ロシア外交と領土問題

ロシア外交タイトル
 プライムニュースの「北方領土問題・今後の対ロシア政策を問う」という番組を見ました。
元駐ロシア大使ゲストは元駐ロシア日本大使の丹波実氏です。何度も日ソ、日露の交渉に立ち会われてきた外交のエキスパートです。詳しくいうと、1962年外務省入省。2002年に退官するまで日本政府の対ソ連対ロシア外交の第一人者として、歴代日本の首相のソ連との交渉に同席してきた人です。
 外務省の外交官といえば、例えば孫崎享のような、例えば前の在中国日本大使・丹羽宇一郎といった「祖国に仇なす人」と思い込んでいたぼくにとって、丹波氏の語りは目を見張るばかりの驚きであったし、こんなまともな外交官もいるのだと安堵の思いを抱かせるものでありました。
年表 とりあえず、この発言を聞きましょう。
 「わたくしは、日本が追求しているのは、先程からずうっと御説明申し上げてきたのは、歴史その歴史の正義を追求しているのであって、正義には引き分けというものはない、そういうふうに思っております。正義はあくまでも正義であって、パーセントで議論する問題ではございませんし、面積で議論する問題でもない。従ってプーチンさんが勝ちも負けもないのが引き分けだという表現を使われたようですけれども、わたくしは正義というのはあくまでも正義であって、それに引き分けという概念を持ち込むのはおかしいんではないか。そう言ってるんですが、まあプーチンさんはそれ以上のことは言っておりませんので、頭の中がどういうふうになっているのかここで推測するのは難しいと思います。
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中国海軍艦船が「海自艦にレーダー照射」

 夜が白み始めた頃、そぼふる小雨の中で新聞受けから取り出した京都新聞の一面トップに、黒地に白の大きな見出しで、表題の文字がありました。新聞は、小野寺防衛相がこの「極めて特異な事例」に「一歩間違うと大変に危険な状態に発展する」と抗議の意思を表明したと報じていました。
 「モーニングバード」を見て、さらに詳しいことが分かりました。日本近海の公海上(場所は公表されず)で、先月の1月30日午前10頃、中国海軍の艦船「連雲港」が海上自衛隊護衛艦「ゆうだち」に、約3キロの距離から射撃用のレーダーを発射していたことが、レーダー波の解析によって分かったということです。
 「危険な状態になる」「戦争になる」から「冷静に対応し、沈静化させるべし」「外交努力によって解決」などというのが、大方の見方のようです。
 確かにその通りで、日本の対応はほとんど非の打ち所がないとぼくには思えます。
 ただ、ほとんど報道されないことがある。それは、どっちが強いのかという分析です。答えは、ほとんどの人が意外に思うでしょうが、完全に日本が強いのです。例えば、青山繁晴さんによればこうなります。
 「現在の海上自衛隊の実力と中国海軍の実力を比べると、圧倒的に海上自衛隊の方が強い。実態は、比べ物にならないくらい強いと言っても言い過ぎではない」
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東京裁判(3)〜自虐史観の創造〜

 アルジェリア人質事件は、かなりびっくりするような結末を迎えました。
 この事件はまた、日本の国際的に見ての特殊性を浮かび上がらせたともいえるようです。自衛隊はこの国の国民の救出はおろか輸送にも行けない。日本人は一歩外国に出たら、孤立無援だということのようです。
 この状態を国際的に普通の状態にする為には、自衛隊法を改正しないといけません。また、憲法も変えないといけないということになるかもしれない。
 しかし、そんな話になると、なぜかみんなは急におどおどし、チャンスに乗じていっている訳ではありませんなどと言い訳めいた物言いになります。いったいどうしてなのだろうか。こうしたいじましさへの疑問は、これまでぼくが常に感じていたことでもありました。
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青山繁晴のニュースDEズバリ!

 昨日アップした「東京裁判~その欺瞞の歴史~」(2)の末尾に張った、青山繁晴のニュースDEズバリ!のリンクが早速削除されてしまいました。あちこち探しましたが、見事に全て削除されています。調べてみると、すべてが削除されているわけではありません。テレビの番組の動画はすべて消されるという訳ではないようです。テレビ番組の録画動画はそれこそ、ごろごろ上がっているのですから。
これはどうやらその内容によるようで、こうした世界の常識を日本人に知らしたくない人たちが、必死に消しにかかっている。そんなことをしても、まず無駄だと思うのですが・・・。
まだどこかに消し忘れがあるかもしれないとさらに探索を続けると、画像の質を極度に落としたものが、消されずにひとつ残っているのを見つけました。
 テキスト起こしをするのにはこれで十分と考え、さっそく作業にかかりました。しかし、やはりフリップの絵は欲しい。しかしこのサイトの絵はなぜかコピーできません。困ってしまって、再度探索を続けることにしたのです。
 そしたら、すごい! この「ニュースDEズバリ!」を完全にテキスト起こししているサイトが見つかったのです。素晴らしい。感激しました。ぼくがやろうとしたことをすでに完全にやっていた人がいたのです。おまけに「引用転載はご自由に」と書いてありました。テキストなら消されることはない。
 お言葉に甘えて、さっそく転載させていただくことにしました。
 さらに、綺麗で完全な動画が残っているのを見つけました。これは末尾においておきます。

山本浩之
「今回の事件は最悪の結果を招いてしまいました。海外にいる日本人を守るために、じゃあどうしたらいいんだろう。さっそく解説お願いしたいと思います」
アルジェリア人質事件
青山繁晴
「はい、皆さん、先ほど申しましたとおり、洪水のような報道はあるけれども、いわば通り一遍の政府批判だけしてればいいと、いうことではありません。政府批判もちろん、とても大切な報道の任務ですけれども、やっぱり、えー、こういう、一番深刻な事件が起きたからこそ、根っこの問題に改めて目を向けるべきだと思います。えー、そのひとつめ、私たちの日本国民が、これを、貴重な契機として、気づくべきことの最初は、これです」
海外の日本国民は
村西利恵
「海外の日本国民は保護されない、ということ」

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東京裁判~欺瞞の歴史~(2)

 アルジェリア人質事件は、たいそう痛ましい結末を迎えました。この事件でも、私たち日本人は、この国がほかの国とは大きく異なっており、大変特殊な国であることに、否応なく気付かされたのではないかと、ぼくには思えます。

 今日の「モーニング・バード」では、ゲストの上智大学の私市正年教授が、次のようなコメントを述べていました。
 「言っておかねばならないことは、日揮にかぎらず、日本のビジネスマンがアルジェリアでどれだけ貢献してきたか、70年代は4000人以上の人々が、アルジェリアに滞在して、まさにアルジェリアの国家建設は、日本人が行ったと言っても過言ではないのです。アルジェリアの人も大変感謝しているんです。」

 これを聞いて、ぼくはインドネシアの独立を助けた日本の帝国陸軍のことを思い出しました。これは前項に紹介したとおり、「日本人は<アジアをアジア人のものに取り戻そう>と、すなわちアジア全体を西洋の植民地主義者から開放しようと、決意していた」という歴史学者レーリンク博士の主張の根拠の一つとなったものです。
 日本軍はインドネシアからオランダを追い払い、インドネシア国旗の掲揚と国家の斉唱を解禁しました(1944年9月)。翌年には、スカルノなどが独立宣言するのを助け、これを承認しました。
 あとに続いた独立戦争には、軍籍を離れた2000人の日本人(軍人と軍属)が最前列に立って戦い、半数の1000人がこの戦いで命を落としました。
 独立戦争は4年間続き、80万人のインドネシア人が殺されたところで、アメリカが間に入って、オランダに植民地放棄の代償として60億ドルを支払うという条件で、独立が承認されたのです。
 そして、もっとすごい条件が付いていました。それは、「アジア解放に殉じた日本」を消し去り、代わりに「残虐な侵略者日本」を残すこと。この2つの条件を、スカルノが呑んだので、独立が承認されたのです。日本を弱体化させようとしたのは、GHQではなく、それはアメリカをはじめとする連合国の国是ともいうべきものだったと言えます。
 こうして、ジャカルタに建てられた独立記念塔には、オランダ人の過酷な植民地支配の記録は一切なく、代わりに、日本軍が資源や労働力を搾取したことが記されることになりました。さらに独立の戦いも対英蘭軍ではなく、対日本軍の戦いに置き換えられているのです。
 かてて加えて、恩知らずにもスカルノは日本に戦時の蛮行の賠償を要求し、日本は国家予算の三分の一に当たる莫大な賠償金を支払うことになりました。
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<葉巻のけむり>ようやく回復して、最初の記事を書く「NHK特集・双方向解説・そこが知りたい!」

バンコックでのクラッシュ以来、不調であったWordPressがようやく回復しました。
ただ、以前のコメント欄への書き込みデータを以前の状態に復活させることは、出来ませんでした。
このコメントデータたちは、Facebookのサーバーにあって、読むことができることがわかりました。そしてこれらのFacebookサーバ上のコメントは、見ることはできるし、リンクは失われてはいないらしく、そこからWordpress上の当該記事に飛ぶことは出来ます。しかし、そのコメントを記事の下に表示することは、どうしても出来ませんでした。「○○人の人がすすめています」というのも、なくなった記事があります。
WordPressの最新バージョンへのアップデートには少々手こずりましたが、ようやく成功しましたので、以前のコメントの復活表示は、とりあえず諦めることにしました。
これで、ようやく新しい記事を投稿する気分になった次第です。

昨夜、NHKが、「朝生」の向こうを張ったのか、特集・双方向解説・そこが知りたい!「新政権で日本はどう変わるのか」という番組を、11:25から4:00までの長時間放送しました。
興味を持ったので、録画しておいてみたわけです。
司会は柳沢秀夫解説委員長と女性アナで、出席者はすべて解説委員で計37名の大人数です。 続きを読む

安倍さんの攻防

総裁選直後から始まった、安倍さんへの攻撃は前稿にも書きましたが、その陰湿度をさらに増しながら、なおも続行中と言えるようです。
今日知ったばかりなのですが、NHKが明らかに意図的に映像に操作を加え、安倍さんの顔色を悪くしていたということが、YouTubeに報告されています。
ぼくも、どこの局だったか定かでないのですが、安倍さんの声のかすれがいっこうに取れないので、少し心配になっていました。
これもまた、音声への操作なのだそうです。
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新聞・テレビが伝えないTPPの詳細

安倍さんは、まもなく訪米しオバマと会談するそうです。テレビのコメンテーターは、お土産が必要ですといい、あたかもTPPをお土産の様に扱い、農業もこの際生まれ変わって競争力を付けないと駄目だと言ったりしています。
安倍さんは、国益にかなうものしか受け入れないと言っていますが、TPPというのはそんな生易しいものではないようです。
オバマは尖閣をカードとして、TPPを迫るようだし、中国は北朝鮮のミサイルをカードに尖閣問題への不介入をオバマに要求するという見え透いた稚拙な要求をしていますが、いづれにしろ安倍さんは苦しい交渉の局面にたっていると言えるようです。

ところで、ぼくたちはTPPの恐ろしさを、知っているのだろうか。知らされていないのだから、知らなくて当たり前なのである。
この頃になってようやく、TPPが農業だけではないということも報じられる様になってきたけれど、それが農業・製造業を含む24分野に及ぶものであることがさして強調されることはない。
詳しく列挙すると、全製造業、公共事業、サービス、衣料、医薬、銀行、保険、投資、法務、特許、会計、電力・ガス、宅配、電気通信、建設サービス、流通、高等教育、医療機器、航空輸送などの非関税障壁撤廃を目指すものなのである。
それは、日本固有の文化と伝統を破壊し尽くすものと言っても決して言い過ぎではない。
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自民党圧勝、そして思うこと

自民党が圧勝しました。まずは安心した次第。
ぼくは、日本は世界から見て普通の国になる必要があると思っています。日本を普通の国に出来るのは、安倍晋三以外にはないと思い始めていました。
ぼくも、この前の選挙では民主党が日本を変えてくれると思っていました。そんなことはないという人もいましたが、そんなことはない筈だと抗弁していたのです。
しかし時間が経つにつれ、弁護のしようがなくなるような事件が続発しました。そして、3.11が起こりました。
仙谷氏が、「自衛隊を暴力装置」と呼んで物議をかもした時も、あの頃の学生はみんなそう思っていたのだから、それはそれでいいのではないかと思ったりしたものでした。
ところが、中国漁船の体当たり事件が起こったとき、彼の取った行動や指示は、日本人としてあるまじきものに思えたのです。3.11での菅首相の行動も納得できるものではなかった。
その責任転嫁の態度は、<弁当屋の仙谷>や、<四列目の菅>を想起できるもので、人間を知るには、若い頃の行動を調べればいいという説を思い出しました。
考えてみれば、全共闘の学生の中には、日本人というより国際人という観念がより強い人もあり、そういう意味では、彼らはその頃から日本人ではなかったのではないか。
そういう人たちを多く含む民主党は、消えてもらう必要がある、などと過激なことを考える様になっていました。
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東京裁判~欺瞞の歴史構築の覚え書き~(1)

そのときから66年がたった今、極東国際軍事裁判いわゆる東京裁判が正しい裁判だったと唱えるような人は、ほぼいないといっていいのではないか。しかしそこで作られた虚偽ともでっち上げとも思える事柄は、あたかも真実のように戦後の日本人の心に深く染み付いてしまったかのようである。
ぼくは自分自身の問題として、その避けるべくもないまま刷り込まれ信じ込まされたマインドコントロールともいうべき状況を抜け出すために、東京裁判の実相を調べる必要があると思い至った。
そもそも戦争が裁判で裁かれるということは、この裁判まで人類史上なかった。1946年の東京裁判とその前年のニュルンベルグ裁判が最初のものであった。それまでもいくつもの戦争があったが、それを裁判の俎上に載せることはなかった。その理由は何か。
渡部昇一氏によれば、戦争とは論理的に解決できないときに、決闘によって勝敗を決めるという騎士道に基づく作法の延長と考えられ、それは中世の欧州において確立した。
中世の歴史を持たないまま成立したのがアメリカである。イギリスの落ちこぼれ(メイフラワー・サティアンとも呼べる)人たちが作った国がアメリカであり、南北戦争で、英国の援助を得た結果、南軍と呼ばれたアメリカ連合国(南部諸州)を完膚なきまでに破壊し、その指導者や軍人を復讐裁判で徹底的に糾弾した。そんな国がアメリカなのである。(この部分は倉山満「嘘だらけの日米近現代史」)
そうであって見れば、東京裁判が裁判というもっともらしい形をとった復讐劇であったことが、容易に理解できる。
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