世界の各国が見た「大東亜戦争」

 前稿で、大東亜戦争に関して、「独立を助けられた国々の元首は、それぞれに感謝をこめての評価のコメントを残しています。」と言及し、一例としてトインビーの大東亜戦争への論考のみを揚げました。
 ぼくが、大東亜戦争にこだわるのは、日本の戦後を考えるというだけではなく、これからの日本、あるいは「この國」のあり方・國のかたちを考えるには、この世界史を変えた戦いの正当な認識なしには、正しい判断が出来ないと思うからです。
 戦後の日本に流布されたのは、当時最も権威あるものと信じられていた発信元である(恥ずかしながら、ぼくもそう信じていた)NHKと岩波書店からのものでした。
 そして、その内容はすべて「あの戦争は間違っていた」そして「アジアを侵略した」「アジアの民に苦しみを与えた」というものでした。それが全くの誤りでないにせよ、別の見方なり、反対の見方も併置、検証されるべきでした。しかし、そうはされず、それは、極端に一方的なものばかりでした。
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一番あって欲しくない結末へ

 日本人人質拘束事件はどんどん最悪の結末に向かって進行しているように感じられます。
 この事件に関しては、テレビの報道番組に多くの専門家が登場し、それぞれの意見を語っています。
 ぼくは、この事件が発生して以来、ほとんどすべての番組を録画し、そのコメントや見解をウオッチしてきました。それらを総括していえることは、政府関係者の口はだいたい重い。遠い人ほどぺらぺらしゃべり、少々的外れと考えられることも多いように感じていました。
 この事件は、ISISが突如二人の日本人に72時間以内に2億ドルの身代金を払わなければ殺害するという予告をするという動画をYouTubeに揚げたことから始まりました。
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衆議院解散の万歳フライング

 11月21日、衆議院の解散が行われた。
 その模様は、かなり詳細に映像として報道されたといっていい。
 解散の進行は次のように進行することになっている。
 まず閣議決定が行われる。閣議決定というものには、全大臣の署名が必要である。小泉内閣の郵政解散の時、一人の閣僚が署名を拒んだので、小泉首相はその大臣を罷免し、自分が兼務することにして署名を埋めたという。
 解散の詔書には、国事行為としての天皇陛下の決済が必要で、天皇は解散詔書に「明仁」と署名を行う。そして、天皇の御意思を受けて侍従が、詔書に御璽を押印して、解散詔書が出来上がることになる。
 この詔書は国会に届き、黒塗りの盆に紫の袱紗にくるまれて、内閣官房長官から衆議院議長に手渡されることになる。
 解散は当然のこと、閣僚の任命にも天皇陛下の決済が必要なのであって、天皇がいなければ日本国は動かない仕組みなのである。 続きを読む

この頃気になること(2):拉致問題

 日本の拉致被害などという言い方が普通のようです。でもこれは犯罪なのであって、そんな天災による被害者のようなものではありません。犯人は、北朝鮮だけではなく、共犯者は日本にもいるのは周知の事実だと思います。
 当時の日本は、警察力が弱いだけではなく、軍はなきに等しく、また武力放棄を決めていましたから、阻止が出来なかった。
 さらに、日本国は世界革命を目指すソ連の勢力と資本主義・自由主義を掲げるアメリカとに二分されていました。
 憲法改正を党是として出来た自由民主党の中にも、ソ連派が存在しました。
 当時、当然この拉致問題は大きな問題になりました。しかし、拉致に協力するひと、拉致追求を阻止する日本人が多数いたのです。
 後に衆院議長を務めた社会党の土井たか子氏などは、北朝鮮が拉致などするはずがないと追求にブレーキをかけました。その後も、ゆえなく理不尽に拉致された日本人の奪還に、及び腰で本気を示さなかったのは、日本の外務省であり、この官僚たちも或る意味共犯者だとぼくは思っています。
 一瞬、大きく局面打開があるかに思われたこの問題は、またぞろいつものような「たぶらかし」だった。そんな観測が強まってきているようです。
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この頃気になること(1):「この國」という呼び方

 「錦織ってスゴイねえ。やっぱり日本人って凄いんだ。」と家内がいいました。たしかにその通りだとぼくも思った。
 これを「このニシコリっていう人スゴイねえ。やっぱりこの國の人って凄いんだ」とはあまり言わないと思うのです。
 なぜか、いつほどからか、ぼくはこの「この國」という言い方が、大変気になりだしていました。それはどんどん昂じてきて、最近ではテレビなどで、この「この國」という言い方が使われると、その瞬間、なぜかドキリとしたりするのです。
 どんな人が使うのかをつぶさに観察していて、ぼくは一つのことに気付きました。そういう表現をする人はほとんどが左系の人あるいはリベラル派とされている人であること。これは、あの「生活者」というなんだか意味不明の表現をする人にもいえるようです。
 日本という國を肯定的に捉え、そういう文脈でいう時には、ふつうは「この國」は折り合いが悪いようなのです。
 意図的にあるいは深層心理的に、日本を悪く思っている人が「この國」を使うのではないか。
 どちらでもいいこと、特にそれが言葉である場合、変にそれにこだわるのが、ぼくの悪い癖なのかも知れません。
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石破さん、急がないでちょっと遠くを見てください

石破茂 来月3日に内閣改造が迫り、石破幹事長の人事を巡っての話題がしきりです。
 家内は、「わたし、あの人きらい」といいます。どうしてと訊くと、「あの顔、目つきが嫌い」といいます。しかし、政治家の好き嫌いを顔つきで決めてはいけない。
 とはいえ、ぼく自身、石破さんには最初から、ある胡散臭さを感じ続けていました。しかし、今の自民党では、彼は押しも押されぬナンバーツーだと思います。
 その彼に、安倍さんが安全保障法制担当相への就任を依頼したのがことの始まりだったようです。石破さんはこれを固辞し、幹事長を続投したいと表明しました。安倍さんは譲らず、断るなら「無役」という意向も報道されています。まことに困ったことです。この世界が揺れ動いてる大切な時期に党内抗争をやってる場合か、なにを考えてるのだと、思ってしまいます。
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チャイナの海洋侵略

 いよいよ来ました。チャイナが。

中国の赤い舌

中国の赤い舌

 南シナ海で、ベトナムの警備船と放水合戦の末に体当たりをして、ベトナムの船の船腹に大きな損傷を与えた。その3日後にはフィリピンの領海でワシントン条約に違反して、ウミガメを60頭も捕獲していたチャイナ漁船が拿捕され、船員が逮捕された。
 こうしたチャイナ船との衝突はずっと続いており、ベトナムは国際法廷に提訴しているが、チャイナはまったく意に介していない。今回はチャイナが採油基地の建造を始めたので、ベトナムはそれを阻止しようとしたのが、原因だった。
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ようやく暴かれだしたNHKの正体

先月11月28日、東京高等裁判所で一審判決を棄却しNHKに損害賠償を命じる判決がでました。
有名なNHK一万人集団訴訟です。原告が一万人を越えて13000人などということは、歴史上初めてのことだといいます
第一審では、裁判長はこれまでのNHKが訴えられたいくつもの裁判で、何度も行ってきたように「報道の自由」という理由で、にべもなく訴えを退けました。
ところが、第二審の東京高等裁判所の須藤典明裁判長は、番組の内容をつぶさに検討し、「深刻な人種差別的な意味合いのある言葉を使って名誉を傷つけた。取材の際の説明も極めて不十分だった」などと指摘して、NHKに100万円の賠償を命じた」のです。
これは間違いなく画期的なことで、世の中が変わりつつあることを示しているのではないかと思うのです。
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国際連合憲章の誤訳について

今日の参議院予算委員会で民主党の大塚耕平議員が、個別的自衛権や集団的自衛権についての議論を行っているのを録画で見ている。
そこにおいて、取り上げられていたのは国際連合憲章の51条だった。これは、いわゆる加盟国の自衛権に関するものであるのだが、これの訳文に誤りがあることはあまり知られていない。この国際連合憲章・第五章安全保障理事会の51条、その条文を日本語で示すと以下のようになる。

第51条 この憲章のいかなる規定も,国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には,安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間,個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は,直ちに安全保障理事会に報吉しなければならない。また,この措置は,安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては,いかなる影響も及ぼすものではない。

問題の部分は赤字で示した部分である。上の全文を原文で示すことはしないが、問題の部分は、原文ではif an armed attack occursとなっている。「武力攻撃が発生した場合」ではなく、「武力攻撃が発生する場合」ではないか。
「発生した場合」は過去形であり、原文は現在形のoccursで「発生する場合」でないといけないのではないか。
発生した場合とすると、その確認をしてからでないと行動がとれないというニュアンスを含むことになるのではなかろうか。
原文の通りに「発生する場合」となれば、それは武力攻撃が予測される場合にも適応できるということになり、だいぶ違った内容となる。
こうした明確な誤訳とまではいえないまでも、これ以外にも原文と違ったニュアンスで日本語の条文が訳されている場合が多いと思われる。

この誤訳は以前から気になっていたことなので、国会質疑を聞いていて、急にここに書く気になったわけである。国際連合憲章の全文が載っているサイトにリンクを張っておくので、興味ある方はご覧になってください。国際連合憲章

福沢諭吉「脱亜論」の背景

麻生副総理の「ナチス発言」、この命名自体おかしいと思いますが、が話題になっています。
まずいことを言ったなと思いました。
なぜなら、日本を強い国にしたくないアメリカや連合国諸国は、世界での「戦後レジューム」を保持したいと考えており、たとえば「南京大虐殺」や「従軍慰安婦」などの捏造事件をナチズムと関連付けようと、ことあるごとに試みてきたと言えるからです。
気になるので、麻生発言を全部読んでみました。驚いたことにあの朝日新聞が全文を公開しています。
麻生副総理の憲法改正めぐる発言の詳細

読んでみて思ったことは、なんでそんなに大騒ぎするの、という感じでした。問題の部分は、かなり長い話・講演のいちばん最後の方にちょっと出てくるだけで、大騒ぎするような話ではない。特に今の世界の常識、日本の常識から考えて、あり得ない強引付会の揚げ足取りと感じました。
問題の部分に、「気がついたらワイマール憲法がナチス憲法に変わっていた」というのがあります。
しかし、ナチス憲法などはなかった。ヒトラーは憲法改正などやっていないのです。
問題の根は、「全権委任法」にありました。ヒトラーは政権を取ると直ぐにこの法律を成立させます。しかし今の時代、そんなことが出来る訳がない。
麻生副総理の真意は、全文を読むと分かりますが、中韓がいろいろ言ってきて騒がしくなる。そうするとアメリカも困るだろうから、静かにやる必要がある。その方法を考える必要がある。そういうことが言いたかったのではないかと思うのです。
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