もう10年以上も前になると思うのだが、田舎の仏壇を掃除したことがあって、その時に煤に塗れた黒くて、そしてとてつもなく古い位牌を床の間の畳に並べて写真を撮ったことがあった。
そのことを思い出して、写真のライブラリーから、少々手こずったがなんとか探し出した。
その中で、大きなものもあって書いてある文字を読み取ることが出来る。頭に還元とある。これはそう書かれることがよくあったそうで、仏になるという意味だという。下に洞雲慈現信士と戒名がある。その右に文政九戌年、左に四月廿七日とある。文政というのは、江戸時代の年号でその後期にあたり町人文化が花開いた時期というくらいしか知らないので調べてみた。
文政10年には西郷さんが、6年には勝海舟が生まれている。それより何より驚いたのは、今年は文政9年から丁度200年に当たるのである。
200年近くも囲炉裏の煙と一緒にあったらこんな色になるというのも納得できた。それにしてもこの位牌は200年も前のものだったのか。
これらの位牌は、やがて盛光寺の位牌堂に安置されることになると思われるが、我が家の者たちはこれらを守ってゆかないといけない。そう思ったのである。