「いじめ自殺」事件に思う

またしても、「いじめ」事件が起こり、メディアが騒いでいます。
「いじめ」はあったのか。
アンケート調査を行って調査中。
事実を隠蔽しているではないか。
事実がハッキリしない、水掛け論。
学校、教育委員会を追求。
「いじめ」を無くすにはどうするか。
などという議論が繰り返されますが、「いじめ」はなくなりません。「いじめ」が根絶できると思っている人はほぼ皆無だと思うのですが、もしいたとしたら、その人は戦争はなくなると信じているようなお花畑論者に似ているでしょう。

いじめは根絶できないにしても、減らさないといけない。努力しないといけない。実に各種各様の対策が示され続けてきました。人権教育を徹底しないといけない、などなど。人権教育でいじめがなくなるとは思えないのですが・・・。
担任教師、校長、教育委員会、教育長が攻撃の対象というより別のいじめの対象になるかのようです。
不思議なことに親が批判されることはあまりないようです。
こうしたいじめともいうべき追求によって、校長が相次いで自殺するということも起こっています。
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日本を囲む海外の「戦後レジューム」

竹田恒泰氏が、その著書『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』の冒頭で、2006年(平成18年)に英国のBBC放送が行った世論調査の結果を紹介しておられます。
これは、世界の33ヶ国で約4万人を対象に行われました。その結果、「世界によい影響を与えている国」として、最も高く評価されたのは日本でした。この調査では、33ヶ国中31の国で日本の影響力について、肯定が否定を上回り、うち20ヶ国で肯定が50%を上回った。最高は、インドネシアの85%次いでフィリピンの79%でした。このことは心に留めておかないといけないでしょう。また否定が肯定を上回ったのは、2ヶ国だけで、それはいわずと知れた中国と韓国でした。これは容易に納得できます。
しかし、そんなに沢山の国が日本を評価してくれているというのは、悪い気持ちはしないものの少々意外な気もします。
やはり同じ調査で、「自国の影響力についての自己評価」というのがあります。
肯定する、つまり自分の国が影響力があると考える国民のパーセンテージです。最も高いのは、ブラジルの84%でした。2位は中国、以下ドイツ、ロシア、韓国(76%)と続きます。それで日本はというと、なんと最下位から2番目の43%なのです。
他が評価しているのに自分は駄目だと思っている。それは日本的奥ゆかしさの問題ではないかなどという人もいるかもしれませんが、そんな話ではあり得ない。その理由はなんなのか。日本人はよく考えないといけないと思います。
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「カイロ宣言」について

鳩山さんが香港のテレビの取材で、尖閣列島についてとんでもない発言をして、それがニュースとなっているようです。「中国側から日本が盗んだと思われても仕方がない」というもので、元首相ともあろうものがという驚きを普通の人なら持って当然だと思われます。
この発言について記者から質問されて、鳩山さんは「ボツダム宣言に書いてあるでしょ」といい、さらに官房長官の発言については「もっと勉強してくださいということです」と捨て台詞みたいな言葉を吐きました。
おっととう。この台詞聞いたことがあります。
大分前、「朝生」で孫崎元外務官僚が、「カイロ宣言があるんです」と上から目線の賢しら口でいい、「もっと勉強してください」といいました。
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慰安婦問題決議への憂慮(西尾幹二氏の陳述・撤回要求)

西尾幹二 2013年4月4日、西尾幹二氏は外国人記者クラブで「米議会・慰安婦問題決議への憂慮」と題して、意見陳述を行い、米議会決議の撤回を要請した。
 では、この慰安婦決議とはどんなものであるのか。
 それはまさに、驚天動地ともいうべきものです。驚きました。冒頭の過激な表現から始まり、教科書での隠蔽告発などに及ぶけっこう長いものです。明らかに韓国の工作に依るものであることが見て取れます。
 この決議文、最初の部分だけをここに原文とともに挙げておきます。
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121号決議 アメリカ下院  2007年7月30日
日本政府による軍隊向強制売春である「慰安婦」システムは、その残忍さと規模において前例を見ることのない、結果に於いて四肢切断、死亡または自殺まで引き起こした強姦、強制中絶、侮辱のシステムであり、20世紀における最大の人身売買事例の一つである。
 Whereas the “comfort women” system of forced military prostitution by the Government of Japan, considered unprecedented in its cruelty and magnitude, included gang rape, forced abortions, humiliation, and sexual violence resulting in mutilation, death, or eventual suicide in one of the largest cases of human trafficking in the 20th century;
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 これは、以前のものですが、今回のものは、この”Comfort women”の部分が”Sex slave”に変わっていると思われます。
 こういうことに対して、静観するというのは、決していい結果を招いてこなかったことは、すでに歴史の事実となっています。従って、西尾幹二氏の撤回要求はやらねばならぬことだと思います。
 日本の政府・官僚が、今となっては詮無いことではあるが、当初からこのような心根で、かくなる大和心を持って対応しておれば、「慰安婦問題」などという気味悪いことは出来上がらなかったと思われる。
 Youtubeの動画は、通訳の英語が含まれているので、とりあえずテキスト落しを行った。(いずれ、英語通訳分を取り除いたものをアップの予定)
 まったく納得のゆく、周辺とか近隣国とかいわれる中華人民共和国や韓国関連のコメントとしては珍しくすっきりとしたもので、感激しました。通訳分も英文に落として世界中に拡散させる必要があると思うのです。
 相次ぐ、アメリカでの議会での謝罪要求決議は、韓国の情報戦の結果と思われます。この数年で、近隣諸国条項の効果も薄れ、教科書からも「従軍慰安婦」が消えて行く中、韓国は従軍慰安婦を「セックス・スレーブ」と言い換えて、言い立てる新しい戦略をとったと考えられます。
 セックス・スレーブとはひどい。日本は極悪人となります。慰安婦はビジネスですが、スレーブは奴隷ですから、アメリカ人には強烈に響くでしょう。
 しかしこれは、アメリカに限ったことではなく、驚いたことに、日本でも同じことが起こっています。京都府議会が、「従軍慰安婦への謝罪要求」を決議し、安倍政府に提出しようとしていて、「頑張れ!日本・京都支部」が、反対運動をしています。
 聞いてみると、なんと提案者は公明党でした。なんと、やはり公明党はサナダムシ政党だったようです。
 前置きはこれぐらいにして、西尾幹二先生の陳述本文にいきましょう。
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我が国の世界史の教科書のこと

 ようやく、新しい高校世界史の教科書見本が手に入りました。手元にあったのは22・23年度用でした。新しいものというのは、24・25年度用です。いづれも山川出版社のものです。他の教科のものはゴロゴロしているのに歴史は、なぜか少ないのだそうです。その理由はなにかあるのでしょうが、分かりません。
 早速チェックしたいと思っていたところを見てみました。「従軍慰安婦」については、全く記述はありません。さすがに、そのでっち上げの事実が周知の事実となったからだと思えなくもない。
 次に、「南京大虐殺」について、今年度と前年度の2冊を比べてみることにしました。
 
 古い方ではこうなっています。
 「しかし、中国側の抵抗は予想以上に強く、日本軍が南京をはじめ上海・広州など諸都市を占領したが、国民政府はこのあいだに四川省の重慶に移り、アメリカ・イギリス・ソ連の援助を受けて抗戦を続けた。」
 この「南京」のところに脚注印があり、脚注ではこう記述されています。
 「南京占領の時、日本軍は一般市民や捕虜を大量に殺害し(南京虐殺事件)、世界の世論から非難をあびた」
 「南京虐殺事件」を脚注として置いているのは、えらく控えめになっているのだなと感じました。それで24・25年度用を見ると、こうなっていました。
 「37年末までに、日本は華北の要地と南京を占領したが、南京占領の際には多数の中国人を殺害して(南京虐殺事件)、世界世論の非難を浴びた」
 脚注の部分が本文に出て来て変な違和感はなくなっていました。
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日本国憲法、つれづれなる雑記

 最近のマスコミは憲法に関する話が多くなっているようです。そして、どこでもまるで判でも押したように同じ内容の話が流れています。
 96条つまり2/3を1/2にして改正のハードルを下げるのは危険だ。安倍総理が目指しているのは9条の改正だ。だから9条を議論する必要があるのに、それが不十分のまま96条を取り上げるべきでない。
 だったらどうして、9条を議論のテーマにして、突っ込んだ議論をしようとしないのでしょうか。全く不思議です。
 
 もう一つのどこもかしこもの言い草は、「憲法は国民が政府を縛るものなのに、自民党の案は政府が国民を縛るものになっている」というもの。
 たしかに、むやみに縛ってもらっては困ります。人権や自由は保障されるべきです。現行憲法にははっきりそう唱ってある。
 では、自民党案ではどうなのか。それで調べてみました。PDFで書いた対照表がありました。少なからず、がっかりしました。現行憲法の僅かな手直しに過ぎない。もうちょっとましなものが創れなかったのか。そう思いました。まあ、現行憲法をあがめ奉っている人にも忖度して、字面いじりに止めたのかもしれませんが。

 マスコミがどう表現しようと、コメンテーターが現行憲法の成り立ちに関して、どう独断的で間違った(とぼくが思う)意見を述べようと、それはすべて護憲につながる文脈に向かって行くことになるのは間違いありません。それなら、はっきりと今のままでいいと言い切ればいいではないか。なんだかんだと、持って回り、充分な議論が必要ですなどと結論づける。議論がひつようなら議論の素材を並べなさい。そうもしないで、何をぶつぶつ言ってるのか。ほんとにイライラして来ます。
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朝生とサナダムシ

朝生 連休前に録画してあった「朝まで生テレビ」を見た。
 朝生は「ネット世代が日本を変える」と銘打ったもので、正直いって少々は期待していた。しかし、いつのもことながらイライラムカムカがつのり、気分が悪くなった。
 集められた人たちは、当然ネットに深くかかわる若者だった。
 田原総一朗は例によって、変にへりくだった態度で「若い人たちにインタビューするつもり」との前口上でスタートした。

 冒頭に指名された駒沢弘樹というスピーカーは、こんな意見を述べた。
 「自分たちは戦争も知らないし安保闘争も知らない世代だ。これまでの日本は、政治集団の非難の応酬の中で推移して来た。いまは、批判はもういいから自分たちで解決策を作って行こうよという世代で、それが自分たちに課せられた課題だと思っている」
 これは、面白い始まりだと思った。
 すると、すかさず田原氏がこう割って入った。
 「みなさん、DISって知ってる」
 何いってるんだ。こんな風に話題の腰を折らなければ、話は深まって行く筈なのにと思った。
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福澤諭吉『脱亜論』大いに首肯すべし

「たけしのTVタックル」を見ました。中国人・韓国人がそれぞれグループを作り、日本人グループとの3グループで議論するという趣向です。
 この番組は、いつものことなのですが、議論ではなく、喚きあいの態で、ほんとにイライラしてしまいました。
 見ていて、いつか読んだジョークを思い出しました。

 神様が、日本の国を作りながら言います。
「ここは、緑多く水清く、美しい島にして、礼儀だだしくて温厚善良な人々を住まわせよう」
 すると、そばにいたお付きの人が言います。
 「神様、それはあんまり恵まれ過ぎてはいませんか」
 神様が答えました。
 「いや大丈夫じゃ。そばに支那と朝鮮を置くことにするから」
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TPPの深層

 TPPはTrans Pacific Partnershipの頭文字を取ったものであることは誰でも知っている。
 日本語では、環太平洋パートナーシップ協定、環太平洋経済連携協定、環太平洋経済協定などと訳されているが、transには環という意味はない。環太平洋なら、Circum-PacificあるいはPacifice-rimだろう。

CisTrans1CisTrans2 transといえば、化学が専門のぼくは、シストランス異性体という術語が思い浮かぶ。分子量は等しいが性質が異なるという異性体のうち、原子の位置が異なるシス型(cis-)とトランス型(trans-)位置異性体である。
 つまり、これは環太平洋と名付け、いかにも多国間協定然とした命名がされているものの、原語の意味する所は日本とアメリカという太平洋を挟んだ二国間を意図した協定なのであって、そこに米国の意図が見えるのではなかろうか。

 アメリカは、これまで2度に渉ってグローバリズムを唱え進めたが、いずれも失敗した。最初はIT革命と称してドルの還流を計った。次は住宅バブルを起こしたが、サブプライムローンのまやかしの露呈におわった。景気回復を意図して、金融緩和と財政出動を繰り返したが経済は好転しなかった。
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眉に唾つけて聞く話

 ここしばらくの間、といっても、それは年単位の話なのかもしれないのですが、いわゆる眉唾の話が多すぎるような気がします。
 だから、この「眉に唾つけて聞く話」はシリーズ化できると思うほどです。 
 「日本の公務員数は多すぎる」という話を聞くことがあります。しかしこれは「眉唾」というより大嘘です。下の図を見てください。
世界で最も少ないんです。だから専門家と言われる人は、根拠と数値を挙げて言わないといけないと思います。ぼくたちは、データから語らない似非専門家やバカなコメンテータを信じてはいけないのです。まづは、眉につばをつけてから聞くことにしましょう。
 ある肩書きの人が、データを調べもせずに気分で言ったことがそのまま繰り返され、やがて固定化され、そして常識みたいになります。

OECD諸国の公務員割合

OECD諸国の公務員割合

「日本は借金大国」これもよく聞く話でした。だからそのうちギリシャのようになる。何度も聞いたか分かりません。まあ、ギリシャになるというのを信じる人はないとしても「借金大国」、つけを子孫に残してはいけないと思う人は多いんではないでしょうか。
 日本の国はお金を借りている。だから国民一人当たりの借金は一千万円以上になる。誰でも驚きます。
 でも、でも自分は一体誰からお金を借りているのですか? 借金大国と言い募っているコメンテーターに、そう聞いたらどう答えるのでしょうか? 多分直ぐには答えられない。そして、外国からと答えるかもしれません。違います。外国にお金を貸しているかもしれませんが、借りてはいません。
 日本の国がお金を借りているのは、国民からです。つまり国民がお金を貸しているのです。だから、一人一千万以上の借金を抱えていて、それを子孫に残してはならないなどと言うのは、間違っている訳です。こちらは、金を貸している方です。借金などしていない。
 債権者を負債者と言いくるめるこの言い方が横行するのがどうしてなのかは、ぼくには分かりません。でも、世界一の金持ち国と言われる日本人が借金浸けになっているなどというのは、理屈に合わないと思うだけです。
 こんなことを言い続けられている国民が、お金を使う気になる訳がない。デフレは進行する、ということになります。そうやって何十年も過ぎたのでしょう。
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