「ラトック1遠征を終わって」(2/3)

2、母性原理と父性原理
 唐突なタイトルで恐縮ですが、この二つの対立概念は、遠征
期問中に、ぼくの頭に漠然大洋かび、帰国後しばらくして、か
かり明確になったものです。
 明察な諸氏は、すでにご承知と思いますが、母性原理とは、
没契約的、包容的、許容的か母の愛の様々考え方であり、父性
原理は、反対に、契約的、区別的、競争的、価値判断的な切り
捨て原理といえます。
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「ラトック1遠征を終わって」(1/3)

ラトック1峰遠征を終って  高田直樹
 成功したにしろ、失敗したにしろ、遠征隊に関ずる分析は、
すべて結果論である。ぼくはそう思っています。だから、いか
にも科学的な装いで行われる因果関係の分析は、時に、実に馬
鹿げた結論を引きだすことがあります。
 というようなことを充分承知したうえで、なおかつ、ラトッ
ク1峰隊の分析を試みたいと思うのは、一つには、今の山の世
界で、行ってきました、登れました、では何とも芸のない話で
あると考えること。また、テクニカルなデータを披露してもあ
んまり意味はないし、第一、ぼく自身、むろんベースのお守り
をしていたのではないにせよ、頂上に立ってはいない以上、そ
れはぼくの任ではないと思うのです。
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39年前に『山岳』に載せた遠征報告

 39年ぶりにラトック1峰が登られたことを知った。それで、1979年にラトック1に成功して帰国後、確か1年後だったと思うのだが、日本山岳会の会報・『山岳』に報告を書いたことがあったことを思い出した。

300ページの大冊『山岳LXXV』 山岳75年

 書架を探して見つけた『山岳第七十五年』には、確かに「ラトック1遠征を終えて」というぼくの稿が載っていた。
 その分厚い会報を開きながら、ぼくはあの頃のことを思い出していた。
 正直いって、あの頃、この遠征の成功を素直には喜べず、なぜか他人事のように見ようと努めていたようだった。
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「元徴用工(?)判決」で思い出したこと

 最近、お隣りの韓国で、最高裁が元徴用工の損害賠償を認めるという判決を行った。これは国際協定を無視した非常識極まりないもので、いわゆる「元徴用工判決」と呼ばれ話題となっている。
 そもそも、この「徴用工」という呼び方にも問題がある。安倍首相も国会で答弁した通り、この人たちは自ら応募してきた人たちであり、正確には「戦時労働者」と呼ぶべきだ。同じような例として、いわゆる従軍慰安婦があり、これは戦時売春婦が正しく、最初からそう呼ぶべきだったと思われる。こうした呼び方を考えたのは、日本人だったからどうしようもない。さらに、「Sex Slave」を世界に広めたのは日本弁護士会の弁護士だった。彼は国連で何年にもわたって刷り物を配布し続け、慰安婦が「Sex Slave」だというでっち上げを定着させた。
 今に始まった事ではないが、特に最近の韓国の日本国に対する対応には、目にあまるものがある。
 福沢諭吉が『脱亜論』で述べたごとく、「大陸と半島の二国に対しては、ただ隣国だからという理由だけで特別な感情を持って接してはならない」と、つくづく思う。
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39年振りのラトック1登頂

 ラトック1の登頂が成功した。
 そのことを知ったのは、東京の牡蠣専門のレストランで、だった。

山の専門誌『岩と雪』が廃刊となった後は、『Rock & Snow』が後を継いだことになった。

 数年前『なんで山登るねん』が山渓文庫として再版された時の担当者で、いつも東京でぼくの世話を焼いてくれる米山くんが連れてきた、『Rock & Snow』の初めての女編集長になったばかりという大畑女史は、開口一番「ラトックが登られましたよ」と言った。彼女とは、昔から山渓編集部にいて、顔見知りだった。
 ラトック1登頂成功を聞いて、ぼくはなんだかホッとした。
 いつまでたっても第二登が成功しないことが、登頂後20年を超えた頃から次第に気になりだしていたのだ。来年で、初登以来40年を数える。
 来年には、登頂40周年になるから、それを記念してパキスタンに行きましょうという友人も現れた。来年末には、一緒に行こうというパキスタン・ツアーへの参加希望者が10人も集まったという。
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リモネットの特別メニュー

 一行4名がリモネットに着いたのは、夜半を過ぎた頃でした。
 管理人のジャコミーナに頼んでおいたので、薪は用意されていましたが、ストーブは煙るばかりで全く燃える気配なく、全員燻されて、まるで燻製状態で、全部の窓を開け放たざるをえず、寒さに震え上がる始末でした。
 一応お腹は大丈夫だったとはいえ、ニースからの夜中に開いている道中のお店もなく、何も食べずにここまでやってきたわけです。この寒さの中で、震えながら空腹を抱えて朝まで耐えるのは無理と思われました。
 そういうこともあるかと、買ってきたマツモトの鯖寿司2巻と成田空港で仕入れた細巻き寿司でお腹を満たしたのでした。
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2年ぶりのイタリアとエア・フランスの特別メニュー

 2年ぶりにイタリアに来ています。
 ピエモンテ州のリモネットは、山は紅葉に彩られて秋なのですが、寒さは冬の感じで、暖房がないと身震いするほどの寒さです。
 エールフランスで、シャルル・ドゴール空港経由でニースに着きました。
 機内食で、オーダーすると有償で特別メニューがあるというので、どんなものかとネットで注文しておきました。席もネット予約で、脚が十二分に伸ばせるエマージェンシー・ドアサイド席を取ることができました。緊急時にスタッフに協力するために英語が話せるかの確認を取られます。
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旧いドラマや映画を愉しむ日々

スターリング、ビック・モロウ!

 最近CSFoxのテレビで「コンバット!」という旧いドラマをやっていたので録画することにした。
 コンバットといえば、ぼくが大学生のころ楽しみに見ていたもので、この旧い白黒映像を見るとなんかタイムスリップしたような気分になった。出だしのテーマ音楽や「コンバット」というナレーションも懐かしかった。
 「コンバット!」は、調べてみると、1962年から67年まで放映されたアメリカのテレビドラマで、152話までのシリーズだったようだ。
当時はカラーテレビが出回り始めたころで、録画するなどということは考えも及ばないことだった。
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<葉巻のけむり>にアフィリエイト広告を入れる

 ブログに広告を出しませんかという趣旨のお誘いみたいなものが何度か来た。
 調べてみると、これはいわゆるアフィリエイト広告というものを意味しているらしかった。
 アフィリエイトとは成果報酬型の広告を意味している。つまり、それによって報酬を得ることができるというものらしい。聞くところによると、今はやりのブロガーなる人たちは結構な収入を得ているという。
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縄文あれこれ 三内丸山の丸柱

 先の稿でも書いたように、三内丸山遺跡の発掘は多くの点において、縄文文化に対する認識の変更を迫るものだったと言えます。そして、世界の古代史において、縄文文明と呼んでも良いものであると思わせるものでした。
 地面に径2mの穴が6つ掘られていて、そこには径1mの栗の丸柱が立っていたことは、大きな驚きでした。
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