ラトック1峰遠征を終って 高田直樹
成功したにしろ、失敗したにしろ、遠征隊に関ずる分析は、
すべて結果論である。ぼくはそう思っています。だから、いか
にも科学的な装いで行われる因果関係の分析は、時に、実に馬
鹿げた結論を引きだすことがあります。
というようなことを充分承知したうえで、なおかつ、ラトッ
ク1峰隊の分析を試みたいと思うのは、一つには、今の山の世
界で、行ってきました、登れました、では何とも芸のない話で
あると考えること。また、テクニカルなデータを披露してもあ
んまり意味はないし、第一、ぼく自身、むろんベースのお守り
をしていたのではないにせよ、頂上に立ってはいない以上、そ
れはぼくの任ではないと思うのです。
続きを読む
「ラトック1遠征を終わって」(1/3)
返信