新しい歴史教科書(承前)

 前稿の「新しい歴史教科書が出た!」では、「第3章 近世の日本、安土桃山・江戸時代」までを読み進み、注目した記述を拾い上げました。
 同じような調子で進むと、それは大変な量になりそうなので、ほんの一部だけをピックアップしながら進むことにします。

地球を二分割しようとしたポルトガルとスペイン

地球を二分割しようとしたポルトガルとスペイン

 第3章の「近世の日本」の冒頭に記されているのは、ヨーロッパ人の世界進出という項目です。ポルトガルとスペインは新航路を開き大航海時代が始まります。コロンブスが間違って西インド諸島に到達し、アメリカの先住民をインディアンという的外れの名前で呼んだ2年後の1494年、ローマ教皇は大西洋を東西に分け、東半球で発見されるものはすべてポルトガル王に属し、西半球で発見されるものはすべてスペイン王に属すると取り決めた。これをトルデシリャス条約という。
 この記述に関して激しくいちゃもんをつける人たちがいるようです。確かにこれはキリスト教を武器に世界の植民地化を策した白人たちの目論見の嚆矢と言わんばかりだというような批判なのです。ぼくが思うには、その後の歴史の流れを見れば、白人たちが虐殺を繰り返しつつ世界を植民地化していったのはマギれもない事実なのですから、細かくあげつらうこともないと思うのです。
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ケント・ギルバート氏の愉快な喩え

 今度出た「新しい歴史教科書」の帯には、<虚構の南京事件を載せず、実在した通州事件を書いた初めての教科書誕生!>と大書きされています。
 この南京事件あるいは「南京大虐殺」と呼ばれる事件は、当時の南京市民の人口を上回る20万人とも40万人とも言われる虐殺事件とされ、そのでっち上げは東京裁判のひどいでっち上げの結果生まれたものでした。一説によるとこの数字は原爆による広島・長崎の市民虐殺の数と合わせたものだとも言われています。
 しかし、不思議なことに韓国の慰安婦問題などと異なり、中国はこの事件についてさほど喧伝しませんでした。それを行ったのは日本の朝日新聞の本多勝一という人です。日本には、自分の国のことを世界に先駆けて悪く言うことに喜びを感じるような不可思議な人がたくさんいるようなのです。
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