森友文書の書き換え(改ざん)問題

 森友文書改ざんが大問題となって、マスコミはこのこと一色で盛り上がっている感じです。
 この問題はあの悪名高き朝日新聞が報じたので、またやらかしたのかと思っていました。ところがなんと、意外にもいつものような捏造ではなかった。
 ただ普通なら、証拠となるものが示されるのが原則なのにそれがなく、異なった文書の存在を「確認。」という体言止めで終わる記事表現となっていました。
 つまり、森友との地価の決済文書が2通りあるから、原本を見せろということになったのです。

 野党の審議拒否の動きに財務省も公開に踏み切り、ここに書き換え・改ざんが明白となったわけです。
 ところで、朝日はこの情報をどこから入手したのか。それは検察以外には考えられません。しかし、それを明かすことは、検察の誰かを情報漏えいの犯罪に陥れることになるので出来ない。またコピーを取ることさえできなかったから、確認するだけに留まり、「確認」と報じたのだと思われます。

 でも、どうして検察がそんなリークをしたのか。
 自衛隊員の中には、自衛隊を裁判にかけるような反日分子がいたりしますが、検察にそんな輩がいるとは思えません。政権を倒してやろうと考える検察官がいるなどという考えは無理筋だと思えます。
 全くの憶測に過ぎないのですが、この件は起訴されるか不起訴かはわかりません。もし不起訴になり、それに対する抗議で検察審査会などが開かれたりした時、こうした文書を保有しそれを隠していたということになると、これは大問題です。
 それで、いわば保身というか安全策としてリークを行ったという推論が成り立つわけです。

 ところで、安倍さんはこのことを全く知らなかったのか。少しは知っていたのか。そこのところは、わかりません。ただ、朝日が報じた時点でこのことを知った官邸は激しく財務省に開示を迫ったはずです。もともと官邸と財務省は対立関係にあります。
 だいたい財務省は最も偉い省庁で、態度も大きい。戦後ずっとそうです。これには、ただ単に大蔵省ともども金蔵を握っているからということ以外に理由があるのだそうです。
 米軍に占領されていた頃、全ての省が米軍GHQとの接触を嫌がって尻込みする中で、どうしようもなくGHQと対峙したのが大蔵省だった。それがその後の態度の大きさを生んだというのです。

 財務省は、原本に当たる文書を公表しました。
 これは、大変な分量のもので、普通の決済書としては、考えられないものです。この文書をNHKが二つを対照して比べられるような形にして、PDFファイルとして、ネットに載せました。探すのに苦労したので、URLをここに載せておきます。
http://www5.sdp.or.jp/policy/policy/data/180312.pdf

タイトルは「調書」となっている

 ここで注意すべきは、そのタイトルが「調書」となっている点だということです。いわば注釈的な添付文書に相当するもので、もちろんサインも印鑑も必要としないものだそうです。
 そこには実に詳細な交渉の経過が記されており、議員名や安倍首相夫人の記述もある。
 ところが面白いことに、安倍首相の名前が「安部」となっているなどの、公文書としては考えられないような誤りも存在します。そんな程度のものと言えるかもしれない。

 この文書の内容は、普通では考えらえないような詳細な記述となっていて、そのために大部と成っている。その理由はなぜか。問題となった文言、特殊性などを意味する内容を記述した理由は何か。考えられることは、籠池氏から、首相夫人や大物議員の名前を引き合いに出しながらの交渉にさらされ、普通ではない結論に達してしまった言い訳を書く必要があったのではないかということです。
 そうしてプレッシャーの結果であるという言い訳を添付文書に書いておこうとしたのではないかと考えられるのです。

NHKが公表したPDF文書

 ところが、国会での答弁で、この「調書」に書かれた内容のある部分がないという答弁がなされます。この答弁はもちろん答弁書に従っているわけです。この答弁書が調書の内容を知らずに書かれたはずはなく、ここで書き換えに迫られた。一つを書き換えると次々に書き換える必要部分が増えて行き、十数ヶ所に及ぶことになったのでしょう。
 ところが、この調書の原本はすでに国交相や航空局など複数の場所に渡っており、二つの文書が存在することになりました。
 このことについて、質問された財務省は、その原本に当たるものは、作成途中のものであるという説明を行っていたと言います。

 防衛省の日報の問題が起こった時にも思ったのですが、官庁の文書管理のシステムが確立していないということです。
 今回の問題も、もしこれが今日のようなデジタルデータの時代でなく、紙の時代であったら、おそらく起こらなかったのではないだろうか。
 デジタル文書はいとも簡単にコピぺー、挿入、上書きなどが行えます。ファイルをセーブするときは、前の文書を残すために、ファイル名を変えるのが普通で、そうであれば、前の文書は残ることになる。あらゆる文書は、記録として残すべきだという反面、決定文書はあくまで一つでないといけない。
 セキュリティにも関係しますが、こうした文書管理をおこなう専門の担当官を、アメリカのように置く必要があるのではないか。以前からそう思っていました。

 さて、この問題の決着はどうなるのか。この難局の時代に安倍政権が揺らぐようなことがあってはいけません。地球を覆うこの不安定さを和らげるのに大きな力を発揮できると思える政治家は安倍さんをおいて他にはない。そんな気がするからなのです。
 それにしても、安倍さんの「関与があれば辞職する」という発言は、誠に残念でした。そんなこと言うべきではなかったと思います。
 財務省の職員が、国会答弁書を作る時に、この発言が頭に浮かんだら、あのような答弁しか書けなかっただろうし、そう書いたら、もう改ざんするしかなかった。

 おそらく、国民世論は、困った野党の声に煽られて、高まりこそすれ、収束してゆくことはないと思われます。
 麻生財務大臣の辞任は大いにありうると考えられます。これは残念な気もしますが、あながち悪くもない。財務省が少ししょぼくれて、増税が沙汰止みになったら大いに朗報と言えます。
 また、ちょっと無理かもしれないが、財務省が解体され歳入庁にでもなったら、大いに結構なことではないか、とも思うのです。 

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