「ピカーッ! と目の前真っ白になって、ドーン!。」
「来たーッ!ミサイルや。」
「そう思たけど、雷やった」
テレビで、コメンテータがそう、本当なのか冗談なのか分からんような話をしました。
Xデーは今日か明日か。などと緊迫したようなニュースが流れ、29日の早朝には、東京の地下鉄全線が約10分間ほど、整備のためと称して、休止したそうです。
このことを、東京新聞がパニックを煽るだけだと批判し、そのことを百田尚樹さんはとんでもないと怒りました。
もしミサイル警報が鳴り響いたら、東京市街地の人は全員地下鉄に駆け込むことになる。そうすると、ホームにあふれた人々は押し出されて、線路に転落する。電車が動いていたら轢かれるではないか。想像力を欠いたバカな記事だというのです。納得できる話です。
かしま(姦)しく、けっこう腹立たしくもある韓国の女性・金慶珠が、日本のマスコミは煽り立てすぎで、韓国ではみんなそんなに心配していない。と例によってまくし立てました。
何を言ってるのか。もともと朝鮮人の内輪揉めではないか。そっち同士で決着しとけばいいものを、日本は飛んだとばっちりではないか。
世界一文化度が高く、世界一聡明で冷静な日本国民は、そんなに慌てていません。先の大震災後の対応を見てもわかります。世界は驚嘆したのです。
確かに今の日本は「平和ボケ」と言えるかもしれないけれど、そんならそっちは「反日ボケ」ではないか。
北朝鮮という国は、ソ連が作った国ですし、韓国は国連が作った国とも言えます。どちらも朝鮮戦争の結果生まれた国です。休戦ラインである38度線で半島を分け合う状態で、その戦争は終わっていないのです。この体制が全く異なる国は、どちらもあまり可能性のない統一を目指しています。
朝鮮戦争は、アメリカ軍と中共軍の代理戦争の形で戦われ、したがって休戦後もそれぞれの後ろには、チャイナとアメリカがいたし、今もいると言えます。
だから現在の危機は、第二次朝鮮戦争勃発の危機ともいえるわけです。
オバマ政権下ではさして危機とは見られなかった北朝鮮問題は、トランプ政権の誕生によって、にわかに大問題となってきました。一つはトランプのチャイナに対する対応であり、二つは北朝鮮の核戦力の増大です。
核を防ぐには核しかありません。つまり打ち込んだらお返しに報復核がやってくる。そうなると、撃てない。これがいわゆる核抑止力という戦略です。
第二次世界大戦の後、再び戦争が起こらないようにしようということで、勝った国・連合国の肝入りで、国際連合が作られました。核ミサイルを保有する大国は、核戦争を防ぐために、安全保障理事会を作り、そして拒否権というものを設定したわけです。
彼らは、自分たち以外の国の核保有を認めない核拡散条約を決めています。しかし考えてみれば、これは実に自分勝手な話ではあります。しかし、冷戦時代から核抑止戦略によって世界は滅亡を免れ、平和は保たれてきたともいえるわけです。
大東亜戦争後に独立した小国は次第に力を持つようになり、軍備を持つようになると、最も安価な核戦力を持ちたくなります。
北朝鮮は国連に加盟しており、200近い加盟国の約3分の2と国交を持っています。北朝鮮はそうした国々に核を売るかもしれず、誠に危険な国といえるわけです。
オバマ政権もそうしたことが分からなかった訳ではないのでしょうが、こんな国がそのまま続くわけはないなどという希望的観測のまま放置したといえるのかもしれません。
しかし、その間に北朝鮮は着々と核とミサイルの開発を進めました。そして今、核弾頭を積んだ長距離弾道ミサイルがアメリカに届くのは時間の問題という状況になったのです。
アメリカとしては、核ミサイルが自国に着弾するなどということを許すわけには行きません。9.11が2度とあってはならないのです。
アメリカというのは、ヨーロッパからやってきたはみ出し者が土着のネイティブインディアンを皆殺しにしながら、東から西に向かって勢力を拡大しつつ国を築いてきた。そういうひどい国とも言えます。
西海岸に達すると、海を渡ってさらに西に向かい、ハワイの王朝を滅ぼします。日本はこれを防ごうとしますが叶いませんでした。さらに西に向かってシンガポールを植民地としました。
中国大陸に進出していた日本と対決し大東亜戦争が起こります。
日本軍は連合国となって立ち向かってきたイギリス、フランス、オランダなど当時の強国の軍隊をいとも簡単に撃破して行くのですが、アメリカには物量戦となって敗北したわけです。
勝ったとはいえ、アメリカ軍の被害も少なくなかった。日本軍の強さを思い知ったアメリカは、日本を2度と戦争のできない国にしようと決意したと思われます。この思いはイギリスやフランスその他の国も同じでした。
だから、欧州の長い戦乱の歴史の反省のもとに作られた戦時戦後の国際法を、アメリカのGHQが無視した占領政策を行うのに異を唱える者はいなかったといえるでしょう。東京極東裁判にしても、インドから参加したパール判事の国際法に則った正当な考えに同意する者は一人もなく、この裁判は報復セレモニーとなりました。
話が少し横道に逸れたかもしれません。戻して、アメリカはそうした国際法を平気で無視する国であるということを知っておく必要があります。
例えば、イラク戦争は、国連の同意なしに行われました。その前の湾岸戦争も、アメリカの誘いに乗って、サダム・フセインがクエートに侵攻したのが始まりです。
イラク戦争は、アメリカ主催のテレビショウのような戦争でした。どうしてそんなことができたのか。圧倒的に戦力が優位だったからです。
オバマ政権下のアメリカは無人機による、まるでテレビゲームのような殺戮を秘密裏にやり続けていました。
そんなことができるなら、北朝鮮を叩くのはいとも簡単ではないのか。ところがそうではないのです。北朝鮮はイラクとは全く異なります。
38度線の南すぐそばに、韓国人口の半分がいるというソウルがあります。38度線の北側には、北朝鮮の大砲列があり、またミサイルが狙いを定めています。通常兵器の報復だけで、韓国は甚大な被害を被るのです。
ミサイルによる被害は、日本にある米軍基地にも及びます。
こうしたことが、アメリカが攻撃に踏み切れなかった理由と思われます。日本の一つの県ぐらいのGDPしかない小国が無二の強大な軍事力を持つアメリカに対抗し続けることができたのは、こうしたことでした。
マスメディアの報道では、よく北朝鮮の挑発ということが言われますが、これは正しくありません。威嚇というべきです。軍事的に強いのはまちがいなくアメリカであり、北朝鮮は必死に威嚇を繰り返していると言えます。
例えば、ようやく終わった米韓軍事演習は2月から2ヶ月に亘って行われており、参加した韓国軍は30万人、米軍は1万人弱、これが続いている中で、北朝鮮はやるならやり返すぞと威嚇し続けていたわけです。
アメリカは、原子力空母を後追いで参加させるというパフォーマンスを行いましたが、これはチャイナに対するものです。
つまり、米韓対チャイナ北朝鮮という朝鮮戦争の図式となっているわけです。とはいえ、あの時は、決死の中共の共産党軍は強力な人海戦術的攻撃を行ったのですが、今回は共産党軍が出張ることはないでしょう。トランプも習近平に因果を含めているはずです。
ともかくパフォーマンスをやっているということは、攻撃の実行はしないということです。
やるときには、できるだけ隠密裏にやろうとするでしょう。
アメリカが、これまで、味方陣営に起こる被害を考えて逡巡している間に、北朝鮮の核ミサイル開発は着々と進みました。
後送りしていると、アメリカに届く核ミサイルは間もなく完成するでしょう。完成したが最後、もう手が出せません。
アメリカが望むのは、核ミサイルを完成させないこと。そのためには、実験を行わせないこと。ともかく親方のチャイナに働きかけてやめさせようとしています。
それと、世界各国に働きかけて、韓国や日本に及んだ被害に対する批判が戦争後に出ないような根回しを始めていると考えられます。そして、被害を最小にするためにはどうするかというシミュレーションを懸命にやっている。
戦争は誰も望みませんから、敵国の人的被害を最小にして、実験設備やミサイル発射台を破壊することが最大の目標でしょう。
金正恩は、どんなことがあっても核開発を止めようとはしないでしょうから、彼を潰すのも大きな目標にはなると思われます。
遅かれ早かれ、アメリカは攻撃を実行すると思います。その時、日本にも被害が出ることを覚悟しないといけないでしょう。