「ラクダガ イッピキ タッテマス」

ラクダガ イッピキ タッテマス。

トオイ オソラヲ ミテイマス。

ウマレタ オクニガ コイシイカ。

ソレトモ オナカガ スイタノカ。

これは、子供の頃読んでいた絵本の一節です。
最近、突然、なんの脈絡もなくこんな具合にある文章が頭に浮かんでくることがよくあるようになりました。
絵本が大好きだったので、亀岡近くの女学校の先生をしていたマサコおばさんは、家に帰ってくるたびに本を買ってきてくれました。買えなかった時にそっとすでにある本を渡して誤魔化そうとしても、ぼくはすぐに気づいてしまったそうです。たくさんある本のほとんど全てを誦じられるくらいにぼく何度も読み返していたのです。孤独なぼくにとって、絵本は唯一無二の友達みたいなものでした。

小学校に入り、祖父母の元を離れてからも、夏休みで田舎に帰ると土蔵の二階に篭りきりで、父や叔父の少年雑誌、冒険小説などに熱中していました。蔵には叔母たちの雑誌『家の光』や『お産全科』などというもあり、少年の好奇心を満たしてくれたのでした。
そんなわけで、ぼくの女性の身体に関する知識はかなり豊富で、中学ではなにか分からないことがあったりすると、「タカダに聞こう」ということになっていたようでした。

こうしたぼくの読書体験は、ぼくを漢字に強くしたようです。その頃の本は漢字が多用されていましたが、それはみなルビが振ってありました。漢字はぼくにとって親しいものとなりました。高校での漢文は得意な科目でした。かなりなおじいさんの漢文の先生は、テストを得点順に返すのが習慣でした。ぼくはいつも最初に呼ばれていたのですが、ある時、なかなか呼ばれないので、どうしてかなと思っていると、先生は「今日は悪い順に返してます」といい、ぼくは最後でした。

どんな時でも、とにかく本を携えてないとなんか落ち着かない。そんな感じのぼくだったのですが、最近どうやら様子が変わってきたようなんです。本を読むのがなんだか面倒くさくなってきたのです。
間違いなくこれは老化現象です。歳をとってきたのだから致し方ない。そう思っています。「ラクダガ イッピキ タッテマス」から、話はこんなところに至ったのですが、億劫でも『葉巻のけむり』は書き続けないといけないと思うので、突然頭に浮かんだことなどをきっかけに書き続けようと思っています。

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