ペンス米副大統領の対中方針演説

ペンス副大統領。

 アメリカのペンス副大統領は昨年10月、ハドソン研究所という場所で約50分の演説を行った。それは対中方針演説と呼ばれるものだった。
 中国を徹底的に批判攻撃するもので、かなり驚かされるものだった。新聞各紙も取り上げた。とはいえ、その本当の意味内容を掴んだものは少なかったように思う。さすが朝日新聞は、一面トップでもおかしくないこの記事を国際面に3段で報じた。
 尖閣の施政権は日本にあるとしたこの演説を一面トップに置いたのは産経新聞だった。「これは本気の宣戦布告」だとし、1946年チャーチルが行った「鉄のカーテン」演説に匹敵すると見る人もいた。
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長い沈黙の後に

 最後にこの<葉巻のけむり>を書いたのは、昨年の7月のことだったから、長い沈黙になる。
 その頃、なんだか世界はおかしいぞ、と感じ始めたような気がするのだ。それはブレグジット、いわゆるイギリスのEU離脱だったような気がする。あれは昨年の6月だったから、指折り数えると半年ほどになる。
 あれ以後、引き続いて、国の内外で、その結果を知りたいと思うこと、どうなるのだろうと思うことが、次から次へと起こり続けた。はっきりしたら、結果が見えてから書こうと逡巡していると、また次のことが起こる。
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新しい歴史教科書(承前)

 前稿の「新しい歴史教科書が出た!」では、「第3章 近世の日本、安土桃山・江戸時代」までを読み進み、注目した記述を拾い上げました。
 同じような調子で進むと、それは大変な量になりそうなので、ほんの一部だけをピックアップしながら進むことにします。

地球を二分割しようとしたポルトガルとスペイン

地球を二分割しようとしたポルトガルとスペイン

 第3章の「近世の日本」の冒頭に記されているのは、ヨーロッパ人の世界進出という項目です。ポルトガルとスペインは新航路を開き大航海時代が始まります。コロンブスが間違って西インド諸島に到達し、アメリカの先住民をインディアンという的外れの名前で呼んだ2年後の1494年、ローマ教皇は大西洋を東西に分け、東半球で発見されるものはすべてポルトガル王に属し、西半球で発見されるものはすべてスペイン王に属すると取り決めた。これをトルデシリャス条約という。
 この記述に関して激しくいちゃもんをつける人たちがいるようです。確かにこれはキリスト教を武器に世界の植民地化を策した白人たちの目論見の嚆矢と言わんばかりだというような批判なのです。ぼくが思うには、その後の歴史の流れを見れば、白人たちが虐殺を繰り返しつつ世界を植民地化していったのはマギれもない事実なのですから、細かくあげつらうこともないと思うのです。
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「朝日新聞集団訴訟」いよいよスタート

 「朝日新聞を糾す国民会議」からのメールが届きました。
 この会議が作られたのは、朝日新聞がその誤報(本当は捏造)を認めて謝罪会見を行ったすぐ後のことで、たしか9月の初めだったと思います。桜チャンネルでの参加の呼びかけに応じて、すぐに加入することにしました。
 その時の加入者数は4000人ほどだったと思いますが、9月の終わりには7000人を越えたようで、現在では17000人に近づいているようです。
Wikipedia朝日新聞を糾す国民会議
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捏造DNAを持つ朝日新聞の体質は変わらない

歴史に残る朝日新聞の完璧な捏造報道の記事

歴史に残る朝日新聞の完璧な捏造報道の記事。サンゴ汚したK・Yってだれだ 
(朝日新聞 1989年4月20付 夕刊)

 覚えていらっしゃる方も多いと思うのだが、かつて「珊瑚礁落書き事件」というのがあった。正式な呼び方は「朝日新聞珊瑚記事捏造事件」というらしい。
 まったくもってたまげるような捏造記事なのである。
 朝日新聞のカメラマンが、珊瑚礁に「K.Y」という落書きをして、それを弾劾する記事を捏造したという事件であった。その写真と記事を見てみよう。
 驚くべきは、その記事でした。書き写すと、それはこんなものでした。
<これは一体なんのつもりだろう。沖縄・八重山群島西表島の西端、崎山湾へ、直径8メートルという巨大なアザミサンゴを撮影に行った私たちの同僚は、この「K・Y」のイニシャルを見つけたとき、しばし言葉を失った。
 巨大サンゴの発見は、七年前。水深一五メートルのなだらかな斜面に、おわんを伏せたような形。高さ四メートル、周囲は二十メートルもあって、 世界最大とギネスブックも認め、環境庁はその翌年、周辺を、人の手を加えてはならない海洋初の「自然環境保全地域」と「海中特別地区」に指定した。
 たちまち有名になったことが、巨大サンゴを無残な姿にした。島を訪れるダイバーは年間三千人にも膨れあがって、よく見るとサンゴは、空気ボンベがぶつかった跡やらで、もはや満身傷だらけ。それもたやすく消えない傷なのだ。
 日本人は、落書きにかけては今や世界に冠たる民族かもしれない。だけどこれは、将来の人たちが見たら、八〇年代日本人の記念碑になるに違いない。百年単位で育ってきたものを、瞬時に傷つけて恥じない、精神の貧しさの、すさんだ心の……。
 にしても、一体「K・Y」ってだれだ。>
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朝日新聞の大罪。朝日さん、訂正だけで済むんですか?

「慰安婦問題 どう報じたか 読者の疑問に答えます」

「慰安婦問題 どう報じたか 読者の疑問に答えます」

 朝日新聞がいわゆる「従軍慰安婦」の強制連行は誤報だったと32年間も言い続けた強制連行という事実はなかったと認めました。それは、8月5日の朝刊で読者の疑問に答える形を取った見開きページでした。
 このことは、大きなニュースとして取り上げられ、ネットでも記事が溢れています。
 朝日が認めたのは次の二つでした。吉田清治の証言は本当ではなかった。そして、工場などで働く女子従軍挺身隊と慰安婦を混同する誤りを犯したというものです。
 32年も経って、ようやく分かったというのはおかしい。吉田証言が嘘であるということを朝日新聞は早くから分かっていたし、そうした報道も一回はやっていました。しかし訂正しないで報道し続けました。その回数は32年間で16回に及んでいます。だからこれは明らかに捏造報道だったといえます。
 女子挺身隊と慰安婦を重ね合わせて、ありもしなかった「従軍慰安婦」なる名称を作り、その結果人数も吉田証言の最初の200人から20万人に膨らみました。そして、「研究不足のため」に混同したという白々しい言い訳をしています。
 さらには、慰安婦問題の本質は強制性があったかどうかではなく、女性の人権侵害があったかどうかであって、この問題を追及しないといけないと、驚くべきすり替えと開き直りをしています。
 このことを、産經新聞は<白旗を掲げて、進軍ラッパを吹く>と揶揄していますが、まことに言い得て妙だと思いました。
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