから、もう、こういうこと自体が、極めて奇妙な話になってるから、現在何が検討されているかというと、これですよね」
自衛隊法改正フリップ
村西利恵
「急浮上してきたのが、自衛隊法の改正」
青山繁晴
「おお、じゃあ、おお、自衛隊法改正するんだから、いいじゃないかと、思われる方もまたいらっしゃると思いますが、ところがその自衛隊法の改正、これ時間かかる上に、その改正って何なのかというと、こうです」
村西利恵
「陸路を加える」
青山繁晴
「これ、いま、公明党と擦り合わせしなきゃいけないとか、官房長官が時間かかるとかいろいろ、おっしゃってるけど、何のことはない、陸路を加えるだけであって、皆さんこれ普通に、日本国民の、海外での活動や旅行を考えると、こんな話を今さらしてるのかと、いうことで、驚かれる人多いと思うんですよ。で、これは実は自衛隊法だけを改正して、つまり、こうポコッと陸路を、陸路も付け加えましょうと、1個付け加えたらすむ問題じゃない。根っこの問題は実はこれなんです」
村西利恵
「日本の自衛隊と世界の軍隊の違い。それは、世界の軍隊はネガティブリスト。日本の自衛隊はポジティブリスト」
青山繁晴
「はい。これ『アンカー』で一度お話ししたことあると思うんですが、国連加盟国193カ国あります。日本以外の、主権国家、国連加盟国は特に、もうどこも、必ず軍隊というものは、ネガティブリストを持ってる。ネガティブリストっていうのは、これだけはしちゃいけない、それ以外だったら地球のどこでも、24時間365日、その国民を守るためだったら、兵士も士官も、全部、やらなきゃいけない。これ以外はってつまりたとえば、敵であっても捕虜になった人には、殺しちゃいけないのはもちろんのこと、傷つけてもいけない、人間性を侮辱してもいけないと、いうのが、国際法で定められてます。それ以外のことは全部やりなさいですから、海外にその国民が出ようとも、必ず、たとえば、あの、軍事的なテロがあったらそこにその国の軍隊が行って、あるいは、救出したり、あるいはテロリストとともに戦ったりするわけですけれども、日本の自衛隊だけが、いわば世界でひとりぼっちで、ポジティブリスト、これだけはやってもいいよリスト、法律に書いてあることだけはやってもいい、つまり現在は、たとえば陸路では日本国民を、守る、陸路でも守るっていうのは、ないから、できないんで、じゃあ付け加えるになるわけです。これ、こうやって、あの、テロがどんどん、たとえばインサイダー、内通者も含めて進化していくとですね、悪の進化を遂げていくと、法律をだんだん増やしていって、増やしていって、だんだん法律が、あの、重なっていって、そして危機に瀕した時に自衛官は、えっとこれは、リストにあったんだっけ、載ってるんだっけ…、皆さん、このマンガのような話が、もう現実に起きているんですよ? たとえばイラクに行った自衛官はそうだったでしょ。自衛隊法や防衛省設置法、それにイラク特措法って、特別措置法があったから、勉強して行って、リストに載ってるかどうか。ね。そしてロケット弾を撃ち込まれて反撃もできなかったですが、それはリストに載ってなかったから、ってことになるわけです。そうするとですね、私たちの課題というのは、本当はまずこれですよね」
村西利恵
「海外の日本人を守るために必要なこと。ひとつには、憲法改正」
青山繁晴
「はい。これは、あの、護憲派とか改憲派とか、保守派とかリベラル派とか、そんな日本国民を分断して分けて考える話では、もはやありません(一同同意)。そうじゃなくて、国際法という、人間が殺し合ってきたからこそかろうじて作ってきた最低限の貴重なルールに、合うように、自衛隊を位置づけ直して、その、国防軍に名称変更とか、名称の問題じゃなくてその中身を、ネガティブリスト、つまり、国際社会で禁じられること以外は何でもできるって、何でもやらなきゃいけないっていう自衛隊にする、その憲法改正をやらない限り、海外での日本国民は保護されることが、本当は、ないんです(一同同意)。それからもうひとつの課題は、いまこれは、報道でも話題になってますがこれですよね」
憲法改正2フリップ
村西利恵
「日本版NSC、国家安全保障会議の創設」
青山繁晴
「はい。しかし、これいま、あの、ドッと、つまり、政府高官が、記者懇談したから、今朝の朝刊で全部揃って出てますけど(一同同意)、大事なことを、私たち国民がよく見てなきゃいけないのは、これは、会議ってあるけども、実務組織でないといけないんです。それなぜかというと、今回のアルジェリア事件でも、警察庁の、特殊なチームが行きましたが、実はあまり仕事ができなかった。頑張ったけれども。なぜかというと、今回の件は、軍対軍の話であって、テロ事件であっても。警察機構が行っても情報をくれないんですよ。で、いまの報道では、じゃあその、エジプトと、スーダン、いまアフリカで言うと、エジプトとスーダンしか、防衛省から行ってる人がいない、これ防衛駐在官と言ってますが、その数を増やしましょうって言ってる。数を増やしたらすむんじゃない。あの、これ国際社会では、駐在武官って言うんですよ」
山本浩之
「うーん」
青山繁晴
「武士の武ですね、あるいは武力の武ですね。武官だから、諸国の軍隊は、同じ武官として、共通の土俵に立って情報交換できる。これ防衛駐在官っていう名前でごまかしてて、それだと、何だかよく分かんない組織だから、実は情報提供もちゃんとできないわけですよ」
村西利恵
「もらえないわけですね、情報は」
青山繁晴
「そうすると本当は、警察を、国家警察をつくる、日本は自衛隊しかないだけじゃなくて、警察も国家警察を敗戦後失ったままなんです。そういう国家警察とか自衛隊とか全部実務で統括できる、組織をつくらなきゃいけないから、間違っても、有識者会議の、延長になるようなことになってはいけない。そこを、この2つ(憲法改正と日本版NSC創設)、巨大な課題ですけれども、この第2次安倍政権に私たちが要求する、要請する、求める、国民的課題にできたら、していただけないかという問題提起なんです。その上でですね、えー、実は、その安倍総理なんですが、初外遊に出てる時に、この事件が起きて、途中で帰国したのは、皆さんご存知のとおりですね。そして、その帰国したためにですね、実はできなかった演説があるんですね。その演説の中に、今後の日本と世界の関わりを考える上で、非常に大事なものがあって、そして、実は内閣総理大臣の安倍晋三さんは、その行われなかった演説以外に、本心を吐露した英語の論文を、発表してるんです。日本ではあまり、報道が多くないんですが、それをきっちり考えてみようと思います。えー、キーワードはこれです」
村西利恵
「ここでズバリキーワードは、『総理の本心』。安倍総理は初外遊で何をやりたかったのか。このあと、詳しく話していただきます」
(いったんCM)
山本浩之
「安倍総理が外遊先でやりたかったこと。それは何でしょうか。引き続きお願いします」
青山繁晴
「はい。あの、内閣総理大臣のやりたかったことですから、個人的なことというわけではもちろんなくて、その、安全保障と一体になった、日本外交の新しいあり方、日本国民をちゃんと守れることを含めて、それなりに提案を抱えて、初外遊に行かれたわけですね。で、ご承知のとおりベトナムを皮切りに、ASEANの3カ国を回ったんですけれども、首脳会談は全部、3カ国ともちゃんとできましたが、最後のインドネシアで、実はアジア全体に向けて、あるいは世界に向けて、日本の新しい外交の姿を演説しようとしたんですね。その演説っていうのはこれです」
村西利恵
「『開かれた、海の恵み ~日本外交の新たな5原則~』という、演説がキャンセルとなりました」
青山繁晴
「はい。この、『開かれた、海の恵み』って、あの、これだけだと、何かよく分かんない…」
村西利恵
「そうですね」
青山繁晴
「…けれども、実はこれ、外交・安全保障に直接関わる話を、しようとしたんですね。で、この演説がキャンセルになったってのは、はっきり申せば、痛手です。痛手ですが、ただ共同記者会見で、その、原則については話をされてます。はい、出して下さい」
村西利恵
「総理は18日の会見で、日本外交の新たな5つの原則、『安倍ドクトリン』を発表しました。その5つとは、『言論の自由など普遍的価値の重視』『海洋における法の支配』『自由でオープンな経済』『文化のつながり』『未来を担う世代の交流促進』」
青山繁晴
「はい。あの、キャンセルされて行われなかった演説原稿そのものを見ると、たとえばこのあたり(4番、5番)にもですね、非常にあの、ポイント割かれていて、具体的なインドネシアの若者の話をしたり、それも、予定もあったんですよ。ただね、1・2・3番見ていただくと、特に1番2番あたりは、明らかに中国の問題を念頭に置いてる、ことが分かりますね」
村西利恵
「そうですね」
青山繁晴
「そして、これやっぱりその、演説したんじゃないからニュアンスがなかなか伝わってないんですけれども、本当は安倍さんは、総理大臣になる直前に、その、ヨーロッパに拠点のある、国際的なNPOですね、それは、あの、世界の要人が意見を発表する場として、非常に信用されてる所です、本当に世界の、ま、いわば一流の人たちが意見を発表するんですが、そこに英語で論文を出していて、プロジェクト・シンジケートっていうNPOなんですが、そこに、その、英文で論文を出していて(原文こちら、日本語訳こちら)、それが、実際にその、インターネット上にアップされたっていうのはですね、えー、12月の27日なんです。ということは、安倍政権はもう発足したあとですから、当然これ日本で大々的に話題になるはずなんです。しかも、さっきキーワードで『総理の本心』と書いたように、英文っていうことも影響してるのか、日本語の、普段の安倍さんの話よりももっとはっきり、物を言ってて、これたとえばオバマ大統領が、ここに投稿してたら当然、アメリカ国内でも世界でも話題になってるはずですけれども、世界では、かなり話題になってるのに、日本国内では、僕の知る限り産経と東京新聞が、報道したぐらいであって、たとえばここのNPOと朝日新聞なんか提携してますけれども、その報道全然なかったりするわけですね。だからこの『アンカー』の、今日の最後に、その中身をちょっと見ていただきたいです。はい、出して下さい」
村西利恵
「その論文の抜粋です。読み上げます。『南シナ海はますます、「北京の湖」になっているように見受けられる。まもなく、人民解放軍の海軍が新しく建造した空母が航海する光景は一般的になるだろう。これは、中国の周辺諸国を恐れさせるに十分な事態だ。だからこそ、日本は尖閣諸島周辺での中国政府による、日々の威圧的な軍事行動に屈してはならない』」
青山繁晴
「はい。これ、ま、総理になる直前に、実際は書いた原稿とはいえですね、えー、現在は日本の内閣総理大臣、が、南シナ海が、Lake Beijing、北京の持ち物みたいになっちゃいますよと、アジア諸国の海なのにって、ここまではっきり言うっていうのは」
山本浩之
「ほんとですねー」
青山繁晴
「これがなぜ大ニュースにならないんでしょうか(一同同意)。そしてしかも、アジア諸国の理解を得るために、日本がどうして、尖閣諸島で、その、中国に対して厳しい姿勢を取らざるを得ないかというと、この、南シナ海の現状を見ていると、ここで日本が屈したら、南シナ海の東南アジア諸国も、中国に屈せざるを得なくなる、日本だけのことを考えてんじゃない、アジア全体のことを考えてるってことを、はっきり主張してるわけですね。これに対して、たとえばこんなの言い過ぎだと、いう人もいらっしゃるでしょうが、当然それは報道されて論議になるはずが、いわば無視する形になってるっていうのが奇妙な話です。さらに、この論文には、Democratic Security Diamondっていう、非常に印象的なタイトルがついてて、つまり、安全保障のダイヤモンド、ね。僕も最初見た時は、何だろうと思いましたよ。それは、どういうことか、安倍さん自身がちゃんと説明してて、それはこうです」
村西利恵
「『私は、オーストラリア・インド・日本・ハワイ州で、ダイヤモンドを形作り、それによって、インド洋から西太平洋にかけて広がる、共有海域を守るという戦略を思い描いている』」
青山繁晴
「これ決定的な話でしょう?」
山本浩之
「うん…」
青山繁晴
「これまさしく論議呼ぶべきですね(一同同意)。あの、たとえばね、これ、朝鮮半島はダイヤモンドに入ってないわけですね。そして中国から見たら、こういう新しいダイヤモンドで、つまり日米同盟の強化に加えて、オーストラリア、インドも加わった、このSecurity DiamondっていうのはさっきのLake Beijingと並んで、海外ではすごくその、分かりやすい言葉として話題になってるわけですよ。で、従って、あの、こういうことを論議しなきゃいけない、そういうことを、報道でもオープンにされて、論議されて、そして先ほどの邦人救出とか、外交と安全保障が一体になって、国民的論議を呼ぶんであって、こういうのを、まさか中国に遠慮してとは思いたくないけれども、総理大臣の論文なのに、無視するっていうのは、僕のいた共同通信も含めて、非常に奇怪な話だと思います。で、その上でですね、安倍さんの側も、ここまで中国に対しても厳しいこと言うんであれば、たとえば、選挙対策うんぬん、ということと関係なく、今回の事件についても、本当は憲法そのものに問題があるっていうことも、きちんと国民に、もっと分かりやすく、提示すべきだし、それから仮に参院選後、政権が続くとしたら、それは国民の選択ですからまだ分かりませんけれども、続くとしたらその時に、衆議院選挙、で、公約しただけじゃなくて、憲法改正というものを、国民の合意と、論議をきちんと作りながら、フェアな議論を作りながらやっていくって責務を、安倍さん自身もこの論文を、世界に向けてすでに発表した以上は、もう背負ってるっていうことを、指摘しておきたいんです。そしてこれから、海外で働く、日本人の方々は、必ず増えます。というのは人件費安い、工場を求めて、世界に広がっていきますから(一同同意)、やがて、次は南米なんですよ、だから次のオリンピックはリオでやるんですね、本当は。世界はかみ合ってるんです。その次がアフリカになるんですよ。それを考えると、子々孫々の、仕事のためにも、いま私たちの日本国を、正しい方向に作り替えるべきだと、思います」
山本浩之
「ありがとうございました」
◉オリジナルの動画は、次にあります。真ん中でクリックしてください。
【YouTube】青山繁晴のニュースDEズバリ!
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=XCLHGSWPSWI#!