我が国の世界史の教科書のこと

 ようやく、新しい高校世界史の教科書見本が手に入りました。手元にあったのは22・23年度用でした。新しいものというのは、24・25年度用です。いづれも山川出版社のものです。他の教科のものはゴロゴロしているのに歴史は、なぜか少ないのだそうです。その理由はなにかあるのでしょうが、分かりません。
 早速チェックしたいと思っていたところを見てみました。「従軍慰安婦」については、全く記述はありません。さすがに、そのでっち上げの事実が周知の事実となったからだと思えなくもない。
 次に、「南京大虐殺」について、今年度と前年度の2冊を比べてみることにしました。
 
 古い方ではこうなっています。
 「しかし、中国側の抵抗は予想以上に強く、日本軍が南京をはじめ上海・広州など諸都市を占領したが、国民政府はこのあいだに四川省の重慶に移り、アメリカ・イギリス・ソ連の援助を受けて抗戦を続けた。」
 この「南京」のところに脚注印があり、脚注ではこう記述されています。
 「南京占領の時、日本軍は一般市民や捕虜を大量に殺害し(南京虐殺事件)、世界の世論から非難をあびた」
 「南京虐殺事件」を脚注として置いているのは、えらく控えめになっているのだなと感じました。それで24・25年度用を見ると、こうなっていました。
 「37年末までに、日本は華北の要地と南京を占領したが、南京占領の際には多数の中国人を殺害して(南京虐殺事件)、世界世論の非難を浴びた」
 脚注の部分が本文に出て来て変な違和感はなくなっていました。
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