「ネット選挙」について

参院選が終わり、ようやく「ねじれ」が解消されました。
これは、とりあえず、大変結構なことだと思われます。どうしてかというと、この混迷を深める世界の中で、変な内輪もめをやっている場合でないと考えられるからです。
マスコミは、一斉に「右傾化」とか「暴走のおそれ」などと、近隣諸国の受け売りに終始しているようです。しかし、明治維新がそうであったように、日本国を世界の常識の国の形にしようということで、それは「右傾化」でも「暴走」でもないはずなのです。

投票率が大変低かったことに関して、テレビで識者が色々の論評を述べています。もともと「識者」というのは、物事に対して正しい判断を下せる力のある人をいうのだそうですが、テレビのコメンテーターはどうも似非識者といえる人のように思えます。
ぼくの見解では、投票率が上がるのは、今の現状に不満が大きい時や、その現状に怒りを感じている時だと思うのです。今回は選挙前の予想で自民党の勝利が報道されていました。有権者がそれは困る、そんなことになったら大変だ、自民党潰せと思ったら、みんな投票所に行ったでしょう。
みんなそうは思わなかった。不満な人もいたかもしれないけれど、まあいいではないかと思った。
ということは、今の政府を信任したということだと思うのです。しかし、似非識者は、もうどうでもいいやと思った、まあやらせてみるかと思ったなどという。全く国民をバカにしています。まあ、そうした識者は、「国民は・・・」とはいわずに、かならず「生活者は・・・」という。
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参院選が終わって

気がかりだった参院選の結果が出た。
昨夜、仮眠するつもりが寝過ぎて、目が覚めたら夜半前だった。
自民党完勝、民主党惨敗、それは十分予想した通りだったから、驚きはなかった。共産党が躍進した。
代表的な日本料理刺身のツマが増えたということで、ツマは多い方がよりヘルシーで悪いことではない。
ほとんど開票が終わっている時点での戦況速報は、どこのチャンネルも似たようなもので面白くも何ともない。そこで、ネットを見ることにした。
ニコ生を開くと、放送中のリストが現れた。

ニコ生チャンネル・放送中番組リスト2

ニコ生チャンネル・放送中番組リスト2

Shamin
実に様々の動画が放映中だった。その数なんと10数個。各党の選挙事務所のチャンネルがあった。社民党はどうなのかと思って、まずこの動画を開くと、福島瑞穂さんが真面目な顔をしてテーブルに座っておられた。
でも、全くの無言のままで微動だにしない。右手の人差し指の指先だけが小さく机の面を叩いている。
ニコニコの動画に「指先、指先」という書き込みがあって、その字が右から左にすーっとながれた。
一体どうしたことなのかと思って見ていると、少し物音がして、彼女が「はい」と答え、しゃべり始めた。その途端、音が途切れた。
そして「他チャンネルで放送が始まりましたので、音声を遮断します」というテロップが流れた。
なるほど、そういうことだったのか。これは、おそらくNHKが各政党ごとに設営した会見場で、そこにニコ生のカメラが入っているということらしい。
それにしても、この会見場、それは民主党でも同じだったが、まるで葬儀場の準備段階のようで、記者だけが10人近く詰めているだけだった。
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鵺(ぬえ)的存在NHK

NueMonsterいくつかブログに書きたいことはあるのだけれど、参院選の結果も気がかりだし、それを見てからにしようと思ったりして、筆が進みません。
しかし、そんなことにかかわりなく、書けるテーマがある。それはNHKです。
いまgoogleで「NHK解体」とやると、なんと529万件がヒットしました。
最初に出ているのは「NHK解体!」というタイトルで、そこには前稿で紹介した桜チャンネルの水島社長や青山繁晴氏の発言などのYutube動画の紹介、2番目にあるのは「NHKの解体 8割以上が求める【my日本 意識調査】」です。

その内容は次のようなものです。
「国内最大手の政治経済系SNSサイトの株式会社my日本(本社:東京都千代田区、代表:西田省人)は、政治に関心の高いmy日本会員7万人に対し、NHKについてのアンケートを実施しました。
回答者の9割以上が、NHKの今の体制に問題ありと考えており、その内の8割以上が解体を求めていることが分かりました。」
8割以上が解体を求めているとは、ちょっと驚きの数字です。
<解体されるべき>とする理由も示されています。
・中国、韓国に対して同情的な感じがする。朝日新聞と同じ二大非国批判マスコミであると思う。もう少し、国民の立場に立って報道すべきであると思う。
・ニュース番組が一番ひどい!!教育テレビの一部の幼児向けの番組は評価する。
・視聴料を徴収し、反日放送を繰り返すNHKは日本の公共放送ではない。
・受信料を国民から無条件で徴集し、国営放送局と名乗っているにも関わらず、日本国の国益に何ら供与していない。
・反強制的に視聴料金を徴収する組織としては明らかに問題があり、国家と国民の為に成らない番組編成が多い。新たな国営放送組織を作るべきだ。
・国民から公共放送だからというだけでお金をむしり取り、国を貶める放送を国外にも流している。NHKは公共放送とはいえ立場上は国営放送の役割も担うべき。国会の管理が行き届かず誤ったプロパガンダに利用されるのであれば解体されるべき。
いずれもが、全くその通りという内容だと思いました。
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マス・メディア、テレビの夕暮れ

みなさん、新発売されたパナソニックのスマートビエラというテレビをご存知でしょうか。
この機種には音声指示を受け取るとかの機能があるのですが、最大の特徴は簡単にユーチューブやニコニコ動画を見ることが出るということなのです。
ところがです。この機種の宣伝をテレビ各社が拒否したのです。このことに関してKAZUYA_CHANNELの和也くんが説明してくれているので、それを見ましょう。

民放はこぞって安倍政権を陰に陽に叩いているようで、一方ネット動画はその真逆をいっているといっていい。だから先だっての党首討論も、安倍さんはNHKではなくニコニコ動画を選んだわけです。
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参院選の選挙制度は衆院選とは違う

いよいよ参院選が迫りました。
ところで、参院選の選挙制度は衆院のそれとは違うことをご存知ですか?
実はぼくも知りませんでした。それを知ったのは、KAZUYA_CHANNELで和也くんが話しているのを聞いたときでした。
興味がわいたのでネットで調べたら、全く意外にも相当違っていたのです。

そもそも、世界のほとんどすべての国では、現代議会制民主主義を採っているのですが、その代表的な選挙制度は比例代表制です。この選挙制度という奴はけっこう複雑です。
まず、投票の仕方について、政党に入れるか個人に入れるかに二大別されます。
政党に入れるいわゆる政党を立候補単位とした場合、当選順位の決定の仕方で3通りかあるいは厳密には4通りに分けられます。
単純拘束名簿式というのは、日本の衆院選(比例区)で採用されているものです。
非拘束名簿式というのが、日本の参議院選挙(比例区)で2001年から採用されているものです。

衆議院の単純拘束名簿式では、ご存知のように政党名を書いて投票します。このとき、候補者名を書くとその票は無効になります。政党ごとに候補書の順位が決まっていて、多い者から当選します。だから、この前の衆院選のときの菅前総理のように、ちょっと忌々しい復活当選などということが可能になります。これは、現在の衆院選挙が小選挙区比例代表並立制という複合形態を採っているからです。混乱するかもしれないので、ここでは説明しません。
ところが、参院選の非被拘束名簿式では、候補者名を書いてもいい。というよりは、個人名で投票するのが建て前で、政党名を書いてもいいということなのです。だから有権者は候補者名か、あるいは政党名を書いて投票します。
ところが、衆院選で個人名を書いたら無効という刷り込みが強烈で、かなりの人が政党名を書くようなのです。また、参院選は衆院選のように並立制ではありませんから、復活当選などはありません。

いずれの場合も、票数を使って当選候補者数を決めるのですが、これがまた単純ではありません。
この議席配分の決定方法には、いくつもの方法があります。まことに煩雑なのですが、列記しますと、ヘア=ニーマイヤー式(最大剰余方式)、ハーゲンバッハ=ビショフ式、ドント式、サン=ラグ式、修正サン=ラグ式、クオータ式の6通りもあるのです。これの説明は省きますが、興味ある人はWikipediaで調べてください。
議席配分の方法
日本は、最も得票数との関連が強いとのことで、衆院・参院ともドント式を採っています。

そこで、参院選の選挙では、政党名と候補者名どちらを書いてもいい訳だから、その政党の獲得議席数は政党名数+候補者名数をもとに、ドント式で決まります。そして、あらかじめ提出されている候補者の順番で当選者が決まることになります。
この参院選の投票制度は、マスコミ関係の人もあまり知らないらしいし、すでに書きましたが、普通の人は衆院選のように、個人名を書くと無効になると思っているらしい。

だから、この人を当選させたくないと思ったら、絶対政党名を書かずに別の候補者の個人名を書くといいことになります。
まあ、ぼくのように比例にも同じ政党を選ぶ場合は無理かもしれないけれど、比例では別の政党に入れようと思っている人には有効かもしれませんね。
いずれにしろ、参院選の選挙制度は衆院選とは違うことは知っておいていいと思います。

戦後日本における「私」の異常肥大

先日、教え子で大学の先生をしているフェースブックの友達が、またまた起こった「いじめ事件」について、コメントするとたちまち70を越える「いいね」が記され、多くのコメントが書き込まれました。
彼のコメントの中でぼくが注目したのは、こんな部分でした。
「日本は、「みんな」を解体し、「私」の集まりになってしまいました。「みんな」で教育し。「みんな」で育て、「みんな」で見守るのをやめちゃって、あるのは「私」だけ。今や、親子も兄弟も「みんな」ではなくなったみたい。そして、「みんな」の機能は先生だけに期待されています」

それで、ぼくはこんなコメントをしました。
「まったく同感ですねぇ。その目的を「人権」として最上位に置いた現行憲法、極端にいえば、「人権教」の行き着いた状況を示しているのだと思いますよ。そこのところが分からないまま、みなさん尻尾をくわえて回る犬状況なんじゃないでしょうか。書くと長くなるので、ここで止めてるだけで、評論家の高みの見物態度ではないので、誤解しないでくださいね。」
するとすぐさま、「ありがとうございます。先生の高い見識は本質を見抜いておられると思います。いつもブログを拝見し、そう感じています。」という書き込みがされました。
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これは面白い!「しっかり学ぼう!日本近現代史」

この頃、YouTubeにはまっています。
YouTubeといってもそこにある動画は無数と言っていい訳だし、的確には表題の「しっかり学ぼう!日本近現代史」にはまっているという訳。
近現代史をぼくたちはあまり知らないといえます。その知識の大半は大河ドラマからのものだったりする。
「しっかり学ぼう!日本近現代史」は一週ごとにくくられていて、各週6話つまり、月〜土の毎日15分のシリーズです。
現在はもう第10週に入っていて、タイトルは「これがほんとの昭和初期〜大日本帝国滅亡の原因」です。そして第1話は「昭和初期の日本〜暗黒社会…ってほんと?」となっていますが、ぼくはとてもそこまでは行けず、第4週の辺りです。ここは「激動の幕末へ」です。
この週の最終第6話は「薩長同盟〜若者の志が日本を動かした」です。
このシリーズの面白いのは、通説の裏が明かされることと、いつも今日の事実との対比がされることです。
たとえば、薩長同盟は池田大作と宮本憲治に手を組まそうとしたみたいなとか、薩長同盟は西郷・大久保と木戸孝允の話し合いだけだったが、長州が幕府軍を撃退した時に始めて同盟になったとか、同盟というのはそんなもんで、アメリカが止めたといえばそれでしまいという話になります。
また「そこでこれ」とパネルがでてきて「野田佳彦、いや違った徳川慶喜」などとふざけが入るのですが、こうした喩えが極めてリアルで分かり易かったりするのです。

このシリーズは「CGSチャンネル」 ChGrandStrategyチャンネルグランドストラテジーで放映されています。
今年の4月頃から始まったようです。上の紹介の動画があるのでそれを見ましょう。

日本近現代史画面日本の近現代史は、「黒船来航」から始まるというのが常識ですが、このシリーズでは第3週の4話になって初めて出てきます。それまで、十数話にわたって、延々と諸外国の状況や世界の動きがつぶさに省察されます。世界や周囲の状況があって初めて立ち位置というか、日本が分かるという訳です。
そして、いよいよ始まるのですが、その第3週のタイトルはというと「ペリーが来る!だから、どうした?」なのです。さらに第4話「ペリー?誰、それ」です。
ペリーは脅しにやってきたように思われているけれど、実はそうではなかった。けっこう優しい男だったようで、密航しようとした吉田松陰が罰せられることを心配して、幕府に寛大な処置を求める手紙を書いているのだそうです。
日本の侍はびっくりはしたのですが、他の国は恐れ戦いたのだけれど、日本はそうでもなかったようです。浦賀に出かけスケッチをして、どうかね作れるかねと船大工に尋ねた。作れるでしょうとほんとに作ってしまったのだそうです。日本って凄いという話がでてきます。
それにしても、マッカーサーが厚木に来た時に、ペリーの掲げていた旗を持参したというのは、果たしてどっちの意味だったのでしょうかねえ。
どうです。興味わきましたか?このシリーズ。
是非ご覧になってください。

「カイロ宣言」について

鳩山さんが香港のテレビの取材で、尖閣列島についてとんでもない発言をして、それがニュースとなっているようです。「中国側から日本が盗んだと思われても仕方がない」というもので、元首相ともあろうものがという驚きを普通の人なら持って当然だと思われます。
この発言について記者から質問されて、鳩山さんは「ボツダム宣言に書いてあるでしょ」といい、さらに官房長官の発言については「もっと勉強してくださいということです」と捨て台詞みたいな言葉を吐きました。
おっととう。この台詞聞いたことがあります。
大分前、「朝生」で孫崎元外務官僚が、「カイロ宣言があるんです」と上から目線の賢しら口でいい、「もっと勉強してください」といいました。
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気になるオバマ・金平8時間会話の内容

 先日、米中会談が行われた。この2日間8時間に及んだとされる会話の内容について、大いに注目され、各種の報道がされている。
 これまでの歴史において、1972年のキッシンジャー・毛沢東そしてニクソン・毛沢東会談で国交正常化が成り、カーター・鄧小平会談で両国は近づいたかと思うと天安門事件で離れるが、クリントン・江沢民会談で回復する。
 という具合に、近づいたり離れたりしてきた両国なのだが、こうした会談のたびごとに世界情勢はかなり変わってきたといえるようだ。
 しかし、今回はこれまでと少々違うようなのだ。世界情勢の変化である。もうソ連は存在せず、中国はかつてなかったほど膨張し、いささかの希望的観測を込めて、そのうち自滅すると唱える識者もいるとはいえ、今や独特の資本主義国として、その帝国的野望を隠そうとしていない。
 今日の青山繁春のニュースDEズバリで、その脅威が語られている。まずはその動画を見ていただきたい。
http://www.youtube.com/watch?v=MKCXskmQs0o&feature=youtu.be
 青山さんは、「広い太平洋・・・」云々の発言を金平の失言としているけれども、ぼくにはそうは思えない。平気でぬけぬけとそういったとしか思えない。
 もともと中国はそういう国なのであるし、中国人はそういう人間なのだと思える。
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我が国の世界史の教科書のこと

 ようやく、新しい高校世界史の教科書見本が手に入りました。手元にあったのは22・23年度用でした。新しいものというのは、24・25年度用です。いづれも山川出版社のものです。他の教科のものはゴロゴロしているのに歴史は、なぜか少ないのだそうです。その理由はなにかあるのでしょうが、分かりません。
 早速チェックしたいと思っていたところを見てみました。「従軍慰安婦」については、全く記述はありません。さすがに、そのでっち上げの事実が周知の事実となったからだと思えなくもない。
 次に、「南京大虐殺」について、今年度と前年度の2冊を比べてみることにしました。
 
 古い方ではこうなっています。
 「しかし、中国側の抵抗は予想以上に強く、日本軍が南京をはじめ上海・広州など諸都市を占領したが、国民政府はこのあいだに四川省の重慶に移り、アメリカ・イギリス・ソ連の援助を受けて抗戦を続けた。」
 この「南京」のところに脚注印があり、脚注ではこう記述されています。
 「南京占領の時、日本軍は一般市民や捕虜を大量に殺害し(南京虐殺事件)、世界の世論から非難をあびた」
 「南京虐殺事件」を脚注として置いているのは、えらく控えめになっているのだなと感じました。それで24・25年度用を見ると、こうなっていました。
 「37年末までに、日本は華北の要地と南京を占領したが、南京占領の際には多数の中国人を殺害して(南京虐殺事件)、世界世論の非難を浴びた」
 脚注の部分が本文に出て来て変な違和感はなくなっていました。
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