ランチア・イプシロンのこと

ランチア・イプシロン

先月に10数年近く乗っていたランチアのイプシロンが突然動かなくなった。ランチアというのは、イタリアの名車で、ヘミングウェイの愛車だった。
白洲次郎が結婚したときに、父親の文平氏が新婦の白州文子にお祝いとして贈ったのはランチアだった。
昔、ローマからの帰り、空港の近くのペンションで車を呼んでもらったら、いわゆる白タクがやってきた。ローマの道というのは、ご存知のように石を敷き詰めた道である。そのガタガタ道をなんともスムーズに走る車に驚いて、思わず運転手に「これなんという車?」と尋ねた。
運転手は、そんなことも知らんのかと馬鹿にしたような顔をして「ランチアだよ」と答えた。これがぼくとランチアとの出会いだった。

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一億総マスク依存症の日本人

 まだ酷暑の頃だったから、だいぶ前おそらく一月前くらいだったと思います。
 小用があり京都まで電車で出掛けることにしました。
 駅のプラットフォームには、冷房の効いた待合室があります。暑さに弱いぼくは大急ぎで待合室に向かいました。中にはマスクをした中年のおばさんが一人座っていました。
 ドアが開いたままだったので、ぼくは後ろ手でドアを閉めようとしたところ、「開けたままにしなさいと書いてあります」と注意されました。たしかにその引き戸のドアには張り紙がしてありました。
 電車はガラガラで優先席にはぼく一人だったので、マスクをすることもなく京都につきました。
 半日近く市内を動き家に戻ったのですが、その間、マスクなしの人を全く見かけることがなかったのです。マスクなしのぼくは、大変な違和感と孤独感を持たざるを得なかったのです。
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『反日種族主義』〜韓国人が「韓国の病」を解明〜

(やや長文です)
 大方の予測を裏切って、ぼくの予想も大外れだったのですが、8月のGSOMIA廃止通告は、「条件付きで無効とする」ことを、韓国が決め、GSOMIAは継続されることになりました。廃止決定期限の直前6時間前のことでした。そしていつでも止めることができると言明しました。
 GSOMIA協定では、この協定は1年期限であり、自動的に延長されるが、廃止する場合は3ヶ月前に通告しなければならないとされています。廃止に関してそれ以外の規定はありません。ましてや条件付きなどという規定はないし、いつでもやめられるなどいう規定もない。
 こうした国家間の協定などでは、相互に確認しての約束事で、それは勝手に変えられないし、守るのが国際常識です。
 だから今回も、韓国の国家としての非常識な欠陥が見事に露呈されたということです。
 日本の立場としては、延長とお決めになったのだから、嫌なら来年の8月にまた廃止通告をおやりになったら・・・ということでいいのでしょう。
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少女像と慰安婦像

左端に像を守る人が寝るテントが少し見えている。その一部が見える左側の黒い石板に刻まれた英文が大嘘を語る。

 この写真は、直近のソウル日本大使館前の少女像です。
 ネットで調べたことのある人にとっては、もうとっくに知っていることなのですが、この像は慰安婦ではないのです。
 この像が置かれたのは2011年のことでした。
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本多勝一氏と吉田二郎氏と

 先の項で『岩と雪ベストセレクション』にぼくの『登山と「神話」』が取り上げられたとして、その内容がデジタル化されている<高田直樹ドットコムへようこそ>なるサイトを紹介しました。しかし正しくは、その冒頭の1章「スポーツ神話について」のみでした。正確を期してここで訂正しておきます。
 さて、前に示したこの本の紹介文で、冒頭に掲げられている作品は、本多勝一氏の「パイオニアワークとはなにか」であり、そして二番目は吉田二郎氏の「スーパーアルピニズム試論」でした。
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インスタント焼きそばのこと

 たしか暮れのことだったと思うのだが、ネットのニュースで次のようなことを読んだ。
 インスタント焼きそばの人気投票で圧倒的に支持されたのは、ペヤングと日清UFOだった。この二つにはほとんど差がないほどだったが、関東と関西で好みが分かれたというのだ。
 関東ではペヤングが、関西ではUFOが好まれることがわかったそうである。
 ぼくはインスタント食品なるものをほとんど、いや全くと言っていいほど食べないのだが、つい最近友達のマンションで、インスタント焼きそばなるものを食べ、それがペヤングの焼きそばだった。
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一番あって欲しくない結末へ

 日本人人質拘束事件はどんどん最悪の結末に向かって進行しているように感じられます。
 この事件に関しては、テレビの報道番組に多くの専門家が登場し、それぞれの意見を語っています。
 ぼくは、この事件が発生して以来、ほとんどすべての番組を録画し、そのコメントや見解をウオッチしてきました。それらを総括していえることは、政府関係者の口はだいたい重い。遠い人ほどぺらぺらしゃべり、少々的外れと考えられることも多いように感じていました。
 この事件は、ISISが突如二人の日本人に72時間以内に2億ドルの身代金を払わなければ殺害するという予告をするという動画をYouTubeに揚げたことから始まりました。
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YouTubeへ動画をアップロード

 前の稿で書いたように、マララ・ユスフザイ嬢のスピーチに感動を覚え、その動画をYouTubeにアップすることになりました。
 以前は、テレビの番組を録画したものをYouTubeにアップロードすると、しばらくして「著作権に関する苦情が寄せられたので削除しました」というコメント付きで消されることが多かったようです。
 ぼくの場合は、そんなにたびたびアップしていませんから、稀に消されることがあったという程度でした。そんな感じで消された動画を観察してみると、その苦情なるものを申し立てているのは、どうも著作権がらみではない。その動画自体を不愉快に思ったりけしからんと思ったりした人が、自分とは関係のない「著作権」を仮の理由に削除を迫っているのではないか。そんな勝手な推測をしたりしていたのです。
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衆議院解散の万歳フライング

 11月21日、衆議院の解散が行われた。
 その模様は、かなり詳細に映像として報道されたといっていい。
 解散の進行は次のように進行することになっている。
 まず閣議決定が行われる。閣議決定というものには、全大臣の署名が必要である。小泉内閣の郵政解散の時、一人の閣僚が署名を拒んだので、小泉首相はその大臣を罷免し、自分が兼務することにして署名を埋めたという。
 解散の詔書には、国事行為としての天皇陛下の決済が必要で、天皇は解散詔書に「明仁」と署名を行う。そして、天皇の御意思を受けて侍従が、詔書に御璽を押印して、解散詔書が出来上がることになる。
 この詔書は国会に届き、黒塗りの盆に紫の袱紗にくるまれて、内閣官房長官から衆議院議長に手渡されることになる。
 解散は当然のこと、閣僚の任命にも天皇陛下の決済が必要なのであって、天皇がいなければ日本国は動かない仕組みなのである。 続きを読む

この頃気になること(3):万歳の作法

 最近のテレビでは、万歳の光景が多く報道されていました。
 どこだったかの村が文化遺産に指定されたとかで万歳、先頃は沖縄知事選での翁長新知事誕生の万歳、そして今度の衆議院解散の万歳。幾度となく万歳三唱の画面が映し出され、その度にその光景が気になっていました。
 なにが気になったかは後にして、この万歳はもともと天皇陛下万歳がもとで、天皇陛下の長寿を願って唱えるもので、明治時代に始まったようです。万歳はTen thousands years oldですから、長寿を表わすのですが、それが勝どきを意味するようになったと思われます。大陸の戦線で敵陣を攻め落とした帝国陸軍は、万歳を三唱するのが常だったようで、そうした写真を沢山見た記憶があります。
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