世界的なニュースとなった天安門での車両の突入と炎上の事件は、ウイグル族によるテロ事件との発表が、事件発生から2日経ってようやく中国政府に依って行われました。
これが、ウイグル人によるものであることは充分に予想できるものでしたし、最初からぼくはそう思っていました。
1979年のコングール峰登山を最初として、その後何度も新疆省へ出かけているぼくにとって、それは全く納得のゆく出来事といえました。
続きを読む
「つれづれ」カテゴリーアーカイブ
日本は「醜いアヒルの子」だった〜昨今気になる用語のことなど〜
前稿で、国際連合憲章の誤訳ともいえる件について書きました。国際語としての英語を日本語に変える際の意味のずれや不一致はどうやら必然的に起こるらしい。これは日本語の持つ柔軟性という長所が仇となっているともいえるようです。
明治期の日本国においては、数万語の英語やフランス語から和製漢語の創作が行われました。これを可能にしたのは、多くに日本人が欧米に留学し、その言語の本質的な意味を理解することができたということと、その意味を漢字を使って表現できるだけの漢学の素養があったことでした。
日清戦争の後大量に渡来したチャイニーズたちがこれを持ち帰った結果、現在の中国で用いられている熟語の7割がこの和製漢語であるというびっくりするような事実は、先の稿で述べた通りです。
続きを読む
山中峯太郎『敵中横断三百里』が届いた
アマゾンに頼んでいた古本の『敵中横断三百里』が届いた。
奥付を見ると、この講談社の出している少年倶楽部文庫の一冊であることが分かった。
少年倶楽部文庫は1970年に文庫本の復刻版として講談社から出版されており、第1期として20冊がリストされている。その中には、懐かしい『ああ玉杯に花うけて』や『少年探偵団』もあった。この巻末リストの冒頭には次のような紹介文がある。
<雑誌『少年倶楽部』に掲載され、多くの人を魅了した名作傑作の数々を選び集めて、あの感激と楽しさを新たに送るユニークな文庫>と。
この復刻版の少年倶楽部文庫4の『敵中横断三百里』の3刷りは、昭和50年10月28日出版なのだが、初版はなんと12日前の28日なのである。
どれだけ売れたかは分からなかったが、大変人気が出た復刻版だったようである。昭和50年といえば1975年である。
続きを読む
TBSテレビドラマ『The Partner』を見る
先日、9月の末の日曜日のTBSのテレビドラマ『The Partner』を見ました。
「パートナー 〜愛しき百年のともへ〜」というもので、日本・ベトナム国交樹立40周年スペシャルドラマと銘打たれたものでした。
特に注目したものでもなく、何気に録画してあったのを見たのですが、けっこう感動したのです。それでネットで調べて、かなり大仕掛けなものであることを知った次第でした。
続きを読む
中国語の二字熟語の7割は日本渡来
敗戦後、国学が禁止されたことやおもにNHKの宣伝もあって、中国に関しておおいに誤った認識が日本人に植え付けられました。
いわゆる「中国4千年の歴史」とかいう言い草の類いです。ほとんどの日本人は中国はそれほど古い国だと思っています。しかし、中国はずっと「国」ではなかったし、いまもまともな国ではない。
しかしいまのいわゆる中国が、国として成立してくるのは、日清戦争に始まり、毛沢東が1949年、天安門広場で中華人民共和国の建国を宣言した時からといっていい。
それまでは、王朝が次々と勃興と滅亡を何の連続性もなく繰り返していただけです。いわゆる中国には土地はあっても国はなく、主に北方から色々の民族が入り込んできては王朝を滅ぼし新しい王朝をつくる。これを繰り返していただけといえるのです。
続きを読む
日本人があまり知らない事実、しかし知らねばならぬ真実
近頃本当につくづくそう思うのですが、ぼくたちは本当のことを知らなさすぎるのではないか。ぼく自身つい最近まで知らなかったことが多すぎるのです。だからここで、そうしたことがらをを順に書き連ね、若干の説明を加えたいと思い立ったわけです。
●靖国神社って誰のものでしょうか?
国のものではないはずです。戦後、政教分離が決まりましたから。では軍人遺族のもの? 神社本庁のもの? いや靖国神社は神社本庁に属していません。
歴史を考える必要がありそうです。
靖国神社は明治2年、明治天皇によって建てられました。日本が明治維新の動乱の中で亡くなった多くの人の御霊を祀るために作られました。
続きを読む
天下無双の俗物でありながら「知の巨人」と称される立花隆(承前)
人間顔かたちは親から頂いたものですから、それの善し悪しは本人の責任ではない。しかし、50あるいは60を越えた年になるともうそんなことはいっておられません。年を重ねるうちにその考え方や性格が顔に表れるようになって来るのかもしれません。「名は体を表す」ではなく「顔は体を表す」ということになる。
そういった顔かたちだけではなく、しゃべり方や身振り手振りそして表情の変化などが、色々な情報を与えていることになります。
先頃CSで放映されていた連続ドラマ「Lie to me(ライ・トゥ・ミー)嘘の瞬間」は、精神行動分析学者であるカル・ライトマンが、「微表情」と呼ばれる一瞬の表情や仕草から嘘を見破ることで、犯罪捜査をはじめとするトラブル解決の手助けをする姿を描くものでした。
私たちは、ライトマンのような学者ではないし、そんな分析力もありません。しかし、そのつもりで集中力をもってその画面を追い観察力を持続すれば、言いよどみ、抑揚、表情、身振り、手振りなどから、なんとなく感じることが出来るのではないかと思います。
時として、なんとも説明がつかないけれど、でもなにか臭(匂)うとか、そんなことがあると思うのです。
あの田母神さんは、講演で、誰かとすれ違っただけで、その人が「サヨク」かどうか分かる。どう分かるのかというと、そういう人の姿勢をよく見ると、みんな少しだけ左に傾いているんです。そういって笑いを取っています。
続きを読む
NHKスペシャル『JAPANデビュー』の「天皇と憲法」とリベラル派学者
近年になって、徐々に高まりつつあった嫌韓の波が、どんどん高まっているように思えます。それがサッカー場での出来事であるうちは、まだまだそんなこともあるだろうと納得しうる範囲でした。ところが、こんどのオリンピックの開催地決定に関しての妨害行動ともいえる韓国政府の動きに至っては、もう理解を超えていると感じざるを得ないものだった。
同じような例として、あの盗難仏像に関する韓国司法の判断があり、国際法を無視した在韓企業への賠償要求があったりします。
最近では、戦前の東京大震災時の朝鮮人虐殺に関して、南京虐殺事件に似たフレームアップの歪曲宣伝が始まったようです。さすがにこれにはNHKも丸乗りするような状況にはないようです。
ところで、オリンピック開催地の投票結果に関しては、興味ある事実が生まれました。「早とちりの心理学」ともいうべきもので、人は自分が願っているように早とちりするということです。中国国営テレビや新華社や日本の池上彰さんその他が日本が落ちたと大喜びで報じ、後で慌てたという面白い事実が生まれたわけです。
続きを読む
コンビニで妖怪本を買う
先日、京都烏丸通を歩いていて、小用を足したくなりコンビニに入った。
出がけにちらりと本棚を見ると、『日本の妖怪』という書名が目に飛び込んだ。よく見ると、その横には、同じ体裁で『哲学がわかる本』というのが並んでいる。
これはなんとも面白い。おおいに興味がわいた。「これを読めば“真理”がわかる!?」という副題がついた哲学の概説書が並んでいるのも、この取り合わせがおおいに面白いと思えたのだ。パラパラとページを繰ってみた。
『日本の妖怪』は妖怪の図録と解説であり、『哲学がわかる本』は、歴史上の哲学者の一覧と解説である。これはまるで、江戸時代の状況ではないか。
続きを読む
出てきた昔のエッセイ「百名山ブーム」
涼しくなってきたので、ようやく書架の整理を始めた。
なけなしの退職金を投じて建て増しした書庫棟は三方が高天井までの書架になっていて、ぎっしりと本が詰まっている。しかしそのほとんどが、もう何の役にも立たないものなのである。一方を埋めるコンピュータ関係の英書は、パラパラページをめくると、それなりの感慨を催すだけの代物となっている。
雑誌に関しても、コンピュータ、PC関係のものとMAC関係のものだけでも膨大な量で、これに山の雑誌が加わる。
頑張って整理などしなくても、ボックリくたばったら、息子か孫がひどい男と罵りながら片付けるだろうと、不逞な考えを抱かぬでもなかった。しかし、最近やたらにネット購買した本が増えだした。これを収めるスペースの必要を感じたというわけである。
続きを読む