ロシア外交と領土問題

ロシア外交タイトル
 プライムニュースの「北方領土問題・今後の対ロシア政策を問う」という番組を見ました。
元駐ロシア大使ゲストは元駐ロシア日本大使の丹波実氏です。何度も日ソ、日露の交渉に立ち会われてきた外交のエキスパートです。詳しくいうと、1962年外務省入省。2002年に退官するまで日本政府の対ソ連対ロシア外交の第一人者として、歴代日本の首相のソ連との交渉に同席してきた人です。
 外務省の外交官といえば、例えば孫崎享のような、例えば前の在中国日本大使・丹羽宇一郎といった「祖国に仇なす人」と思い込んでいたぼくにとって、丹波氏の語りは目を見張るばかりの驚きであったし、こんなまともな外交官もいるのだと安堵の思いを抱かせるものでありました。
年表 とりあえず、この発言を聞きましょう。
 「わたくしは、日本が追求しているのは、先程からずうっと御説明申し上げてきたのは、歴史その歴史の正義を追求しているのであって、正義には引き分けというものはない、そういうふうに思っております。正義はあくまでも正義であって、パーセントで議論する問題ではございませんし、面積で議論する問題でもない。従ってプーチンさんが勝ちも負けもないのが引き分けだという表現を使われたようですけれども、わたくしは正義というのはあくまでも正義であって、それに引き分けという概念を持ち込むのはおかしいんではないか。そう言ってるんですが、まあプーチンさんはそれ以上のことは言っておりませんので、頭の中がどういうふうになっているのかここで推測するのは難しいと思います。
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聖域はあったのか?!

 安倍さんはオバマ大統領と共同声明を出して、聖域はあるとして、TPPへの参加の意思を表明しました。
 聖域があったとしたのは、センシシビティーが存在することを認識しつつ、すべての関税を撤廃することではないという部分だったと思います。「認識しつつ」であって「認識して」ではなかった。この部分けっこう重要だと思うのです。
 当該部分、共同声明の第2節を抜き出すとこうなります。
 「日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように、両国ともに2国間貿易上のセンシティビティーが存在することを認識しつつ、両政府は、最終的な結果は交渉の中で決まっていくものであることから、TPP交渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないことを確認する。」
 では、センシビリティーが存在するということ=聖域があるということになるのだろうか。この辺りにぼくは違和感を感じた訳です。
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『女警部ジュリーレスコー』

再び「女警部ジュリー・レスコー」の放映が始まった。
ほとんどがハリウッド製と韓国製で埋め尽くされたCS放送の外国ドラマの中で、数少ないフランスのドラマだった。
このAXNミステリーチャンネルの番組は、昨年に92回の最終回をもって終わっていた。
耳に優しいフランス語の響きも懐かしく楽しみに見ていたが、いつか家内も一緒に楽しむようになった。
普通の刑事もの・警察ものは残虐な場面やストーリーが多く、例えば性犯罪特捜班、これはアメリカの現況を知るのには最適と思っていつも見ているのだが、家内は絶対に見ようとしない。気分が悪くなるという。

最初のレスコー

最初のレスコー

パリでのレスコー

パリでのレスコー

「ジュリーレスコー」が、フランスでゴールデンアワーの夜8時の放映で、19年もの長寿番組だったのも理解できた。この長い年月で役者、例えばシングルマザー、レスコーの2人の娘の上のサラも、小学生から成長してゆき就職して弁護士になる。この間レスコーは当然サラも同じ俳優がずっと演じているから、子役のサラは弁護士のサラとなる。この辺りは、「北の国から」のような、ドラマと知りつつもあるリアル感があって、引き込まれてしまうようだ。
それにしても、19年も続いて92回とは少なすぎるとも思えたのだが、調べてみて一ヶ月一回の放映だったことが分かった。
レスコーフェース2フランスでの原題は単純に「JULIE LESCAUT」なのだが、日本でのタイトル名は「女警部ジュリーレスコー」。しかし、内容からしても、警部ではなく警視であることが分かる。舞台は、パリ近郊のクリエール署という架空の場所なのだが、後半77話からレスコーはパリの中心部の署へ移動になった。

レスコー拳銃レスコー拳銃2今回の再放送は、AXNミステリーチャンネルで水土日の三回同じものが放映されている。ぼくは、92話のすべてをDVDに収めて、すべて見ているのだけれど、今回の再放送も機会があれば適当に見ようと思っている。
このタイトルは、一話一枚でDVD化されているようで、レンタル店にあるかどうかは知らないけれど、オークションでは300〜500円で取引されているようである。
「もうあのジュリーレスコーみたいな番組はないの?」と、家内が聞いたことがあった。韓流なんぞは見る気にもならないし、ほんとに見たいドラマがないようだ。
再放送のレスコーを見ていたら、来月から始まる新番組の予告があった。
「モンタルバーノ〜シチリアの人情刑事〜」というもので、これはイタリアもので舞台はシチリア。サイトを見ると、
「ヨーロッパを中心に絶大な人気を誇るテレビシリーズ、日本独占初放送!イタリア・シチリアを舞台に、人情味あふれるモンタルバーノ刑事の活躍を描く」などというイントロで、「モンタルバーノ~シチリアの人情刑事~」は、シチリアのヴィガータという架空の町が舞台となっている。カミッレーリ自身(原作者 アンドレア・カミッレーリ)の出身地シチリアにあるポルト・エンペードクレがモデルになっているとも言われ、本編に映し出される美しい景色は思わず目を奪われる。ロケは、ヴィスコンティの映画「山猫」の舞台にもなったドンナフガータや、世界遺産でもあるラグーザ付近で行われ、現地ではロケ地巡りツアーが開催されていたほどだ・・・。などという説明もある。
大いに期待が持てそうで、大変楽しみにしている所である。