PCR法と電気泳動法について(それに繋がる回想)

 コロナウィルスの検出方法として、PCR法はよく知られています。極超微細なウィルスを倍々とその数を数億倍にします。そうしないと見ることができないからです。
 ではどのようにして見るのでしょうか。調べてみると、電気泳動法を使うことを知りました。
 電気泳動法というのは、ゲル(例えば寒天)の中を試料を移動させて、分離観測する方法です。単純な例で説明してみましょう。長方形の箱の一端に、小さな棒状の板を立て寒天を流し込んだのち、このこの板を引き抜くと、一端に穴の空いた寒天ができます。この穴に資料を入れ、両端を電極につなぎます。
 コロナウィルスはマイナスに帯電しているので、反対側をプラス極にすると、そちらに引っ張られ、移動してゆきます。この時、その大きさや形状によって、動きの速さが異なるので、各成分ごとに分離し帯状に別れる訳です。その位置によって判定をおこないます。
 その原理は、ぼくはよく竹藪の駆けっこと言っていました。太っちょはどうしても遅くなります。ぼくの大学の卒論のテーマは脂肪酸の簡易ペーパークロマトグラフィーでした。
 電気泳動の原理もペーパークロマトグラフィーと同じです。当時は最先端であったペーパークロマトグラフィーは、その後、濾紙の代わりにガラス板にシリカゲルを塗った薄層クロマトグラフィー、円筒菅にシリカゲルを詰めたカラムクロマトグラフィーと進化してゆきました。
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