ようやく気づいたのか政治家さんたち

新聞配達のバイクの音がした。今朝の京都新聞の朝刊を取りに出る。
ずっと取っていた朝日をやめてからもう10年以上になろうか。ベルリンの壁崩壊以後、急に朝日の記事が呆けてることに気がついた。腹立たしいこともあったりして、京都新聞に変えた。
さて、新聞の3面に「尖閣は領土」積極主張。日本方針転換、中国の非難に対抗、という見出しで尖閣の記事がある。
積極主張って、少々遅いんではないですか。
先日は、野中広務というご老人が、中国のテレビに出て「まことに申し訳ない。このごろの若い人は歴史を知らない」と驚きの謝罪をしたかと思ったら、次には大江健三郎というノーベル賞作家が反日の同士を募り、さらには村上春樹氏が朝日に反日のエッセーを載せた。
こうした人々が、堂々と発言できるところが、日本が平和な民主主義国家である証ともいえるのだろう。
こんな人たちは、自分のことを決して反日とは思ってはおらず、自分は知識人として穏やかな中庸論を唱えていると思っている。そして、島は分け合えばいいではないかという。
商取引やビジネスの世界では、そうしたウィン・ウィンの関係が成り立つかもしれないが、こと領土に関しては、取るか取られるかの二つしかない。
そうした感覚は、土地に根ざした日本の農民たちが大昔から知っていたことではないだろうか。
ところが、田舎を捨て、都会のビルのマンションに住む人々には、その感覚はとっくに失われてしまっているのだろう。
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GHQの負の業績

先週からNHKの日曜ドラマ、敗戦後の最初の首相吉田茂を描いた『負けて、勝つ』が始まった。
そのころ、ぼくはまだ小学生だった。マッカーサー率いるGHQ(General HeadQuauter連合国軍最高司令官総司令部)が描かれる。
司令長官のマッカーサーは、大変立派な軍人であると聞かされて育った記憶がある。戦争に負けた日本人にとって、天皇に代わる人だったという説を聞いたこともあった。
日本に平和憲法を作らせ、婦人参政権をもたらし、民主国家を作らせた人と思っていたマッカーサーが、実はとんでもない謀略を仕掛けていたということを知ったのは、だいぶ後のことである。
それはまさに洗脳、国民全体に仕掛けられたマインド・コントロールだったともいえ、いまなお、その呪縛から解き放たれた日本人はほとんどいないといってもいいのではないだろうか。

たとえば、焚書。
焚書といえば史実に名高い始皇帝の「焚書坑儒」が思い浮かぶ。これは、紀元前213年のことで、始皇帝は医薬・卜筮(占い)・農業関係以外の書物を焼き捨て、翌年には批判的な言説をなす儒教学者数百人を穴埋めにして殺したことをいう。
マッカーサーの焚書は極めて巧妙であり、多くの人に知られないように行われた。それは7000を越す分野に及び総冊数は一千万冊を超えたともいわれる。リスト作りには英語のわかる若者アルバイトが雇用された。日本が海外で行った行動の記録や業績に関するものはすべてリストアップされた。これによって、日本人が海外で行ったことが、アングロ・サクソンの植民地支配などとは別物であったというような史実はほとんど消滅したのだろう。これは歴史の抹殺に等しい。
焚書リストには地理の教科書が含まれていた。その理由は何だったのか。考えられることは、15世紀からの世界地図を見ると、アングロサクソンの植民地支配が明らかとなるからだったと思われる。日本はいわゆる植民地を得る為に戦争をしたのではなかった。
たとえば、欧米の植民地宗主国がその国の人のために大学を作ったりしたことはなかった。しかし日本は朝鮮・台湾に大学を作った。
少し詳しく言うと、明治維新後、日本は9つの帝国大学を作っている。最初は東京帝国大学、二番目は京都帝国大学、三番目は東北帝国大学、四番目九州帝国大学、五番目北海道帝国大学、そして1924年関東大震災の翌年、ソウルに京城帝国大学。4年後の1928年には台湾に台北帝国大学が作られた。この二つ朝鮮と台湾の帝国大学は、大阪帝国大学と名古屋帝国大学より先に作られたのである。
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尖閣の岩峰

先だっての2日、東京都が尖閣列島の魚釣島買取のための調査測量を行ったことは、新聞テレビで周知のことである。
このニュースを見ていて、そこにすばらしく美しい岩峰の映像を見て驚いた。
一瞬、攀りたいと思い次いで、もうそんな年じゃないと思った。
それにしてもいい峰ではないか。
右のスカイラインを直上するルートを取りたい。
写真を撮影したのは、東海大の山田吉彦教授だと思われる。
先ごろ華厳の滝を登ってつかまった馬鹿なクライマーがいた。
誰も登ってないところを登りたいというのがクライマーの欲求だとしても、少しこれは不純に過ぎると思った。
滝登りというのは、沢登りの過程で滝に遭遇した時に始めて必然としての動機が生まれるはずである。

むかし、まだ山登りの駆け出しのころ、岩があれば攀ぼりたくなったものだった。陸地測量部の5万分の1地図で岸壁を示す記号、それを毛虫と呼んでいたが、を探してそこへ出かけたりもした。
そうした山上の岸壁を求めて、田舎のバスに乗っていると、乗客の一人が、「学生さんどこへ行くのか」とたずねた。
あの山の上のほうに岩があるはずなんです。
そのおっちゃんは、怪訝そうな顔をして、「なんかかねめの石でもあるんですか?」といったものだった。

それにしても、この見事な岩峰はいわゆる魚釣島にはないようだ。
では南小島か北小島なのだろうか。なんと呼ばれているのだろうか。おそらく名前はついてないだろう。
ほかにも、見事な岩峰が尖閣諸島にはいっぱいある。そして、たぶんまだ取り付いたクライマーはいないと思われる。
日本のクライマーよ。この岩峰を目指せ!
ひょこひょこ行ったら捕まると思われる。十分な準備をして、見つからないようにしなければならない。
尖閣列島には、多くの岸壁がある。この岩峰だけではなく、すべの岸壁を攀ぼり尽くせ。

尖閣問題を考える(プライム・ニュース/BSフジ)

このところ、報道番組に頻繁に取り上げられているが、そのほとんどがしっかりとした報道とは言えないものであり、解説者もあなたどこの国の人と言いたくなるようなものが多い中で、はじめてすっきりと胸に落ちた番組を見た。尖閣問題である。皆さんにも知ってもらいたいと思い、一晩がかりで文字にした。映像を入れたいのだが、あいにく数日前から自作PCが故障している。
mac book proでやるにも、DVDにしようとは思っていなかったので、cprmプロテクトをはずす設定をしないまま録画した。マックはcprmプロテクトがかかったDVDは読めない。このcprmプロテクトを外すには、PC上での作業が必要となる。
というわけで、画像の挿入は少し後になる。
ところで、PCの故障だが、電源が突如落ちだした。起動後1時間くらいでほぼ確実に瞬断する。落ちたら、しばらく放っておかないと、すぐには起動できない。原因は電源ユニットかCPUの熱暴走が予想できた。そこで、CPUの温度を検知するフリー・ソフトを落として調べたら、すぐに高温になり70℃近くで落ちることが分かった。そこで、ともかくCPUクーラーを高性能のものに取り替えることにしてオンラインで注文した。
Amazonにはなんでもあって、朝方に注文しても夕方には着くことが多いので、重宝している。2:00頃オーダーしたから20:00頃には着くだろう。
だから、明日には絵が入るということで、この一晩がかりのがんばりの成果をアップいたします。

プライムニュース:尖閣問題を考える
キャスター:八木亜希子、反町理

出席者:
新藤義孝;自民党衆議院議員、1996年初当選(4期目)総務、外務政務官や経産副大臣を歴任、現在自民党・領土に関する特命委員会委員長代理を務める。

山田吉彦;東海大学海洋学部教授、海洋政策研究財団研究員
日本財団で海洋船舶部長、海洋グループ長などを務め2009年より現職、先月東京都専門委員に選任され、尖閣諸島に関する調査研究を行う。

宮家邦彦;キャノングローバル戦略研究所研究主幹
1978年外務省入省、日米安保条約課長、在中国大使館公使などを歴任し、2005年退職、阿部内閣で首相公邸連絡調整官を務める。

山本周:フジテレビ解説副委員長
官邸、自民党などを担当、政治部長、報道局次長を経て現職。

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八木:新藤さんは、超党派の議員で構成する「日本の領土を守る為行動する議員連盟」がこの魚釣島周辺海域で行った戦時中に遭難した疎開船の犠牲者に対する慰霊祭に参加されました。まずこの慰霊祭というのは定期的に毎年行われているものなんですか。
新藤:地元の遺族の方達がおやりになっています。昭和44年に実際に島に上陸して一度だけ現地で行われて、以来上陸を政府が認めませんので、石垣島の方に別の慰霊碑を造って慰霊祭をやってるという状態なんです。8月の19日というのは昭和20年に遭難して音信不通になって7月の3日にアメリカ軍に撃たれて船が沈没して、一隻は沈没一隻は航行不能になって、島に流れ着いて、それから約一ヶ月飲まず食わず餓死したり病死したり。
反町:魚釣島に漂着した疎開したというか避難船だったんですか。
新藤:石垣島から台湾に疎開せよということで、2隻の船が出かけていって、7月3日、アメリカ軍に撃たれて一隻は沈没全員死亡、一隻は魚釣島に流れ着いて一ヶ月近く音信不通、筏を組んで決死隊がようやく島にたどり着いて、呼んで来て救援船がようやくたどり着いたのが8月19日なんです。
(注:この事故についての詳細は、ここで見ることが出来る
だから我々は、その日にあわせて上陸して慰霊碑のあるところでやろうじゃないか、それはまた遺族の願いでもあるということで企画をした訳です。
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中国人の尖閣への強行上陸について

大騒ぎになってマスコミを賑わわせたこの問題も、強制送還という結末で落着したようです。
この穏便な処置に自民党の例えば石破さんなどは怒りを表明しているようですが、これは多分に選挙対策で彼自身はこうした問題に通じていますから、自分が責任者であったなら同じ対応をしたと思われます。どうしてかというと、現在の日本の法体制ではエスカレートしたらとんでもなく不利な状況に追い込まれてしまうのははっきりしているからです。
今回の事件が、前の中国漁船衝突事件と異なるのは、中国側やアメリカなどとの外交交渉というか事前打ち合わせが充分にされていた点で、そのためあの衝突事件のようなぶれが一切なく、中国側とも打ち合わせの通り、速やかな強制送還という結末に至ったと思われます。
アメリカだって問題がエスカレートするのは大変困ったことになりますし、というのはアメリカは以前のように強い態度で取り仕切ったりできないからです。

中国にはいくつもの今回やって来たような団体があり、つねにそうした団体の行動申請を抱えていると思われますが、今はあんまりやってほしくないので、それを認めず押さえている。でも、完全に押さえるのは難しいし不満を起こさせるのはまずい。まあ香港というちょっと外れたところの団体なら知らん間に行っちゃったという言い訳も可能だということになったのでしょう。
そんなことで、奴らはやって来たのだけれど、この連中を怪我ささず日本側にもけが人が出ず、穏便に返すのにはどうするかと考えると、下手に難破ささずに上陸させ、そこで逮捕するのがもっとも安全なやり方だったと考えられます。
つまり、海上にある限り、通行の自由は公海法で定められており、進行中の船を無理に止めることは領海内であっても難しい。そこで魚を捕っておれば捕まえることは出来ますが。
そこで、うまい具合に危険な海岸部分に向かわないように誘導して上陸させた。上陸してしまえば、日本国内ですから不法入国、銃や刃物を持っておれば銃刀法違反、公務執行妨害などで逮捕が可能です。そして不法入国による強制送還という決められたルーチンに乗ったということだと思います。
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男子サッカーに金の香り

男子サッカーU23の日本チームは、トーナメント第一試合の準々決勝でエジプトに3−0で完勝し、ベスト4となった。
5月に行われたオリンピック前哨戦といわれるトゥーロン国際大会では、オランダに3−2で勝ったものの、グループ最下位でトーナメントに進めず、どうなることかと思われた。
ところが、オリンピック予選リーグが始まると、目を見張る変貌ぶりで勝ち進み、グループリーグを1位で通過した。注目すべきは、トゥーロンでは3試合7失点だったのに、3試合0失点であったことだ。
この高い防御力はどこから来ているのだろう。
強力なオーバーエイジ吉田の参加も大きいが、何よりも前線で強いプレッシャーをかけることにより、攻撃を高い位置で封じるという戦略が功を奏している。それに加えて、俊足の永井、桜井と言ったフォワードが前方に張り、常にカウンターの脅威を相手に与え続けることが出来るし、実際に鋭いカウンター攻撃が可能となっている。
このことが顕著に現れたのは、グループリーグ第一戦スペイン戦だった。この戦術は準々決勝のエジプト戦でも貫かれ、3−0で勝った。エジプトには、トゥーロンではなんと2−3で負けていたのだ。
トーナメントは、一発勝負であり、ゴールを先取することが大きな要素となるが、まず点を取られないことが最重要だと思われる。ところで現在の8チームのうち、失点0のチームは日本とメキシコだけなのである。
守りを固めてカウンターで得点するというやり方は昔からあり、たとえばカテナチオ(鍵かけ戦術)と呼ばれるイタリアで考えられた戦術が有名である。しかしこの引いて守るというカテナチオも今では通用しなくなり、イタリアチームも今年のヨーロッパ選手権では全くの変身を遂げたと思えた。
引いて守りカウンターで得点するという古典的な戦術で、2004年のヨーロッパ選手権を制したのはギリシャだった。オットー・レーハーゲル監督はこの方法を貫いたといえる。このとき、ギリシャは、準々決勝、準決勝、優勝戦とすべてのスコアは1−0なのである。
しかし、その後のギリシャがふるわないように、このやり方はもう古い。今のサッカーには通用しない。ただいえることは、相手にゴールを与えなければ、一点取れば勝てるということなのである。
高い攻撃能力をもつ日本は、失点さえしなければ勝てるのだ。
これは、点をとられてもいい、それ以上に得点すればいいという感じのブラジル・サッカーとは違う。考えてみれば、ブラジル・サッカーを手本としていた日本は、もう昔になったといえる。
それにしても、日本はいつからこんなに強くなったのだろう。
考えるに、その転機は、2003年にイビチャ・オシム監督が日本にやって来た時からではなかろうか。彼が日本人に教えたことは、日本人は他の国の人にはない高い技能があることを自覚して、その特徴をのばせばいい。もうひとつは、サッカーには哲学ともいうべきものが必要であるということだったと思う。
これは、日本のJリーガーに大きな啓示だったのではないだろうか。間違いなく、そう考えただけでJリーグのレベルは上がったのではないだろうか。
今回のオリンピックチームのメンバーの所属は、すべてJリーグのチームであると言っていいのだ。

ぼくは、生きてる間に日本がワールドカップで優勝することなどあり得ないと思っていたのだが、もしかしたら優勝戦を戦う日本を見ることが出来るかも知れんなどと思い出し、急に命が惜しくなって来ているのである。

オスプレー配備強行であぶり出されるもの

BSイレブンにINsideOUTという番組があって、時々見ていた。冒頭のシーンが、若者が会社の階段を駆け上っていて、そこへ上役とおぼしき男がおりて来て踊り場で出会う。若者は喘ぎながら深く腰を折ってお辞儀する。という分かったような分からんような画面から始まる番組だった。誰かゲストを呼んで話を聞くという政治的なテーマを扱う番組だったと思う。
鈴木宗男が収監される前に呼ばれて、こんな話をしたのを印象的に覚えている。その頃話題になっていたネドベージェフが北方領土を訪問したことについて、鈴木氏はこう言った。
「外務大臣は抗議なんかするからおかしくなる。歓迎の横断幕を持って先に出かけて、よくおいで下さいましたと出迎えたらいいんですよ」外交というのは、そういう柔軟さと懐の深さが必要ということだった。
鈴木宗男氏は、日本の外務省官僚が、共産党を使ってつぶして、塀の中に送り込んだ。小沢さんに関しても、なりふり構わず同じことをしようとしたが、うまく成功しなかったのだろう。とぼくは信じている。

さてその後、この番組はキャスターの顔つきも気に入らなかったのであまり見ることもなくなっていた。
ところが、このINsideOUTに田中宇(さかい)氏が登場することを知り、録画した。田中宇氏とは、ずいぶん前に丹後の宿で夜更けまで語り合ったことがあった。このことについては、この<葉巻のけむり>のTPPで日本はつぶれるで触れた。
INsideOUTのテーマは、「オスプレー配備強行、日米が隠す新事実とは」というものだった。番組はリニューアルされており、キャスターも一新されていた。日本の状況に関して、ぼくが感じ思っていることを明確に語っていると思った。例えば、「日本は民主主義だから自立したい、例えば鳩山さんなんかがそういって政権を作った」などというのがそれで、鳩山・小沢は、意図的に貶める世論形成がマスコミによってでっち上げられているとぼくは思っている。
そんな訳で、この番組の内容を、ここで部分的に抜粋引用することにした。全文はいづれ、<高田直樹ウェブサイトへようこそ>の資料欄にアップする予定だ。

オスプレー配備強行、日米が隠す新事実とは
出席者は、山口一臣(週刊朝日前編集長)、金子秀敏(毎日新聞論説委員)そしてゲストの田中宇(国際情勢解説者)。
田中宇は、ようやく最近テレビに呼ばれることが増えて来たようだ。朝日テレビのモーニングバードなどにも出演している。しかし「朝生」や「たかじんそこまで」などへの出演は、ないようだ。むかししゃべった時に、ああいう番組の出席者はあらかじめ一方的にセレクトされているし、出ても面白くないんです。ぼくは浮いてしまうんですと話していた。
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旗判定は覆るべきでないのか?

ロンドン・オリンピックの柔道の試合で、海老沼選手の判定がジュリーの判断で覆り、前代未聞と騒がれている。
少々因縁話めくのだが、一昔前の2000年のシドニー五輪の優勝戦での出来事で、世紀の大誤審といわれた事件があった。篠原選手が相手のドゥイエ選手が仕掛けた内股を内股すかしの返し技で投げドゥイエを仰向けに倒したが、ドゥイエが篠原の帯をつかんでいたため、少し遅れて篠原も横様に倒れる。一人の副審はこれを篠原の一本としたが、返し技の理解を欠く主審と副審の二人は、逆にドゥイエの有効と判定した。このため、篠原は金を逃すことになった。(これに関する記事はインターネットいまもインターネット上にあり、この時の動画はYoutubeで見ることができる)
このとき、山下泰裕選手団監督は、審判委員から審判団の再協議を申し出られたにもかかわらず、フランス語の分からない山下はそれに気づかず試合の継続を許してしまった。結局、試合時間が過ぎてドゥイエの優勢勝ちとなった。試合後、山下泰裕選手団監督及び日本選手一同が猛抗議したが、判定は覆らなかったのだという。国際規定で試合終了後の判定の変更は無いという条項があるからである。日本の選手団はフランス語の通訳かフランス語の分かる日本人を同席させておかなかったのは、不用意としか言いようが無いとぼくは思うのだが。
後でいくら抗議しても文字通り後の祭りなのである。
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いじめ自殺事件について(2)

table1大津市のいじめ自殺事件の報道は、なおも続いているのだが、先頃BS11のプライム・ニュースという番組で、この事件を取り上げていた。
政治問題などもゲストを呼んで、かなり突っ込んだ内容だったりするので、時々は見ていた。
キャスター2反町という難しい顔をした少々目つきの悪いフジテレビ政治部編集委員という肩書きのメインキャスターと、きれいな顔で賢そうな大島という女性のサブ・キャスターそれに解説委員の小林泰一郎の3名が局側のスタッフである。
「日本の教育現場、いじめの現状と対策」と銘打ったこの番組で、ぼくが興味を持ったのは、ゲストの二人がどちらも愛知県と関わりを持った人間だったことである。

戦後の日本の教育は、日教組と文部省の対立の中で、生徒を置き去りにしたままに進行して来たという事実がある。その対立の中で最左翼といわれ、民主教育の本山とされていたのは、京都であり京都教育と呼ばれた。一方愛知県はその反対の極にあり、京都で蜷川府政が風化崩壊した頃、京都府教委は校長候補生の教員を愛知県に研修に送って日教組つぶしを学ばせたりした。その愛知県からの二人のゲストである。

ゲストの一人、斎藤嘉隆氏の経歴に興味を持った。Wikipediaによると1991年愛知教育大学体育科を出て小学校教諭となったが、5年して1996年に名古屋市教組の執行委員となっている。2000年には愛知県の県教組の執行委員、2003年に連合愛知執行委員(連合というのは日本労働組合総連合会)、2007年愛知県教祖執行委員長連合愛知副会長、そして2009年教育委員会に移ると共にすぐ退職し、民主党に入って2009年佐藤泰介参院議員の地盤を譲り受けて、2010年民主党の一回議員となっている。
大学を出て、5年は現場の教員だったといえるが、以後は教員組合の専従教員で、ほとんど教育現場にはいなかったのではないか。京都では、組合専従になると授業はほとんどないくらい減免され、組合活動に専従するのが常であった。
番組の紹介にあるように20年間小学校の教諭だったという説明は、籍はあったのだろうが、少なからず嘘といっていい。また、教育委員会にも出向したという紹介も、嘘ではないが、それで教育委員会の実態が分かるとは思えない。教育センターというところは、教育委員会の管轄ではあるが、ちょっとした離れ小島で、例えば京都では、組合の強力なイデオローグなどを島送りする場所であったりした。だから、教育現場での経験と、委員会の実情が分かっているとも思えないのだ。
どんなことをしゃべるのか興味を持った訳である。

もう一人のゲスト、内藤朝雄氏。1962年東京都に生まれだが、愛知県立東郷高校を中退。同高校在籍時代は、愛知県各地で実施されていた過酷な管理教育の洗礼を受ける。この体験は、後の内藤のスタンスへ大きな影響を与えることになった、とWikipediaにはある。(おそらくいじめも体験したと思われる。TV画像の、その少々エキセントリックな表現をききながら、この人はほぼ間違いなくいじめを体験していると思った)。その後、通信制高校をへて山形大学へ、さらに東大大学院総合文化研究科に進学。博士課程取得後、明治大学准教授となり、東大と立教大の非常勤講師でもある。
『いじめの構造〜人はなぜ怪物になるのか』ほか、いじめ関連の本をたくさん書いていて、いじめ研究の第一人者とされている。

この対照的な二人がどんなことをしゃべるのか大いに興味を持った。
この番組を見ながら、教師だった昔が色々とフラシュバックし、バカかと思ったり、なるほどと感じ入ったりした。
番組の終わりがたに、斎藤氏が、いじめの問題はクラスで話し合って必ず解決できると、大昔の組合理論を述べ、内藤氏がそういう話し合いは、つるし上げの場になることもあるとちょっと反論するという場面があった。
むかし、「一人の悩みはみんなの悩み」というクラスの標語みたいなものがあって、職員会議でこの考えがやたらに教条主義的に強調され、みんなで話し合って解決しようと強制されるような場面があった。ぼくはそういう組合的な集団指導や集団主義には懐疑的だった。
教師になりたてのぼくは、60年代当時、まだあまり知られていなかったノンディレクティブ・カウンセリングの研究をしていたので、少々馬鹿らしくなって、こう発言した。生徒の一人が、ペニスが小さいと思い悩んでいたとして、そうした短小コンプレックスはクラスの話題になりますか。一同あっけにとられたようだった。
この辺りのことは、京都新聞連載の『いやいやまあまあ』の「問題生徒はぼくのカウンセラー」に書いています。
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石原都知事ワシントン講演、尖閣買い取り

尖閣問題が注目を呼んでいるが、尖閣買い取りは、東京都知事がワシントンのヘリテージ財団から招かれての講演で、このことを言明したことから始まった。
その講演とはどんなものだったのかと、興味が湧きYouTubeで聞いてみた。けっこ与太話めいたところもあると思えた。誰かの感想のように歴史に残る名演説などとは思わないが、十分に耳を傾ける価値のあるものと思えた。そこで、これを文字に起こすことにした。
動画では、飛ばし見というのは難しいが、文字ではとばし読みが可能である。

こんにちは。お招きいただきまして、ありがとうございます。
私は共産主義は嫌いなのですが、毛沢東が書物の中でなかなかいいことを言っている。それは矛盾論っていうのですが、要するに身の回りにある問題は従属矛盾ともいうべきものでその本体は背後にある主要矛盾ともいうべきものである。とそういっているのですね。あらゆる問題について、主要矛盾の解決を目指さないと本当の解決はないのです。
今世界は大きく動いていますが、大きな問題の一つは環境問題です。
40年ほど前に、あのブラックホールのホーキング博士が日本にやってきて公演をしました。そのときに日本の物理学者が、地球のように文明の進んだプラネットがいくつくらいあるかと質問したら、ホーキンスは200万と答えた。私はびっくりした。そんなにたくさんあるんだったら、下らんハリウッドの映画に出てくるような宇宙船がどんどんやってきてもいいではないか、おかしいではないかと質問したら、そら違う、地球ぐらいに文明が発達すると、循環が悪くなって宇宙時間からいうと瞬間的に消滅すると答えた。
それで私はその宇宙時間で瞬間というのは地球時間で何年くらいだと尋ねたら、彼は100年だと言いましたね。あれから40年経ったからもう60年しか残っていない。

もう一つの問題は、アフガンや中東で起こっていることで、これは結局キリスト教圏とイスラム教圏の争いじゃないんですか。アフガンではアメリカが主導して戦っているようですが、この戦いに勝てませんねえ、絶対に勝てないキリスト教圏の軍隊は。
私はねえ、20代の終わり頃ある新聞社に頼まれてベトナムに行きました。
それで最前線に行って、雨の中ポンチョを被ってゲリラを待ち伏せし、10人の内、7人を殺して帰って来たけれど、アメリカは勝てないと思った。他の国からの特派員も同意見でした。やっぱりああいう結末になりましたけれどね。

今起こっていることは、かつての十字軍の戦いと同じものです。それで、キリスト教圏の白人がアラブを含むイスラム教圏を支配して、それが独立して資源を得て牙を剥くようになった。わたしはこれは、別に良いとも悪いとも言いませんが、歴史の必然の大きな波だと思います。
これがどう終結するかは分からない。誰にも分からない。
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